韓国ドラマ「リターン」あらすじと感想、最終回
2018年作品、全17話
上流社会の御曹司4人が絡む謎めいた殺人事件。
思わぬ展開から目が離せなくなる本格サスペンスドラマで
韓国で高視聴率を記録しました。
また、途中後半から主役の弁護士ジャヘを演じるコ・ヒョンジョンさんが
降板するという前代未聞の事態にドラマの今後の見通しが心配
されたようですが、次の後任者パク・ジニさんに代わっても同時間帯
視聴率1位をキープしたようです。
パク・ジニさんは当時第二子を妊娠中だったとは思えないやり手の
弁護士を演じ、素晴らしい女優魂は絶賛です。さすが!
とにかく、終始飽きることのないストーリー展開で後半パク・ジニさんに
変わったあたりから思わぬ展開に物語が進み予想だにしなかった
事態にちょっと驚きました。
また、もう一人の主演俳優に2年ぶりのドラマ復帰となるイ・ジヌクさん。
二人の女優演じる敏腕弁護士と共に難事件を解決していく熱血刑事に
扮し破天荒な雰囲気ですが最後まで熱い演技で魅了してくれます。
甘いマスクは相変わらずイケメンでナイスガイ!素敵でした!
でも本作はイ・ジヌクさんが絡むラブストーリーがなかったのが
残念でした。最近の傾向として恋愛が1つもないドラマが多くなって
きましたね・・・
そして、本作で見事な悪役を演じた御曹司4人の狂気じみたヤバイ
怖すぎる怪演にも注目です。
連続殺人事件の容疑者として浮上する上流階級の御曹司4人。
シン・ソンロクさんが頭脳明晰で極悪非道な男、パク・ギウンさんは
普段は妻ナラと子供ダルレの良き夫ですが、裏で不倫を
している反省の欠片もない男、ポン・テギュさんはすぐにキレて
暴力的になるクセがあり、ユン・ジョンフンさんは真実に背を向け
薬に逃げる男を演じています。
4人は子供のころからの友人でありながら、自分が一番大事で
自身に害がおよぶと簡単に裏切りあうような仲です。
本作はストーリが抜群に面白く、この4人の御曹司の不気味な
それでいて奇妙な魅力のある演技にビビりながらも大いに
期待できるドラマです。
あらすじ(ネタバレあり)
過去の事件の真相を暴くテレビの法廷番組「リターン」の進行役を
務める人気弁護士ジャヘ(コ・ヒョンジョン、パク・ジニ)。
刑事のヨン(イ・ジヌク)はジャヘの番組で自分が担当した事件を
スキャンダラスに扱われたことに腹を立てます。
また一方、現在は財閥の御曹司イノ(パク・ギウン)と結婚して
専業主婦となった元弁護士のナラ(チョン・ウンチェ)は最近同じ
タウンハウスに引っ越してきた謎の女性ミジョン(ハン・ウンジョン)
と親しくなりますが、実はミジョンは夫イノの不倫相手でわざと
ナラに近づいてきたのです。
ある晩イノはミジョンに「妻と子供に近づくな」と車の中で
言い争いますが、その1週間後、ミジョンはスーツケースに入った
遺体として路上で発見されます。
事件の担当となった刑事ヨン(イ・ジヌク)はイノ(パク・ギウン)を
殺人容疑で逮捕しますが、そんなヨン(イ・ジヌク)の前にジャヘが
イノの弁護士として現れますが、お互いに決定的な証拠を
見つけられずにいます。そしてジャヘはイノの妻ナラに弁護士に
戻るように言います。
ジャヘはイノに信頼関係が勝敗を決めるすべてだと言い、すべて
正直に話すようにイノに言った後、自分はミジョンを殺してないし
最後に二人で行ったペントハウスは自分だけでなく、御曹司4人と
ミジョンの5人で利用している部屋だと話します。
そして、イノの妻ナラは殺されたミジョンが御曹司の一人テソクの
運転手をしていた娘で、イノが二十歳のころ付き合っていて、最近
復縁したことを御曹司の一人ジュニから聞きます・・・
ナラはきっと夫の殺人容疑より昔の彼女との不倫を絶対に許せないと
私は思いました。
はじめにミジョンの遺体は御曹司の一人ハクボクの車のトランクの
中にあり、ハクボク、テソク、ジュニの御曹司3人はテソクの会社の
採石場にミジョンを埋めましたが、その遺体が路上で見つかったのです。
でも、誰がミジョンを殺してトランクに入れたのでしょうか?謎です?
そして精神的に病んでいるジュニはすべてを警察に話して自首すると
言いますが、そんなジュニをハクボクとテソクが車ごと崖から
突き落としますが見つかった遺体はジュニではなかったのです。
誰がすり替えてしまったのか?これも謎でミステリーな展開が続きます。
その後も連続殺人事件が続き弁護士のジャヘは刑事のヨン(イ・ジヌク)
とともにこの殺人事件を暴くために協力して捜査をはじめるのですが、
過去の事件や複雑な人間関係もからみ合い、事態は思わぬ方向に
走り出します。
そして、その真相を突き詰めていくと、19年前に起きたある事件が
明るみになります。
その事件とは19年前、テインの海岸道路で車が一人の少女チョン・ソミ
をはねてしまいます。その車にはイノ、テソク、ハクボク、ジュニと
御曹司4人が乗っていましたが、怖くなった4人は少女チョン・ソミを
海に投げ捨ててしまいます。ところが警察は少女の溺死を交通事故と
発表し、この時グルになったのが担当刑事のハスクと監察医の
コ先生、嘘の証言をしたミジョンだったのです。そして、この3人が
殺され連続殺人事件として捜査が始まりますが、悪の御曹司4人に
疑いがかかるように事件は進んでいきます。
毎回、新たな謎が発見されると共に心理戦が繰り広げられ、一体誰が
犯人なのか混乱させるストーリー展開がドキドキです。
でも一番の驚きがこの殺された少女チョン・ソミの母親が
弁護士のジャヘで、この時運転していたイノの代りに刑務所に
入ったのが、ヨン刑事の後輩ドンベの兄テ・ミニョンだったのです。
(御曹司4人は年齢的に少年法で罪にならないため、権力とお金で
代わりにミニョンが罪をかぶることになります)
そして、お互いに御曹司4人に恨みがあるジャヘと妹の性暴行事件で
恨みがある医者のキム・ジョンス、刑事のドンベが連続殺人事件に
絡んでいたのです。恐ろしい復讐鬼はジャヘだったのです。
刑事のヨンはまさかジャヘがと動揺しますが、自分の過去の過ちを
告白し「もうやめてほしい」とジャヘに真剣に伝えます。
その後「ヨム・ミジョン、アン・ハスク、コ・ソクスン、殺害容疑で
逮捕します」と言ってジャヘに手錠をかけますが、確実な証拠が
ないままジャヘは釈放されます。これも計算されたジャヘの
筋書きだったのでしょうか?
ジャヘはヨンに「自分の仕事をして、私を法廷に立たせればいい。
お願いだから」と言いますが、これもジャヘの計画の1つなので
しょうね。法の抜け道を知っているジャヘの仕返しなんです。
そしてジャヘはナラを自分の弁護士に任命するのです。
ところがナラはジャヘが19年前殺された少女の母親チョン・イネだと
知り弁護はできないと言います。ジャヘは「この事件の真相を
知りたくない?なぜ、私が19年もかけてこの事件を仕組んだのか、
そしてなぜ4人を殺さずにいるのか?」と言います。
悩み苦痛の時間を悪の御曹司にリターンさせ、権力とお金を持った
者には寛大で甘く、持っていない者には何の力にもなってくれない
法律の抜け穴を指摘し、弁護士であるジャヘの目線を通して社会の
不条理と闇を訴えるのですが、今の韓国の格差社会そのものを
見ているようなドラマです。
また、本作を視聴しながらコ・ヒョンジョンがなぜ後半から
降板することになったのか?疑問でしたが?彼女が制作側との
葛藤や対立などが原因だと言ってますが彼女が演じた弁護士ジャヘが
後半から弁護士としての特権を悪人(御曹司4人)と同じような手段で
使い、悪には悪を報いるような仕返しをしていく意外などんでん返しに
弁護士としての抵抗があったのでは?と思ってしまいました・・・?
降板の理由が知りたいですが、私は後半から主演が代わりましたが
この後半からのどんでん返しする犯人のストーリー展開がまた本作の
醍醐味と言えると思いました。
また、悪4人の御曹司は友人でありながらもお互いを裏切り、
殺し合いまでするような4人4色の最強の悪は、ドラマの緊張感と
クオリティを高め、ドラマを盛り上げていました。
特にシン・ソンロクさんの目力の怪演は主人公も圧倒する強い
存在感で本当にムカムカしました(笑)
結局、仲間割れをすることがジャヘの復讐だったのでしょう。
最終回
ジュニはテソク、ハクボム、イノを別荘に呼びます。ジュニは二人の
自白を録音して刑事のヨン(イ・ジヌク)に渡すことを約束します。
しかし、取っ組み合いの喧嘩がはじまり、最後にジュニがハクボムを
殺してしまいます。
その後、ジャへは今までの「ローマ数字殺人事件」の真実を明かす
「リターンショー」を生放送で行うと予告します。
ジャヘは「私は殺人犯です。しかし20分後、法は私を殺人犯として
断罪することができません。では「リターンショー」をはじめます。
生放送を通じてジャへは過去、9歳の少女殺人事件と関連した少年たちの
犯罪を暴露し交通事故後、まだ生きている子供を海に投げたことを
放送します。また、権力とお金を使って犯罪に対する処罰を
受けなかったテソク、ハクボム、イノ、ジュニがしてきた今までの
悪行も暴露します。
ジャへは自身が3人を殺したと告白しながらも「3人を殺したのに法的な
証拠がなくて、殺人犯として処罰を受けることはない。法に詳しい私が、
法の盲点を利用したのだ」と伝えます。
「知識がなく貧乏な人たちには障壁が高すぎ、法に詳しく金持ちに
とっては寛大な法。「リターンショー」の視聴者陪審員の方々に聞きたい。
今、あなたは法制度によって完全に保護されていますか?」と聞いた・・・
その後、放送を終えジャへは海に向かった。
彼女の体にはローマ数字が刻まれていた。
4瓶あった薬物ロクロニウムの最後の1瓶は、ジャへが自ら自殺するのに
使い、ジャヘは海に飛び込むのです。
刑事のヨンが海に向かいますが、すでにジャへが死んだ後でした。
ヨンは「最後の犠牲者はあなただったのか」と寂しく悲しむのです。
海に飛び込んだジャへは娘のソミと会い、ソミをギュッと
抱きしめるのです。