珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

「バンのみやげ話」

2013年02月05日 | 読む

中学校の頃、「バンのみやげ話」という本が大好きだった。

図書室で借りて読んだ。

著者は「コタンの口笛」の石森延雄さん、挿絵はやなせたかしさん。

今はもう絶版になっているらしい。

少し前に「旅の短篇集」を「春夏編」、「秋冬編」と続けて読んでいて、

どことなく似ているような気がして、思い出したのだ。

旅人バンの、中東やヨーロッパの国々を旅して人々との出会いや垣間見た風景などを

描いているのだけれど、1ドル360円の時代だ。

一般庶民が海外旅行にでかけるなんて夢だった

だからなおさらのこと、外国を旅することへのあこがれは大きくて、

バンの旅の話を、わくわくしながら読んだ。

ぺージをめくるたび、異国の風が吹いてくるようで、なんとも魅力的だった

 

娘が小学校の高学年になったころ、自分が好きだったその本を読ませたくて買って与えた。

私が読んだのとまったく同じ表紙、手に持った感じも同じ本だった。

彼女の部屋の本棚に、まだ並べてある。

それを手にとって、懐かしさにぱらぱらめくってみた。

そして奥付きを何気なく見て、しばし呆然としてしまった。

昭和50年11月24日第1刷発行

昭和55年8月27日第2刷発行

となっている。

それがどうしたのかというと、

娘のために買ったこの本が昭和55年発行の第2刷なのは当然だ。

 なら、私が読んだのは昭和50年発行の第一刷ということだろうか。

でも、その頃、私はもう結婚していて、娘も生まれていた。

どういうことかしら?

その前に違う出版社からでていたなら、装丁が違うはず。

中学生の時読んだというのは、私の記憶違いなのかしら?

だとしても、大人になって結婚までして、児童書を図書館で借りて読むだろうか?

しかもその記憶がないなんて・・・

すっかり混乱してしまった。

おかしい、絶対おかしい!

そこで、Wikipediaネット検索してみると、わかった。

「バンのみやげ話、東都書房、1961 のち角川文庫」

となっている。

そうか、中学生の頃私が読んだのは1961年に東都書房から出版されたものだったのか。

でも、我が家にあるのは、講談社出版で、まったく同じ装丁の本なのだ。

そこで、東都書房を調べてみると、講談社の、かつて存在した子会社だそうだ。

ということは、東都書房はすでにないということだ。

そうか、それで、まったく同じ装丁のまま講談社から再出版されたわけなのね。

東都書房から講談社へ、さらに角川文庫へと引き継がれたのだろう。

Wikipediaの情報は講談社を飛ばしているのだと思う。

気分はすっきり、一件落着

 

さて、ついでにもうひとつ驚いたことが

著者と画家紹介の欄に、石森延雄さんとやなせたかしさんの現住所が

今でいう枝番までしっかり記載されているのだ。

昔は現住所を記載しても何の不都合もなかったのね。

個人情報保護法なんて、影も形もなかった時代だったものね~。

今じゃ考えられない。

やっぱり昭和って良い時代だったのね~

 

 

 

 

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする