近年、韓国ドラマ界でごく一部のトップ俳優の出演料が高騰しすぎているとの声が上がり、“韓国ドラマの危機”が叫ばれているが、想像以上に事態は深刻のようだ。
「最近のトップ俳優は、“開き直り状態”です。特にシーズン2に入ろうとする作品は、とてもひどい。自分が主人公だから(出演料を)途方もなく吹っ掛ける。ドラマ制作会社の立場では、シーズン1の主人公を使おうとすると制作費が高騰し、使わないと話がつながらず、悩みだけが大きくなります」とあるマネジメント会社のA代表は、制作会社や放送局が最近明らかにしたトップ俳優の過度な出演料の引き上げについて、大きく共感するという意思を伝えた。
各ドラマや映画の制作費は限定的だが、トップ俳優があまりにも欲張っているため、その他の俳優の出演料を削るしかない現象が発生しているというのだ。
そもそもこの現象は、放送局や映画配給会社の“古い体制”から始まった。各制作会社が新人や演技派俳優を主演にした面白い企画案を提出したとしても、結局のところスター級俳優の出演が決まってこそ放送にゴーサインが出るためだ。
主演級の1、2人を除いた3番手、いわゆる「サブ男性主人公」「サブ女性主人公」に当たる俳優たちは既存の出演料の半分しか受け取れないからだ。
前出のB代表は「良くて70%だ。もし2000万ウォン(約200万円)を受け取る俳優がいるなら、1000万ウォン(約100万円)に値切られる。交渉もなく通知だ。制作会社は“この金額でやるか、そうでなければやらないかだ”といった態度だ。トップ俳優のキャスティングのために他の俳優たちが犠牲になっている構図」とし、「トップ俳優には振り回され、他の俳優たちには高圧的だ」と明かした。
制作費がますます減ったため、各ドラマに特異なパターンも生じた。メインである主人公が大物であれば、相手の俳優は新人級や知名度の低い俳優が占めることになる。
また、主人公の友人役の役割が減る傾向だ。かつては主人公の隣に友人が2、3人はいたとすれば、最近は1人か、誰もいない作品が多い。助演級や新人俳優の居場所がさらに減っている。
ある制作会社の関係者Cは「制作費のために仕方なくキャラクターを減らすことになる。主人公がさらに多くの役割を担当する構造に変わっている」とし、「男性主人公の出演料が高ければ、女性主人公は新人を起用する傾向が最近目立つ。すべて制作費の限界によって発生する問題」と説明した。
B代表は「最近、メイン主人公級の俳優はもちろん、助演級の俳優にも機会がない。以前は1年に10作品以上出演する“多作”な俳優が必ずいたが、最近は3作品出演するだけでも多いほう」とし「事実、主演であれ助演であれ、次の作品がない」と強調した。
制作会社とマネジメント会社の関係者同士が口にする冗談として、「2026年までは耐えてみよう」という言葉ある。2026年頃になれば、ようやく大衆文化業界が正常化するという予測からだ。今年と来年には、数多くの制作会社とマネジメント会社が倒産すると予想される。史上最も厳しい転換期だという見方だ。 (スポーツソウル)
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