フィリップ、きみを愛してる！

ジム・キャリーとユアン・マクレガーがラブラブな予告編だけでも面白かった『フィリップ、きみを愛してる！』を観てきました。
★★★★★

スゲー、もう、なんだこの男の人生は！
あまりに過激で波乱に満ちて、でも愛する男の為に真っ直ぐに、曲がった人生を突っ走る。
フツー、面白い映画だと「あっという間に時間が…」なんて感じるところを、この映画はそれ程長い映画でも無いのに中身が濃過ぎて、無茶苦茶面白いのに2時間半程の大作のように感じた。

九死に一生を得た事故を切欠に、ゲイとしての自分に素直に生きる決意をしたスティーヴンは、IQ169の頭脳を生かして天才詐欺師となって荒稼ぎし、金のかかるゲイライフを満喫するもあえなく御用に。
獄中で出会ったフィリップ・モリスと恋に落ち、出所後は彼と二人真っ当でラブラブな毎日を…。
的なお話ですが、そこは天才詐欺師、フツーの展開ではありません。
これが実話だなんて信じられない。

スティーブンを演じるのはジム・キャリー。
妻子持ちの生真面目な警官役に始まり、バリゲイゲイしい天才詐欺師で脱獄王に。
周囲の人を完全に安心させる芝居から、欺いて嘲笑する表情、幼い娘に愛情を注ぐ父親の様子から、体を張った男同士のラブシーンまで。
一本の映画の中で太ったり痩せたり、笑わせたり驚かせたり和ませたり。
彼のこれまでの役者人生で一番面白い上にハマリ役だったかも。
本人にゲイゲイしさが全くない分、芸達者なコメディアンとしても、『エターナル・サンシャイン』のような泣かせる役者としても、心から嫌味無い主人公を楽しませてくれた。

一方のフィリップを演じたユアン・マクレガーも最高に良かった。
『ムーラン・ルージュ』なんかでも拾われてきた子犬のような表情で二コール・キッドマンに甘える芝居をしてたけど、今回はどこからどう見ても100％甘えたなオネェｗ
最初に画面に登場するシーンでは何もしてないのに、雰囲気がもうホゲてるし、喋らずにじっとしててももう完璧すぎて面白い。
その上真面目に芝居して、泣かせて、って。
『ミルク』の時のショーン・ペンを彷彿とします。

映画の中身とズレてるようにも思える音楽の使い方も心が和んでいい。

誰にでも楽しめるような話では無いけど、上映館が少ないのが勿体無い。
笑って泣いて、見事に騙されました。

ネタバレ
ユアン・マクレガーが号泣する場面が良すぎる！
なんか俺も悲しくなって号泣！

…えｗ
生きてはるしｗｗｗ

逆に安心して、エンドロールまで涙止まらなかったりしました。

エターナル・サンシャイン [Blu-ray] ギャガ・コミュニケーションズ このアイテムの詳細を見る

トゥルーマン・ショー [DVD] パラマウント ジャパン このアイテムの詳細を見る