
『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観てきました。
★★★★★
シリーズ4作目にして王道の007映画に回帰し、大満足の最終回で良かったはずの前作。
ダニエル・クレイグ自身にも、契約は残っていても「もうボンド役にはうんざり」とまで言わせた程に満足な出来だったはず。
本当の最終回とされる本作は蛇足じゃないのか、本当の最終回として心から楽しませてくれるのか。
期待よりも不安と不満の方が強く、とっとと結果を観せてくれよと思っている中でコロナ禍到来ですよ。延期延期でどんだけ待たせるねんってこの1年半の公開延期。
やっと、ようやく、遂に映画館で公開され、今は呪縛から解かれた気分です。
それで中身はどうだったのか。
結論から言うと、悪くないけど前作が良過ぎ。
近年のハリウッド映画の全てに決着を付けたがるクセが出ていて、余韻が全く残りません。
007好きとしては、数々のお約束とお約束破りの意外性で楽しませて貰えたりで途中までは楽しめたのですが、ストーリーが進むにつれそれはいくらなんでも破って良い範囲超えてるやろうと、次の世代の007映画には何も残さない勢いの反則技で焼き尽くしてしまっている辺りが残念です。
ダニエル・クレイグの演じるボンドが007になるところから始まり、彼がボンド役を引退するところまでの5部作として、完全にこれまでの007シリーズとは独立したものとして考えるとしっくり来なくも無いですが、こんなに焼き尽くしてしまう事はどうなのかな。
これまでずっと一定の抵抗を続けていた多様性への配慮が一気に進んでいる辺りについては、007シリーズ好きの人によって賛否分かれそう。
でも決して酷い映画では無いし、面白かったので★は4.5付けています。
前作の時に有った観終わった後でバンザイがしたくなったような気持ちは湧きませんでした。
なんせ前が良過ぎた。