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貞子3D 3D

2012-05-18 | 劇場映画れびゅー
Jホラー界のヒール・クイーン貞子がスクリーンに帰ってきた。
貞子3D』を観てきました。


「お前じゃない」やない!
「これじゃない」や!
観たかったのはコレジャナイ!

一瀬隆重も、中田秀夫も、高橋洋も携わっていない。
鈴木光司が久しぶりに書いたリングの系譜、小説“エス”が元になっているという12年ぶりの貞子モノではあるけども、映画のタイトルには全く捻りが無い貞子推し、リアル貞子を使った過剰過ぎる宣伝、等、不安材料だらけで期待より「どうせ…」と思いながらも劇場へ。

初日満員のレイトショーを観終わって出て行く人達が、口々にボロクソ言っているのが耳に入り、「やっぱみんなツマランだろうと予想しながらもどこかで期待してたんやなぁ」と心の中で同意。
そらだって、伽椰子より、美々子より、やっぱネームバリュー強い元祖Jホラー・ヒール・クイーン貞子の出る続きが出来たと聞いたらとりあえず観たくなるでしょ。

でもねぇ、映画自体の作りが全体的に雑なのも有るけど、貞子映画ファン(というか1作目『リング』ファン)の気持ちを全く察してない映画でがっかりです。
そら口々に文句も言いたくなる。
このところのJホラー不調に対し、Jホラーの立役者だった『リング』シリーズをぶっ潰してトドメを刺された感覚。

世界で評価されていた日本の独特な“そこはかとない恐怖”で描く化け物描写を何を考えたのか捨て去って、ハリウッドホラーを手本に“音とビジュアルで驚かせる”映画になってしまってる。
貞子の描写は、やたら伽椰子風に髪の毛をエフェクトで使って怖がらせようとはするものの、貞子自体に動きの不気味さが皆無。

終盤はまるで『バイオハザード』のような物理的な貞子+伽椰子+ゾンビ風なモンスターがわらわらと攻めてくるカオスっぷり。
誰が貞子映画にこんなものを望んでいたか。
12年経た5作目にして、貞子をジェイソンやフレディーと同じようなお茶目なモンスターヒーローに変えてしまおうという試みだったのでしょうか、それなら大失敗です。
やるなら笑いも入れながら、はなっからスピンオフうたってやらないと。

ビデオから時代を経てWEB動画に呪いの方法を替えて描くにしても、こんなに“違う”ならいっそ違う映画にしてしまった方が誰も落胆しなかったと思う。
かつて“映画版”の雰囲気作りに一役買っていた「なんだかわからないけど気持ちの悪いビデオの映像」も全く使われないし、それに代わる程の呪いの映像が無いのも致命的。

ラストの意味深なシーンは、こんなのの続きなんてもう全く期待してないと思ってるのに、無駄に「意味深=想像してください」を狙っててイラッとする。
そこはエンドロール曲「feels like “HEAVEN”」で少しはお祭り感感じさせてくれよと誰もが期待していたはずでしょうが、そんな簡単に客が喜ぶような選択もしてくれない。

映画自体に全く深みが無いので、ひたすら恐怖の表情が上手かった石原さとみの熱演と、染谷将太のいつものクセのある芝居が勿体無い。

例の井戸のロケーションが、映画版『リング』とは全く違うんですけど…等と色々考えながら迎えたエンドロール後の映像も面白くない。
「もういらん!」



コレジャナイロボ
クリエーター情報なし
メディコム・トイ

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2 コメント

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やっぱり (ガメラ)
2012-06-01 15:50:00
そーれさんのレビューを拝見していたので全く見に行くつもりは無かったのですが如何してもと友人が誘うのでチケット代の負担なしと言う事で渋々劇場に足を運びましたが・・やっぱりでした。初代リングのどろどろとした恐怖。40年ほどむかし子供の頃お盆になるとテレビでいつもやっていたトイレに行けなくなるほど怖かった牡丹灯篭や四谷怪談などの流れをくむ日本的な怪談初代リングとは無縁な出来でした。やはり脚本は大事ですね。いくら役者が努力しても駄目なものは駄目ですね。仰る様に石原さとみと染谷将太が可哀想でした。非常に残念な一本でしたね。
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>ガメラさん (そーれ)
2012-06-10 00:00:34
どうもです!
仰るとおりなんですよねぇ。
せっかくのJホラー、せっかくの日本怪奇映画の独特な空気が皆無。
新しいことがしたいんなら貞子を巻き込むなと。
ろくでもない映画なのに、デカイプロジェクトなせいで役者さんが手を抜けないのが可哀想。
誰主導でこの映画製作されたんだろう。
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