タロス巡洋艦「リトルロック」艦内探訪、バーバーを通り過ぎたら
そこには艦長室が出現しました。
A・ウィンフィールド・’チップ’チャピン大佐
このコンパートメントは、
と記してあります。
というからにはこの"Chip" Arnold Winfield Chapin という人が、
かつて「リトルロック」の艦長だった。と思うでしょ?
ミサイル搭載艦として退役するまでの歴代艦長の中に、
この名前の大佐はいなかったのがまずもって驚きでした。
チャピン大佐って、何者?
海軍の公式HPなどを検索しても名前が出て来ないのです。
チャピン大佐のタイトルの「USNR」です。
USNRとは、
アメリカ海軍予備役(United States Navy Reserve: USNR)
のことで、1915年から2005年までは
アメリカ海軍予備艦隊(United States Naval Reserve)
と呼ばれていた予備役部隊(Reserve Component: RC)です。
海軍予備役の隊員は予備役兵であり、
選抜予備役(Selected Reserve: SELRES)
予備役訓練・管理(Training and Administration of the Reserve: TAR)
即応予備役(Individual Ready Reserve: IRR)
退役予備役(Retired Reserve)
そういえば、我が日本国自衛隊にも
大災害が発生すると支援のため招集されることで知られています。
アメリカで海軍予備隊が正式に発足したのは、1915年です。
それまでは、米国商船隊がその代わりを担っていました。
本格的に予備隊が現役任務に就いたのは第二次世界大戦直前からです。

名前を見る限りは史上初の女性司令官です。
Selected Reserve SELRES
というもので、こちらは「選抜」(セレクテッド)が名称に付きます。
予備隊の中で最大の集団であるこの選抜予備役(SELRES)は、
月に1回、週末に行う訓練のほか、1年間に2週間の現役年間訓練が義務です。
年次訓練(AT)訓練任務(ADT)作戦支援任務(ADOS)
特殊任務(ADSW)大統領指名予備役召集(PSRC)/動員(MOB)命令
これらの招集期間、彼らは給与(軍隊ではない方の)と、
軍隊での手当て、全額が支給されることと定められています。
多くのSELRESは海軍航空兵、海軍飛行士、海軍航空外科医、
海軍航空部隊の一般兵、海軍予備役または現役予備役統合(ARI)航空中隊、
航空団、航空団に配属された士官および一般兵、
または主要統合戦闘司令部に配属されることになります。
航空関係の任務がほとんどという感じですね。
戦争や国家の非常時には追加の任務として、
1年〜3年以上の常勤の現役任務に呼び戻されることも多く、
海外の拠点や軍艦に配属されることになります。
不朽の自由作戦やイラクの自由作戦では、
招集されたSELRESが戦闘地域に派遣されました。
Individual Ready Reserve IRR
「大統領命令による全面動員時には招集される可能性がある予備役」
という立場です。
Redditというチャットサイトでは、
「年に一度海軍に詳細を提出し、技能的には
いつでも召集に応じられる状態にあることになっていると聞きましたが、
正直に言うと、私は1年半IRR(即応予備役)の状態なのに、
これまで誰からも連絡があったり何かがあったことはありません」
なんて書いている人がいました。
まず一つは2001年9月11日の同時多発テロ事件の後、
予備役が戦闘作戦を支援するためということで動員されました。
F/A-18Cホーネット戦闘機を操縦するVFA-201ハンターズが、
USS「セオドア・ルーズベルト」(CVN-71)に配備され、
作戦を支援する複数の戦闘任務に従事しています。
陸軍、海兵隊、空軍、沿岸警備隊、他国軍とともに任務に従事し、
即席爆発装置への対処、軍事基地の建設、地上輸送隊の護衛、
病院の運営、情報分析、囚人の警護護送、
海外派遣から帰還する部隊の税関検査などを行いました。
1、医療
比較的お得な(月額47.90ドル、家族込みなら210.83ドル)
保険に加入できることは大変魅力です。
および技術訓練、授業料補助、免許&資格試験の費用払い戻しをカバーする
G.I.ビルを受給する資格が得られます。
軍隊に参加することで負担を軽くしたいと考える人はいるでしょう。
配偶者に対してはSGLIの保険金額を上限として最高10万ドルまで、
扶養家族に対しては1万ドルまでの保険を提供します。
配偶者の保険は、1万ドル単位で付与されます。
および基地/ポスト内のエクスチェンジで買い物ができます。
民間退職年金制度から早期に引き出しができます。
そして、適格分配を受けた予備役兵が、現役期間終了後から2年間の期間に、
また、任務から戻った際に速やかに民間での職に再雇用されること、
および、過去、現在、未来の軍務を理由に雇用において
差別されないことを保証することを目的とした連邦法があります。
現役軍人と同等の昇進機会が与えられます。
レストラン、ホームセンターなどで軍人割引を受けることができます。

「リザーブ」を入れて調べてみたのですが、しかしながら、
そもそも海軍の名簿に名前が出てきません。
Wikipediaのウェールズ「ペナース」という土地についての記事でした。
以下、その部分です。
米国海軍基地が設立されました。
この基地から、ノルマンディー上陸作戦に参加した多くの部隊が
ノルマンディー海岸に向けて出発しました。
アーノルド・ウィンフィールド・チャピン米海軍大佐の指揮下にあり、
チャピン大佐は 1944 年に「ペナースの人々」に
ペナース ドックの絵画を贈呈しました。
この絵画は現在、ペナースの市議会カイミン ハウスに飾られています。
D デイ上陸作戦に向けて出発した侵攻船でいっぱいでした。
防御装備を揃えた商船の多くには、アメリカのシャーマン戦車と、
訓練後にペナースで宿泊した米軍の乗組員が積まれていました。
ペナースの断崖で訓練を行っていました。
侵攻船のいくつかは使用されずに、1950 年代までドックの浜辺に放置され、

「プレリュード・トゥ・インベージョン」
というこのタイトルは、紛れもなく、Dデイのために出撃を待つ、
船を表しているのではないでしょうか。
これも絵が趣味だったチャピン大佐の作品である可能性は高いですね。

左は、オーバーロード作戦を描いたものです。
そして、その横のチャピン大佐らしき肖像写真ですが、

なんとか一つ見つかったこの写真と一致しています。
ここでこんなになっているかは全くわかりませんでした。
そして、同時に出てきたのがスクーナーの
USS「Romain ロマン(IX-89)」
シモネット造船会社が、1942年に建造し、
というスペックです。
11942年11月25日、USS ロマン (IX-89) として就役しました。
わずか4ヶ月間のみ海軍に所属し、
その間はフロリダ沿岸およびバハマ諸島でのパトロール任務に従事しました。
4ヶ月だけフロリダとバハマでクルーズしていたとは、
一体なんのために?という疑問すら湧いてくるのですが・・。
しかし、その割に戦中の任務に対し、
が贈られております。
一体何をやった。
で、チャピンなのですが、この人が中尉のとき、
指揮官として就役しているのです。
01 チャピン中佐、アーノルド・ウィリアム、
米海軍予備艦隊 1942年11月25日~1943年3月15日

ついでに?その横のイケメンはチャピン大佐?


(写真立ての後ろにある本は『ブル・ハルゼー』)
何かと謎なチャピン大佐ですが、これはもしかしたら、
海軍予備役隊の組織が特別に展示を依頼したのかもしれません。
続く。