ネバーランド

ピーターパン100周年で2本製作されたうち、映画会社が版権を持っていないので「ピーターパン」に1年遅れて公開ることになってしまったいわく付きの「ネバーランド」を観てきました。素晴らしいとの声が多い中、申し訳ない全然楽しめなかった。
面白さ：★★

想像力が現実を素晴らしいものに変える、夢は信じれば適うというような美しいメッセージがたくさんちりばめられているのですが、どうもそれと相反する行動をする主人公の真の目的が見えてこない。なのでそのメッセージが絵空事に見えてしまう瞬間が多々有って、冷めた目で見てしまいました。

この先若干ネタバレ
自分の妻も幸せに出来ないのに他人の家族にばかりサービスをする夫、実際こういう人が私の身近に居るものですから余計に感情移入できません。
夫婦別々の寝室に入る時、トビラを開けるとバリの部屋だけが清々しい青空として表現されていたところがまた異様に見えました。同じ家に住んでいるけれど１人の時だけが開放された気持ちになれるという意味なんでしょうか。それとも単にバリの子供心を表現しているだけなのでしょうか。そもそもこの二人はいつからこうなってしまったのか。

どうもすっきりしないので、ピーター達に近づいた理由について次の仮説を立てました。
①創作活動に行き詰っていた時に見かけた一家にピンときて題材にしようと思った。会っているうちにシルヴィアに気が移った。
②シルヴィアに惚れて会いに行くうちにリフレッシュでき、創作活動も進んだ。
③小児性愛者説のとおり。

①の場合、創作活動の糧にならない妻なんて要らないという事でしょうか。
②の場合、妻に対する数々の無神経な発言、行動、相当酷い男ですよね。
③の場合、最初から夫の側に愛は無い偽装結婚。これだとこの映画自体を製作した意図が不明、ひょっとして「ピーターパン」潰しなのでしょうか。小児性愛者説については色々と言われていましたが、本作は脚色して実話とはかなり違うと聞いていたので、そういった偏見無く観ようと思っていたのにどうも怪しい雰囲気たっぷりです。

ピーターパンが上演されてからシルヴィアが旅立つ辺りまでは演出の技もあって感動して泣いたのですが、その後の肝心の部分ではなんの感動も出来ませんでした。

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