庭の雪が、やっと解けてなくなった。
ふきのとうが顔をだすのを楽しみに眺めているのだけれど、一向に見えない。
「おかしいなァ、ふきのとうが出てこないね~」
とつぶやいたら、夫が
「ああ、雪が降る前に引っこ抜いたから」
と、あっさりと言う。
ああ、やっぱり・・・
オンコの木の下で、ひっそり咲いていた可憐なすみれも、自然に消えていったと思っていたら、
やはり夫が引っこ抜いていたのだった。
「草取りしていたら、花か草かかまってられるか!」というのが夫の言い分だ。
まあ、確かに。
ガーデニングに手を出さない私に、何も言う権利はないのよね。
でも、ふきのとうのてんぷら、食べたかった。
あのほろ苦い味を思い出し、よだれを堪えて涙ぐんでいる私。
そこに、夫の更なる一撃が。
「今年は独活も抜くぞ!」
ガ~~ン
若い独活のてんぷら、おいしいのよ~~
ううう・・・ひどいわ
そりゃ、独活の大木という言葉があるくらいだから、邪魔かも知れないけど・・・
自分だって喜んで食べてるくせに・・・
だけど、独活を取り払った後に新しい土を入れてなんたらかんたらと、
楽しげに計画を練っている夫を見ると、とても反対はできないわ。
せめて、独活のてんぷらを食べてからにしてもらおう。