前回、潜水艦「レクィン」がレーダーピケット潜水艦として、
戦闘艦たる任務に就いた、というところまでお話しし、
その後は艦内ツァーでフォワードエンジンルームまでをご紹介しました。
これはサンフランシスコの「パンパニート」の解説ですが、
エンジンの#1と#2、#3と#4の配置、
それが動力にどうつながっているか可視化できるので載せておきます。
今日は、#3と#4のあるアフターエンジンルームからです。
■ アフターエンジンルーム
エンジンの#1と#2、#3と#4の配置、
それが動力にどうつながっているか可視化できるので載せておきます。
今日は、#3と#4のあるアフターエンジンルームからです。
■ アフターエンジンルーム
フォワードとアフターエンジンルームの間には扉があります。
ところで、この扉の横に見えるもの、これはなんでしょうか。
ところで、この扉の横に見えるもの、これはなんでしょうか。
後部エンジンルームにも同じものがあり、そこには
Lube Oil とペイントされていました。
おそらく、エンジンのための潤滑油を供給する機器だと思われます。
Lube Oil とペイントされていました。
おそらく、エンジンのための潤滑油を供給する機器だと思われます。
各メインエンジンには、潤滑用の圧油システムが装備されていて、
タンクから潤滑油圧送ポンプが逆止弁を通してオイルを吸い上げ、
オイル・ストレーナーとクーラーを通してオイルを圧送します。
その後潤滑油はエンジンに入ります
エンジン入口の接続部から流れたオイルは、
主軸受、ピストン軸受、コネクティングロッド軸受、
カムシャフトドライブギヤと軸受、バルブアセンブリに分配されます。
タンクから潤滑油圧送ポンプが逆止弁を通してオイルを吸い上げ、
オイル・ストレーナーとクーラーを通してオイルを圧送します。
その後潤滑油はエンジンに入ります
エンジン入口の接続部から流れたオイルは、
主軸受、ピストン軸受、コネクティングロッド軸受、
カムシャフトドライブギヤと軸受、バルブアセンブリに分配されます。
分岐によって分けられたオイルは、ブロアギア、
ベアリング、ローターに供給されます。
後部エンジンルームに移ったところ、前を歩いていた人が
ちょうどコンパートメントを出ていくところでした。
やばいどんどん離されている。
通路の両側にはエンジン#3と#4があり、こちらから見て
左が#3、右が#4となります。
今見ているエンジンは、通路の下の階に設置された本体の上部分です。
ちょうどコンパートメントを出ていくところでした。
やばいどんどん離されている。
通路の両側にはエンジン#3と#4があり、こちらから見て
左が#3、右が#4となります。
今見ているエンジンは、通路の下の階に設置された本体の上部分です。
ちなみに左舷の2基のエンジンは左回転用、右舷の2基は右回転用です。
こちらは右側の#4エンジン。
体を支えるためのバーが設置されています。
ベンチはおそらく物入れも兼ねているのでしょう。
#3エンジンの上にはここにも洗濯物が干してあります。
気温が高くなるのであっという間に乾いてしまいそうですね。
体を支えるためのバーが設置されています。
ベンチはおそらく物入れも兼ねているのでしょう。
#3エンジンの上にはここにも洗濯物が干してあります。
気温が高くなるのであっという間に乾いてしまいそうですね。
#4エンジンは一部カバーが切り取られ、中身を見ることができます。
各エンジン用の燃料は、燃料オイルポンプによってタンクから汲み上げられ、
フィルターを通して強制的にインジェクターに送られます。
エンジンは真水冷却システムで冷却されます。
エンジンルームに淡水化装置があるのもこれが理由です。
淡水は、遠心式の淡水ポンプによって循環させるしくみであり、
エンジンのブロワー・エンドに取り付けられています。
第2エンジンルームはここまでです。
コンパートメント扉の下には板が貼ってありますが、
これは配線を傷つけないように現役時代からあったものと思われます。
フィルターを通して強制的にインジェクターに送られます。
エンジンは真水冷却システムで冷却されます。
エンジンルームに淡水化装置があるのもこれが理由です。
淡水は、遠心式の淡水ポンプによって循環させるしくみであり、
エンジンのブロワー・エンドに取り付けられています。
第2エンジンルームはここまでです。
コンパートメント扉の下には板が貼ってありますが、
これは配線を傷つけないように現役時代からあったものと思われます。
■ 「ミグレーンII」改装後の「レクィン」
さて、戦後初めてのレーダーピケット潜水艦として
無理くり改装を施された「レクィン」ですが、何しろ初めてのことで
いろいろ不具合が生じたため、アメリカ海軍は
「ミグレーン」(頭痛)プログラムで改良を試みました。
さて、戦後初めてのレーダーピケット潜水艦として
無理くり改装を施された「レクィン」ですが、何しろ初めてのことで
いろいろ不具合が生じたため、アメリカ海軍は
「ミグレーン」(頭痛)プログラムで改良を試みました。
そしてミグレーンII型に改装された「レクィン」は、
レーダーピケットとして11年間運用され、その際、改装後に設置された
艦内の航空管制センター(air control center)は、
大型艦のCIC(戦闘情報センター)と同様に運営されました。
レーダーピケット艦として就役中のほとんどの期間、
「レクィン」は大西洋沿岸で活動していました。
北極で氷に対するレーダーの反応をテストすることがあれば、
まったく逆に地中海への巡航も多かったといいます。
よくあるオペレーションの展開時、
「レクィン」は管制センターに4人の有資格監視員が配置されます。
Aircraft controller(航空管制係)
Height finder operator(高度計オペレーター)
Plotter to plot all contacts reported(プロッター)
Phone-talker to the bridge(艦橋との電話連絡係)
レーダーピケットとして11年間運用され、その際、改装後に設置された
艦内の航空管制センター(air control center)は、
大型艦のCIC(戦闘情報センター)と同様に運営されました。
レーダーピケット艦として就役中のほとんどの期間、
「レクィン」は大西洋沿岸で活動していました。
北極で氷に対するレーダーの反応をテストすることがあれば、
まったく逆に地中海への巡航も多かったといいます。
よくあるオペレーションの展開時、
「レクィン」は管制センターに4人の有資格監視員が配置されます。
Aircraft controller(航空管制係)
Height finder operator(高度計オペレーター)
Plotter to plot all contacts reported(プロッター)
Phone-talker to the bridge(艦橋との電話連絡係)
「ハイト ファインダー」というのは直訳すると高度計で、
地上に設置された航空機の高度を測定する装置です。
第二次世界大戦の頃、ハイトファインダーは航空機の高度(実際には、
コンピュータで視角と組み合わされて高度を生成する配置からの傾斜距離)
を決定するために使用された光学測距儀であり、
高射砲を指示するために使用されていました。
ハイトファインダー・レーダーは、目標の高度を測定するレーダーです。
現代の3Dレーダー・セットは方位角と仰角の両方が探知できます。
プロッターは、報告された全てのコンタクトをプロットする任務です。
レーダーピケット艦としての「レクィン」は、
もう一隻のレーダー・ピケット潜水艦と組んで、
「脅威軸に沿って」“along the threat axis “
行動するのがその任務でした。
2隻の潜水艦が組むのは、メインのピケットが潜航しなければならない場合に
もう一隻の潜水艦がカバーできるようにという意図があります。
■ 忌避されがちだった「レクィン」
地上に設置された航空機の高度を測定する装置です。
第二次世界大戦の頃、ハイトファインダーは航空機の高度(実際には、
コンピュータで視角と組み合わされて高度を生成する配置からの傾斜距離)
を決定するために使用された光学測距儀であり、
高射砲を指示するために使用されていました。
ハイトファインダー・レーダーは、目標の高度を測定するレーダーです。
現代の3Dレーダー・セットは方位角と仰角の両方が探知できます。
プロッターは、報告された全てのコンタクトをプロットする任務です。
レーダーピケット艦としての「レクィン」は、
もう一隻のレーダー・ピケット潜水艦と組んで、
「脅威軸に沿って」“along the threat axis “
行動するのがその任務でした。
2隻の潜水艦が組むのは、メインのピケットが潜航しなければならない場合に
もう一隻の潜水艦がカバーできるようにという意図があります。
■ 忌避されがちだった「レクィン」
同じアメリカ海軍の潜水艦なのに、「レクィン」は他の潜水艦より
味方から信頼されないというか、不信感を持たれていたとい噂があります。
もしかしたら、大西洋で氷の下に行ったり地中海に行ったりする任務で
他の潜水艦よりも海上で過ごす時間が長く、
その分存在が非常に不透明に思われたからかもしれません。
地中海でのあるピケット・ミッションでは、
戦闘航空哨戒機(CAP)の司令官が当初、
「レクィン」のコントロールを拒否したというショックな話もあります。
いくら隠密行動が身上の潜水艦でも、同じ海軍の艦にそれはないだろう、
という気がしますが、もちろんこれは最終的な拒否ではありませんでした。
最終的にCAP司令官は「レクィン」参加を受け入れていますので、
「えー『レクィン』?何それ?怪しいからあまり一緒にやりたくねー」
程度の拒否に尾鰭がついた可能性もあります。
いずれにせよ、ミッションは滞りなく続行されたみたいですし。
その後も「レクィン」は、レーダーピケット艦として、
貴重なレーダー・ピケットのサービスを提供し続けました。
海軍はその後、水上および水中ベースのピケットそのものを
段階的に廃止しはじめたのですが、それらの動きの中、
最後のレーダーピケット潜水艦として彼女は粛々と任務を継続し続けました。
最終的にミグレーン・プログラムが終了し、
レーダー・ピケット潜水艦が正式に廃止にかかったのは1959年のことです。
続く。
戦闘航空哨戒機(CAP)の司令官が当初、
「レクィン」のコントロールを拒否したというショックな話もあります。
いくら隠密行動が身上の潜水艦でも、同じ海軍の艦にそれはないだろう、
という気がしますが、もちろんこれは最終的な拒否ではありませんでした。
最終的にCAP司令官は「レクィン」参加を受け入れていますので、
「えー『レクィン』?何それ?怪しいからあまり一緒にやりたくねー」
程度の拒否に尾鰭がついた可能性もあります。
いずれにせよ、ミッションは滞りなく続行されたみたいですし。
その後も「レクィン」は、レーダーピケット艦として、
貴重なレーダー・ピケットのサービスを提供し続けました。
海軍はその後、水上および水中ベースのピケットそのものを
段階的に廃止しはじめたのですが、それらの動きの中、
最後のレーダーピケット潜水艦として彼女は粛々と任務を継続し続けました。
最終的にミグレーン・プログラムが終了し、
レーダー・ピケット潜水艦が正式に廃止にかかったのは1959年のことです。
続く。
冷却は海水じゃないでしょうか。機械室に造水装置があるのは、主機の排熱を利用して、海水を蒸留し、真水を作っているからです。造水装置で作った真水で主機を冷却すると、高温になった真水を冷却する仕組みが必要になりますが、海水で冷却する場合、艦外に排出するだけです。狭い潜水艦で、真水の冷却装置があるとは思えません。
>戦闘航空哨戒機(CAP)の司令官が当初「レクィン」のコントロールを拒否したというショックな話もあります。
要撃管制官と要撃機は緊密な連携が不可欠なので、任務行動に入る前にみっちり訓練します。「レクィン」は試験艦的な運用で、いろいろな海域に投入されていて、要撃機との事前訓練が不十分で、拒否されたのだと思います。
映画「トップガン」でミッチェル大佐は「マーベリック」とコールサインで呼ばれますが、実は要撃管制官もコールサインを持っています。下手くそだと「誰々と代われ」と要撃機から突っ込まれることがあります。
管制官が下手くそだと、自分の身の安全に関わるので、パイロットは誰が上手くて、誰がそうでないと、管制官の練度は把握しています。
各々のデイーゼル機関の後部に発電機が付いている構造は一緒ですが
上はギヤードライブと説明のとおりガトー級の配置で減速機が付いていますが下はダイレクトドライブとの説明のとおり直結駆動電動機の開発による減速ギアーが廃止されたテンチ級を表しています。
騒音が抑制されより静かになって、デイーゼル・エレクトリック方式の特徴の発揮となりました。
レーダー・ピケット潜水艦は第2次世界大戦末期の特攻の教訓から艦隊周辺に出没自在の早期警戒用レーダー装備潜水艦を配置しようとの発想から出現しました。
戦後アメリカは用途別潜水艦の整備に着手し、レーダー・ピケット、潜水艦攻撃用、ミサイル発射、軍隊輸送、貨物輸送、特務用等に改造しました。
冷戦が始まり、ソ連の動向監視がアメリカ潜水艦の主要な任務となってきました。ソ連艦艇やミサイル発射実験の情報収集でした。
1952年には本格的レーダー哨戒潜水艦として大型対空レーダーを装備する2代目セイルフイッシュ級2隻が1956年新造されました。
これは空母機動部隊の前方に進出し、対空警戒用でしたが水上艦用レーダー能力が急速に向上し、存在価値が無くなり、わずか5年後1961年攻撃潜水艦に変更されましたが水中速力が遅く、適当な用法が見つかりませんでした。
潜水艦は搭載能力が小さく、このような発想自体日本海軍の物資輸送構想等と同じく無理な用法でした。
参照海人社「世界の艦船」No567