タロスミサイル搭載艦「リトルロック」に乗艦し、
甲板から一階下のデッキを探索しています。
兵員用、そしてチーフ用に分けられた食堂を見ながら歩くと、
このようなドアが現れました。
■ 海軍候補生隊控え室
U.S. Naval Sea Cadet Corps
USNSCC
U.S. Naval Sea Cadet Corps
USNSCC
というパッチがドアに貼られています。
「リトルロック」に乗艦したときから気がついて言及してきた、
アメリカのユース海軍、日本でいうと海洋少年団である組織、
アメリカ海軍候補生隊
のオフィスがここにあるようです。
正確にいうとこの組織は年齢に応じて二つに分かれており、
10歳〜13歳まで NLCC
13歳〜18歳まで NSCC
となっています。
以前にもお話ししたように、これはガチの海軍下部組織なので、
指導には本物の軍人が当たりますし、なんちゃって訓練などではなく、
SEAL訓練、EOD(爆発物処理)訓練、ヘリ捜索救助訓練などのほか、
音楽トレーニングやフォトジャーナリズム専攻もあります。
以前にもお話ししたように、これはガチの海軍下部組織なので、
指導には本物の軍人が当たりますし、なんちゃって訓練などではなく、
SEAL訓練、EOD(爆発物処理)訓練、ヘリ捜索救助訓練などのほか、
音楽トレーニングやフォトジャーナリズム専攻もあります。
活動報告を兼ねた秋コースの参加勧誘コーナー。
このポスターの下に連絡先を書いたスリップがあったのですが、
もうこの段階では希望者によって全部取られています。
そして、つくづく驚くのが左下の少年の写真。
おそらくまだ中学生だと思うのですが、彼は士官候補生の訓練で
射撃技能を認められ、狙撃資格を取得した凄腕スナイパーです。
自衛隊のイベントで装備を紹介するために銃を持たせただけで
大騒ぎになるどこぞの国とはえらい違うものですね。
まあ、銃の所持については両国の根本的な姿勢が違うので、
これはどちらがいいとか悪いとかの話ではありませんが。
このポスターの下に連絡先を書いたスリップがあったのですが、
もうこの段階では希望者によって全部取られています。
そして、つくづく驚くのが左下の少年の写真。
おそらくまだ中学生だと思うのですが、彼は士官候補生の訓練で
射撃技能を認められ、狙撃資格を取得した凄腕スナイパーです。
自衛隊のイベントで装備を紹介するために銃を持たせただけで
大騒ぎになるどこぞの国とはえらい違うものですね。
まあ、銃の所持については両国の根本的な姿勢が違うので、
これはどちらがいいとか悪いとかの話ではありませんが。
■ 海水ストレーナー
艦船内で赤くペイントされたものがあれば、
それは消火関係と相場が決まっている・・・と思ったのですが、
ここにある説明によるとこれは、
クイック-クリーニング(海洋)ストレーナー
Quick-Cleaning( marine) strainer
艦船内で赤くペイントされたものがあれば、
それは消火関係と相場が決まっている・・・と思ったのですが、
ここにある説明によるとこれは、
クイック-クリーニング(海洋)ストレーナー
Quick-Cleaning( marine) strainer
キッチンで使うザルのことをストレーナーといいますが、
これはつまり、ホース、ノズル、ノズルの先端を詰まらせる原因になる
海洋生物、スケール(水アカ)付着物などの異物を除去するものです。
上部はパイプに繋がっていて、作動させるときには
この二つのハンドルを目一杯回転させます。
■ ストーク・バスケット・リッター
これはつまり、ホース、ノズル、ノズルの先端を詰まらせる原因になる
海洋生物、スケール(水アカ)付着物などの異物を除去するものです。
上部はパイプに繋がっていて、作動させるときには
この二つのハンドルを目一杯回転させます。
■ ストーク・バスケット・リッター
ストレッチャーが、なぜか甲板より下の階に。
上甲板にはミサイル関係の装備が多すぎて、置けなかった?
ところで、わたくし初めて知ったのですが、この担架、
ストークス・バスケット・リッター(ストレッチャー)
Stokes Basket Litter(Storetchers)
というそうです。
上甲板にはミサイル関係の装備が多すぎて、置けなかった?
ところで、わたくし初めて知ったのですが、この担架、
ストークス・バスケット・リッター(ストレッチャー)
Stokes Basket Litter(Storetchers)
というそうです。
「リッター」だけで、救助用バスケットを意味する言葉で、
一般的にステンレスで作られた救助用担架のことです。
ストークスというのは、もともと陸軍航空隊のパイロットだった
ローウェル・ストークスによって設計されたことから来ており、
「ストークス」でこれだと通じるほど一般化された名称です。
通常、大人を仰向けの姿勢で運ぶことができる形状になっていて、
障害物やその他の危険がある場所で使用するように設計されたもの。
アメリカ海軍は何十年にもわたってストークスを使用してきました。
用途としては、捜索救助活動、狭い廊下や出入り口を通した患者の搬送、
船間の患者の移送、患者の(ヘリによる)垂直避難などですが、
ヘリでの牽引の際、ブレードからの下降気流で激しく回転するという
輸送される人に意識があったら無茶怖い欠点があります。
ローウェル・ストークスによって設計されたことから来ており、
「ストークス」でこれだと通じるほど一般化された名称です。
通常、大人を仰向けの姿勢で運ぶことができる形状になっていて、
障害物やその他の危険がある場所で使用するように設計されたもの。
アメリカ海軍は何十年にもわたってストークスを使用してきました。
用途としては、捜索救助活動、狭い廊下や出入り口を通した患者の搬送、
船間の患者の移送、患者の(ヘリによる)垂直避難などですが、
ヘリでの牽引の際、ブレードからの下降気流で激しく回転するという
輸送される人に意識があったら無茶怖い欠点があります。
Gopro helmet mounted footage of Stokes basket rescue from NCL Ship
これは回らずに引き揚げられた模様
■ ヘッド
ストレッチャーの横のドアは、「メールヘッド」。
もちろんお分かりのように「男の頭」ではなく男子トイレです。
なぜ船のトイレに限り「ヘッド」なのかについては、
当ブログでは何度も説明しましたが、ここの説明によると、
「船のトイレを指す『ヘッド』という 用語の使用は、
少なくとも 1708 年に は遡ります。
この用語は、通常の船員用のトイレエリアが船の「ヘッド」、
=船首に設置されていた帆船に由来しています。
帆船で、この位置にトイレがあることは 2 つの理由から合理的でした。
第一に 、当時のほとんどの船の構造にあります。
帆船は風に向かって航行 することができません。
つまり、風は常に船の後方からやってくることになり、
船首はこのためいつも風下にあるということになります。
トイレを風下に置くことでニオイ対策をしたのです。
第二に、トイレを清潔に保つ(極力)工夫です。
喫水線より少し高い位置に設置することで、
床面付近に設けられた通気孔やスロットが、波を適度に受け、
水洗式となって洗い流してくれたのでした。
これは、海が荒れているときにはトイレは危険な環境になり、
下手すると人が危ないこともあったという意味かと思われます。
■ ウォーターライン基準マーク
もちろんお分かりのように「男の頭」ではなく男子トイレです。
なぜ船のトイレに限り「ヘッド」なのかについては、
当ブログでは何度も説明しましたが、ここの説明によると、
「船のトイレを指す『ヘッド』という 用語の使用は、
少なくとも 1708 年に は遡ります。
この用語は、通常の船員用のトイレエリアが船の「ヘッド」、
=船首に設置されていた帆船に由来しています。
帆船で、この位置にトイレがあることは 2 つの理由から合理的でした。
第一に 、当時のほとんどの船の構造にあります。
帆船は風に向かって航行 することができません。
つまり、風は常に船の後方からやってくることになり、
船首はこのためいつも風下にあるということになります。
トイレを風下に置くことでニオイ対策をしたのです。
第二に、トイレを清潔に保つ(極力)工夫です。
喫水線より少し高い位置に設置することで、
床面付近に設けられた通気孔やスロットが、波を適度に受け、
水洗式となって洗い流してくれたのでした。
これは、海が荒れているときにはトイレは危険な環境になり、
下手すると人が危ないこともあったという意味かと思われます。
■ ウォーターライン基準マーク
注目していただきたいのは、左のバッテリーボックスではなく、
その右側の丸いプレートです。
WATERLINE REFERENCE MARKS
(喫水線基準マーク)
気をつけてみれば、このプレートは艦内の隔壁に取り付けられています。
これはウォーターライン(W.L)とこのマークの相対的な位置関係を表し、
例えばここにあるプレートは、ウォーターラインがこのマークの40フィート
(12.192m)下にあることを示しています。
その右側の丸いプレートです。
WATERLINE REFERENCE MARKS
(喫水線基準マーク)
気をつけてみれば、このプレートは艦内の隔壁に取り付けられています。
これはウォーターライン(W.L)とこのマークの相対的な位置関係を表し、
例えばここにあるプレートは、ウォーターラインがこのマークの40フィート
(12.192m)下にあることを示しています。
■ アイゼンハワーの「平和のための提言」
B-203-L
というのは艦内における現在地を表すアドレスです。
その下にある説明なので、てっきりその数字の見方と思ったのですが、
全く関係のないアイゼンハワー閣下のお言葉でした。
「平和を維持する上で極めて重要な要素は、我が国の軍事施設です。
我々の武器は精強かつ即応の準備ができていなければなりません。
潜在的な侵略者が自らを破滅の危険を冒す誘惑に駆られることがないように。
その下にある説明なので、てっきりその数字の見方と思ったのですが、
全く関係のないアイゼンハワー閣下のお言葉でした。
「平和を維持する上で極めて重要な要素は、我が国の軍事施設です。
我々の武器は精強かつ即応の準備ができていなければなりません。
潜在的な侵略者が自らを破滅の危険を冒す誘惑に駆られることがないように。
巨大な軍事組織と大規模な兵器産業という組み合わせは、
アメリカの経験において新しいものといえます。
総合的な影響ー経済的、政治的、精神的な影響さえも含めたそれらは、
全ての州会議事堂、全ての連邦政府においても感じられます。
アメリカの経験において新しいものといえます。
総合的な影響ー経済的、政治的、精神的な影響さえも含めたそれらは、
全ての州会議事堂、全ての連邦政府においても感じられます。
我々は、この発展が必要不可欠であることを認識しています。
しかし、その重大な意味を理解し損なってはなりません。
我々の労苦、資源、生活のすべては関係しあっています。
私たちの社会の構造そのものも同様でしょう。
政府の評議会において、求めようが求めまいが、
軍産複合体による不当な影響力の獲得を警戒しなければなりません。
しかし、その重大な意味を理解し損なってはなりません。
我々の労苦、資源、生活のすべては関係しあっています。
私たちの社会の構造そのものも同様でしょう。
政府の評議会において、求めようが求めまいが、
軍産複合体による不当な影響力の獲得を警戒しなければなりません。
見当違いの権力による悲惨な台頭の可能性は、存在し、今後も続きます。
この組み合わせの重みが、我々の自由、そして
民主的プロセスを危険に晒すようなことがあってはならないのです。
何事も 当然のことだなどと考えるべきではありません。
この組み合わせの重みが、我々の自由、そして
民主的プロセスを危険に晒すようなことがあってはならないのです。
何事も 当然のことだなどと考えるべきではありません。
用心深く、知識豊富な国民だけが、安全と自由を共存繁栄させるために、
巨大産業および軍事防衛機構と我々の平和的手段と目標を
適切に組み合わせる ことができるのです。」
ドワイト・D・アイゼンハワー
一言でまとめると、
「平和のために抑止力の獲得は必要であるが、
企業と軍事力を暴走させず民主的な声によって慎重に制御せよ」
ってことかと思います。
巨大産業および軍事防衛機構と我々の平和的手段と目標を
適切に組み合わせる ことができるのです。」
ドワイト・D・アイゼンハワー
一言でまとめると、
「平和のために抑止力の獲得は必要であるが、
企業と軍事力を暴走させず民主的な声によって慎重に制御せよ」
ってことかと思います。
■ アイゼンハワー大統領とリトルロック高校事件
アイクの政治的立ち位置については、
原爆投下に関しては強硬に反対の立場で、戦後も否定的だった、
という話から、日本人としては悪い印象を持っていませんでしたが、
軍産複合体に対して不信感を持っていたという噂も、
このスピーチで実証されているといえそうです。
そして、なぜここに彼の言葉がわざわざ貼ってあるかは、
以前当ブログでも取り上げた、リトルロックでの人種差別問題、
「リトルロック高校事件」の際、事態の収集命令を意識的に
白人至上主義者の民主党知事が無視したため、
101空挺師団を送り込んで黒人学生を護衛させたからかもしれません。
アイクの政治的立ち位置については、
原爆投下に関しては強硬に反対の立場で、戦後も否定的だった、
という話から、日本人としては悪い印象を持っていませんでしたが、
軍産複合体に対して不信感を持っていたという噂も、
このスピーチで実証されているといえそうです。
そして、なぜここに彼の言葉がわざわざ貼ってあるかは、
以前当ブログでも取り上げた、リトルロックでの人種差別問題、
「リトルロック高校事件」の際、事態の収集命令を意識的に
白人至上主義者の民主党知事が無視したため、
101空挺師団を送り込んで黒人学生を護衛させたからかもしれません。
US 101st Airborne Division guards arrive at Little Rock High School during Operat...HD Stock Footage
最強の空挺団に護衛された学生たちにちょっかいかける学生なし。
1957 SPECIAL REPORT: " LITTLE ROCK"
動画は主がアカウント削除されたせいで見られませんが、
内容は、リトルロック高校の生徒代表が自主集会で、
動画は主がアカウント削除されたせいで見られませんが、
内容は、リトルロック高校の生徒代表が自主集会で、
「学校は分離教室制度(有色人種を分けること)にするべきだ」
というと、後ろで白人学生がキャーキャーと支持の叫びを上げ、
代表の生徒は言い終わった後、言ってやったぜ!みたいなドヤ顔をし、
記者はなんとも言えない複雑な表情をしているというものです。
これが、大人が気を遣って言えない、白人の本音だったのでしょう。
当時の世相ではおそらくその後価値観が大逆転して
このときの「正義派」が人種差別者として糾弾される日が来るとは、
おそらく誰も思っていなかったと思いますし、穿ったことを言えば、
アイクがもし再選を狙っていたら、この措置に躊躇ったかもしれません。
代表の生徒は言い終わった後、言ってやったぜ!みたいなドヤ顔をし、
記者はなんとも言えない複雑な表情をしているというものです。
これが、大人が気を遣って言えない、白人の本音だったのでしょう。
当時の世相ではおそらくその後価値観が大逆転して
このときの「正義派」が人種差別者として糾弾される日が来るとは、
おそらく誰も思っていなかったと思いますし、穿ったことを言えば、
アイクがもし再選を狙っていたら、この措置に躊躇ったかもしれません。
アメリカの教育現場での人種差別は根深くあり、これから20年後、
1970年代に統合を行ったボストンの学校では、黒人生徒が暴行を受け、
スクールバスが燃やされるという事件が起こっています。
1970年代に統合を行ったボストンの学校では、黒人生徒が暴行を受け、
スクールバスが燃やされるという事件が起こっています。
そんな世相の中、よくやったアイク、というのがわたしの素直な感想です。
続く。
続く。