韓国映画「高速道路家族」あらすじと感想。
第27回釜山国際映画祭で、「パラサイト 半地下の家族」に次ぐ大傑作と称された、チョン・イルとラ・ミランのW主演映画「高速道路家族」。2022年の作品。
同作は、ホームレス一家と裕福な訳あり夫婦、2つの家族の偶然の出逢いが火種となるパラサイティック・スリラー。第27回釜山国際映画祭で「『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ大傑作」「ユーモア、サスペンス、アクション……映画のすべてが詰まった衝撃作」と称され、本国の公開でも、観客・批評家の熱狂を呼び、スマッシュヒットを記録した話題作だ。
(あらすじ)
テントで寝て、夜空の月を照明として暮らすギウ(チョン・イル)と3人の家族。彼らは、高速道路のサービスエリアを転々とし、再び遭遇することのない訪問者に2万ウォンを借りながら食いつないでいる。
ある日、すでにお金を借りたことのあるヨンソン(ラ・ミラン)と別のサービスエリアで再び遭遇してしまう。不審に思ったヨンソンはギウを警察に届け出ることに。ヨンソンは残されたギウの妻ジスク(キム・スルギ)と子供2人を放っておけず、家へ連れて帰り一緒に暮らすことに。
何不自由のない生活を送るジスクと子供たち。そんな家族をギウは取り戻そうとするが、相反する2つの家族の出逢いがとんでもない結末を迎える。 (kstyle)
高速道路のサービスエリアで生活しているギウ(チョン・イル)の家族。
はじめは、サービスエリアにテントを張って楽しそうな雰囲気でしたが、実は人の良いギウは騙されて、ヤンピョン洞の再開発詐欺事件の横領と詐欺の疑いで指名手配されていたのです。
話題になった半地下の「パラサイト」と比較されているようですが、本作は高速道路のサービスエリアが生活の場所になっているので本当にお金がない、切羽詰まった状況です。
「パラサイト 半地下の家族」に次ぐ大傑作というコメントには騙されないように半地下の「パラサイト」とは全く関係がない物語で、結局、お金もなく更に指名手配されていたので高速道路のサービスエリアを転々としていたことが分かりました。
本作はドラマ中心に活躍してきたチョン・イルさんが今までに演じたことのない衝撃的なホームレス家族のダメ父親を演じていますが、この父親ギウの生き方や行動に皆が影響されていく過程が描かれていきます。
警察から逃走した父親ギウが「俺頑張るよ、家族だろ」と、もう一度、家族一緒に暮らしたいと妻ジスク(キム・スルギ)に泣いてすがりつく姿はグッときますが、「お願いだから私たちから離れて」と手を合わせ必死に「ここにいたい」と懇願する妻の姿も納得します(笑)
また妻のジスク(キム・スルギ)と子供たちを引き取って自分のお店のリサイクルショップで住まわせるヨンソン(ラ・ミラン)にも心に大きな傷があり、その心の弱さからなかなか抜け出せないのです。
そのラ・ミランさんの子供たちへの愛情が視聴者の心を引き付けますが、家族たちに同情し結果的に家族を父親から引き離してしまうヨンソン(ラ・ミラン)です・・・
でも子役の子供たち2人がとても可愛くて演技が上手でした。
本作は地味な物語で、結局、血のつながりを求める家族愛なのか、血縁がなくても大切な家族もあるという、広い範囲を示す家族愛について考えさせられる映画でした。
子供は家族愛を受けて一心に育ちますから・・・