韓ドラ入門者にお勧めのドラマとして取り上げられることの多い、tvNドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(2016)』だが、一体、なぜ支持されているのだろうか。理由を、脚本家、監督、俳優、音楽の切り口で紐解いてみる。
気に入ったドラマに出会うと、つい人にも紹介したくなるものだが、なぜここまで『トッケビ』が支持を得て、推薦され続けるのかその理由を探ってみる。
『トッケビ』は、韓国でヒットメーカーと言われる、キム・ウンスク作家が手掛けた作品というだけあって、韓ドラならではのファンタジーものを存分に味わえ、かつ非現実的なストーリーに自然に没入できる作品ではないだろうか。
そして、キム・シン(コン・ユ扮)とチ・ウンタク(キム・ゴウン/以下、ウンタク)のロマンスに、男同士の友情を加え、輪廻を題材に謎が解けていくストーリー展開からは目が離せない。
また、見る者に考える余白を持たせた、全てを語り過ぎないセリフの数々を含め、詩のように美しいセリフがあるかと思えば、ウィットの効いたセリフもあり、視聴者にとっては重たくも軽くもなりすぎない、絶妙なバランスで構成されている。
イ・ウンボク監督の演出した、まるで映画を見ているかのような圧倒的な映像美抜きには、『トッケビ』は語れないだろう。
迫力ある時代劇シーンから、四季を感じられる風景、異国ムード漂うカナダロケでのシーンなど、どの場面を切り取っても“美しい”の一言に尽きる。
トッケビが憂鬱な日には雨が降り、気分がいい日には花が咲くという設定のため、雨と花がよく登場するが、そんな何気ない日常までも美しく描き出している。
綺麗なものを見て感動した時、大切な人に伝えたり、共有したりしたくなるものだが、韓ドラファンにとっては、『トッケビ』もその1つなのかもしれない。
劇中、キム・シンとウンタクのロマンスに加えて注目されたのが、キム・シンと死神(イ・ドンウク扮)の友情だ。
決して男臭いものではなく、女性が多い韓ドラファンにも、抵抗なく受け入れられる内容になっていた。
また、キュートな一面を持つキム・シンと、純粋で天然な死神、お調子者のユ・ドクファ(BTOB ユク・ソンジェ扮)の掛け合いも見所だ。
イケメン3人が見せるケミストリーは、つい人に紹介したくなるポイントなのかもしれない。
メインキャストのコン・ユをはじめ、キム・ゴウン、イ・ドンウクは言うまでもないが、回想シーンや脇役まで、今を輝く俳優が勢揃いした作品だ。
演技に定評のある俳優たちが出演した、完成度の高い作品だからこそ、韓ドラファンは自信を持って一押ししたくなるのではないだろうか。
ちなみに、時代劇シーンで登場する王 ワン・ヨは、tvN『2度目の二十歳(2015)』にも出演した俳優のキム・ミンジェが、その王妃 キム・ソンを、SBS『屋根部屋のプリンス(2012)』にも出演した、女優のキム・ソヒョンが務めた。
また、ウンタクの初恋相手チェ・テヒは、JTBCドラマ『スノードロップ(2021)』に出演したチョン・ヘインが演じている。
俳優キム・ミンジェ(左)、女優キム・ソヒョン(中央)、俳優チョン・ヘイン(右)が、tvNドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(2016)』に出演した
韓ドラを語る上で、OSTは非常に重要な要素の1つで、ドラマの各シーンに絶妙なタイミングで流れてきて彩りを添え、楽曲を耳にしただけで、印象的なシーンが頭に浮かぶ人も多いはず。
特に『トッケビ』のOSTの収録曲のいくつかは、当時の韓国で音源チャート入りするなど、大きな反響を得ており、同ドラマ内での印象が強かったことが伺える。
日本のドラマとは少し異なる、韓ドラならではのOSTの良さを存分に味わえるという点も、『トッケビ』が支持される理由の1つなのかもしれない。
そして上記は、あくまで”魅力の一部”に過ぎず、視聴者によっては、異なる印象を受けた人もいるだろう。しかし、魅力溢れる作品である『トッケビ』は、今後も多くの人に語り継がれ、不朽の名作として、韓ドラの歴史に残り続けるのではないだろうか。
かしこい韓流・k-pop (投稿:西谷瀬里)
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