カーネギーサイエンスセンターで展示されている、
潜水艦「レクィン」の艦内ツァー、エンジンルームの隣は
マニューバリング(操縦)ルームです。
毎度出してくるこの図でいうと、5番のところにあります。
■ マニューバリングルーム
エンジンルームの隣のマニューバリングルームは
潜水艦全体の電力の供給を制御し、
潜水艦全体の電力の供給を制御し、
コニングタワー、ブリッジ、コントロールルームからの命令に応じて
すべての速度変更が行われる場所です。
すべての速度変更が行われる場所です。
ロッカーのような扉にはE-6、E-7、E-8、と書かれています。
EはエレクトリックのE?
制御パネルと配電盤が並びます。
配電盤は潜水艦の後部半分にある補助モーターに電力を供給するもので、
補助モーターは、コンプレッサー、ポンプ、ヒーター、ブロワー、
その他の高出力機器を作動させます。
配電盤への電力は、艦尾のバッテリー、補助エンジン、
または前方のバッテリーからバスタイを通して供給されます。
手前の白い計器は、STBD(右舷)の潤滑油圧力、
右上の小さな計器は電圧計です。
右上の小さな計器は電圧計です。
「レバーは動かさないでください!」
という注意書きあり。(エクスクラメーション付き)
レバーは左から
リバース、スタート、ジェネレーター4、ジェネレーター2。
発電機は全部で4基、前後エンジンルームに二つづつあります。
左舷側にあるのが2と4です。
これをポートコントロール(舷側制御盤)といいます。
上の通り、2号と4号発電機の発電機レバー、
舷側モーターの始動・逆転レバー、バスセレクター、
後方バッテリーレバーで構成されているものです。
これにより各プロペラシャフトの速度と方向が指示されます。
今まで見てきたように、ここはエンジンルームの隣にあります。
エンジンはプロペラを直接駆動するのではなく、
まず、各エンジンに取り付けられた発電機(ジェネレータ)を回します。
発電機から送られた電力は、メイン蓄電池に充電され、
電気推進モーターに供給されます。
まず、各エンジンに取り付けられた発電機(ジェネレータ)を回します。
発電機から送られた電力は、メイン蓄電池に充電され、
電気推進モーターに供給されます。
そしてその切り替えを行うのが、推進制御スタンドです。
潜航中は、主電池から電力を取り出し、浮上時には、
発電機から供給されるのと同じ電気モーターに供給していました。
第二次世界大戦中、米潜水艦はシュノーケルを装備していなかったため、
作動に大量の空気を必要とするディーゼルエンジンは
海面に浮上している間だけ使用されていました。
「レクィン」はレーダーピケット艦のための改装プログラム、
「ミグレーン」IとIIでシュノーケルを装備しています。
潜航中は、主電池から電力を取り出し、浮上時には、
発電機から供給されるのと同じ電気モーターに供給していました。
第二次世界大戦中、米潜水艦はシュノーケルを装備していなかったため、
作動に大量の空気を必要とするディーゼルエンジンは
海面に浮上している間だけ使用されていました。
「レクィン」はレーダーピケット艦のための改装プログラム、
「ミグレーン」IとIIでシュノーケルを装備しています。
一般的にディーゼル艦のマニューバリングルームにあるのは、
【モーターオーダーテレグラフ】
各プロペラシャフトに命令された速度と方向を表示する
【エンジンガバナーコントロール】
各メインエンジンの回転数を遠隔操作する
【軸回転表示器】
各シャフトの回転数を表示する
【グランドディテクター】
潜水艦のウェットな環境は、保護絶縁を通して
電気エネルギーの損傷や漏れにつながる可能性があるため、
この計器で漏電や短絡を検出する
【測温抵抗体】
モーターや減速機の温度を遠隔で示す
金属の電気抵抗率が温度に比例して変わることを利用した温度センサーです。
【ダミーログトランスミッター(送信機)】
前部魚雷室に設置された本物のログ(水中センサーによる速度計)
が故障した場合、この装置を使用して、推定速度を
船速のデータが必要な航行や火器管制提供することができた
このような装備が搭載されています。
わたしの前の見学者の姿がついに見えなくなりました。
みなさん、もっとじっくりと細部も見学しようよ・・・。
みなさん、もっとじっくりと細部も見学しようよ・・・。
■ レーダーピケット任務終了後の「レクィン」
ー1959年から1968年までー
多くの姉妹潜水艦がスクラップ、モスボール、
または他の海軍に売却されていく中、大々的に改装されていたこともあり、
状態が非常に良好だった「レクィン」は新たな命を得ることになりました。
「ミグレーン」プログラムの段階的廃止に伴い、
すべてのレーダー装置は「レクィン」から撤去されており、
オープンコニングタワーは、いわゆる高いプラスチックのセイル
(実際にはグラスファイバー製)に置き換えられていたのです。
これらの改造が彼女の余生を伸ばすことになり、
「レクィン」はその後9年間大西洋艦隊で活躍し続けました。
多くの姉妹潜水艦がスクラップ、モスボール、
または他の海軍に売却されていく中、大々的に改装されていたこともあり、
状態が非常に良好だった「レクィン」は新たな命を得ることになりました。
「ミグレーン」プログラムの段階的廃止に伴い、
すべてのレーダー装置は「レクィン」から撤去されており、
オープンコニングタワーは、いわゆる高いプラスチックのセイル
(実際にはグラスファイバー製)に置き換えられていたのです。
これらの改造が彼女の余生を伸ばすことになり、
「レクィン」はその後9年間大西洋艦隊で活躍し続けました。
しかし、実際のところ「レクィン」の活動時間はなくなり始めていました。
1966年後半、「レクィン」は南米各国海軍との一連の演習である
UNITAS VIIに参加し、帰国したのですが、ちょうどその頃から
海軍は「レクィン」の有用性の有無を検討し始め、その結果、
彼女の寿命は尽きつつあるという判断に至ったのです。
そして海軍は1968年末に「レクィン」を退役させることを決定しました。
1968年5月に行われた「レクィン」の最後の任務期間は、わずか1週間。
その内容は主に行方不明になった
原子力攻撃潜水艦USS 「スコーピオン」
SCORPION (SSN 589)
の捜索にあたるというものでした。
UNITAS VIIに参加し、帰国したのですが、ちょうどその頃から
海軍は「レクィン」の有用性の有無を検討し始め、その結果、
彼女の寿命は尽きつつあるという判断に至ったのです。
そして海軍は1968年末に「レクィン」を退役させることを決定しました。
1968年5月に行われた「レクィン」の最後の任務期間は、わずか1週間。
その内容は主に行方不明になった
原子力攻撃潜水艦USS 「スコーピオン」
SCORPION (SSN 589)
の捜索にあたるというものでした。
「スコーピオン」は「スレッシャー」と並び、
アメリカ海軍が喪失した2隻の原子力潜水艦の一つとして有名です。
アメリカ海軍が喪失した2隻の原子力潜水艦の一つとして有名です。
彼女はNATO演習参加後、母港への帰投中の消息を絶ち、捜索の結果、
アゾレス諸島南西沖海底で圧壊していたことがわかりました。
アゾレス諸島南西沖海底で圧壊していたことがわかりました。
当初の原因は投棄したMk37魚雷の命中とされていましたが、命中ではなく、
魚雷の動力源の欠陥による不完全爆発が原因であるとの異論があります。
整備もままならないほどの過密な原潜運用スケジュールが背景にあり、
沈没の責任は海軍にある、とする説ですが、それもあってか、
いまだに沈没原因は曖昧なままとなっています。
「レクィン」が海軍を退役したのは1968年12月3日のことです。
その後フロリダ州タンパに曳航され、海軍予備役練習艦として使用され、
1971年12月20日、海軍リストから抹消されるまでこの任務に就きました。
魚雷の動力源の欠陥による不完全爆発が原因であるとの異論があります。
整備もままならないほどの過密な原潜運用スケジュールが背景にあり、
沈没の責任は海軍にある、とする説ですが、それもあってか、
いまだに沈没原因は曖昧なままとなっています。
「レクィン」が海軍を退役したのは1968年12月3日のことです。
その後フロリダ州タンパに曳航され、海軍予備役練習艦として使用され、
1971年12月20日、海軍リストから抹消されるまでこの任務に就きました。
続く。
>リバース、スタート、ジェネレーター4、ジェネレーター2。
>発電機は全部で4基、前後エンジンルームに二つずつあります。
発電機って、逆転させることがあるのかな?と思いましたが、本艦は電気推進で、エンジンで発電機を動かし、電力でプロペラを動かしているので、後進するには、モーターを逆転させればよく、エンジンは逆転させる必要がありません。ちょっと混乱しています。
艦名としては2代目でした。
涙滴型を採用した水中高速潜水艦で搭載原子炉がS5W型で炉心交換が容易で前型のS3Wの2倍の出力があり、水中速力29ktが発揮出来ました。
1960年7月竣工ですがエリス中尉記述のごとく、1968年5月22日大西洋アゾレス諸島南西で消息を絶ちました。原因も記述の搭載していたMk37対潜魚雷が誤走し、自艦に命中との説が有力ですが決定的ではなく、不可解な最後でした。
要目
水中排水量3,500t、全長76.7m、幅9.7m、吃水7.7m、原子炉1基、蒸気タービン2基、1軸、15,000馬力、水中29kt、53.3㎝魚雷発射管6門、安全潜航深度3213m、乗員85名
参照海人社「世界の艦船」No567