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セントアンナの奇跡

2009-07-26 | 劇場映画れびゅー
予告編でチェックしていた『セントアンナの奇跡』を観てきました。
★★★★

ニューヨークの郵便局の窓口で働き、あと三カ月で定年を迎える老人が、ある日客として現れた男の顔を見るなり撃ち殺す事件が起きた。
老人は第二次世界大戦の英雄で、彼の部屋からは大戦時にフィレンツェで失われた女神像の頭部が発見される。
いくつもの謎を抱えた老人が、取材に訪れた記者に話し始めた衝撃の真実とは。

全体に漂うどこかファンタジーな香りと、相反する現実に起きている戦争の悲劇のコントラストはイタリアが舞台と言う事もあって『ライフ・イズ・ビューティフル』を彷彿とする。
けれど、この映画の監督はスパイク・リー。
ファンタジーの香りはあくまで香りだけ、描いているのは実話ベースで人種問題をフィーチャーしまくり。
日本人にはあまり知られていないアメリカ黒人部隊の悲劇や、イタリアに駐留していたナチスの非道な行為、両国による国内での戦闘とムッソリーニの残したファシズムに翻弄されるイタリアの田舎の村人達が赤裸々に描かれている。

ファンタジーの中核を担っている少年の秘密も含めて、我々の知らないイタリアで起きていた事実がショッキングな映像で映し出されるスクリーンを観ていると、序盤から悲しくて涙が出てくるのと共に、「なんでこんな大切な事実をこれまでこれっぽっちも知らなかったんだろう」と自分に疑問を感じた。

真実は小説よりも奇なり的なオチは最初から読め読めだけど、逆に悲劇的過ぎる事実の連続を見せつけられながらオチに向かっていく様子は悲しくてたまらない。

子供のイタリア語ってやっぱ可愛いよねぇ。
可愛いからこそ悲しみが何倍にも…。

役者達の演技力にも見入ってしまいます。

ネタバレ
大人になったアンジェロとの再会の場面。
欲を言えばもうちょっと金持ちぶって無い風な演出のが感動出来たと思うんですけど、まんまあんな風にやってたって事なのかな?w



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
実は・・・ (KLY)
2009-07-27 00:46:48
色んな奇跡が起こっていましたね。
ヘクターと裏切り者の(名前忘れた…)出会い、ヘクターとアンジェロの出会い、アンジェロはセントアンナの悲劇から逃げ仰せ、更には最後のドイツ軍進行からも逃げおおせた。
でもそうしてみると、奇跡なんて実は当たり前、というか普通に生活できていること自体が奇跡なのかもしれないですね。
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>KLYさん (そーれ)
2009-07-27 01:10:02
どうもです!
>奇跡
そうですねー。
アンジェロは名前の通り天使のような子でしたが、ずっと彼を守ってくれていた“友人”は、きっと死んで本当に天使になって、彼を導いてくれていたんだと解釈しています。

ヘクターはあの銃をいつも窓口で隠し持っていて、裏切り者のロドルフォにいつか復讐してやる為に窓口業をしてたんでしょうか。
奇跡的に再会して復讐を遂げたところから女神像のおかげで奇跡が連鎖して、アンジェロが彼の存在に気付いたわけですが、その辺の描き方から最後どうなるのかが見えた状態で話が進んでいくところが逆に面白かったです。
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奇跡でした (mariyon)
2009-08-03 21:23:58
はじめまして!

おっしゃるようなファンタジーっぽさ、
そしてあの予告で、ずいぶんと包み隠されていましたが
黒人兵の人種問題は興味深かったです。
スパイク・リーですもの。

ヘクターは復讐のためでなく、いつまでもあの事件を忘れないために銃をもっていて、たまたま、会ってしまった・・・。と、勝手な解釈しました。




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>mariyonさん (そーれ)
2009-08-06 21:15:51
どうもです!
>スパイク・リーですもの
そうですよねぇ。

いつでも取り出せるところに銃を持って接客業をやってたので、私は復讐を狙ってたのかなぁと解釈しました。
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