先週読み終わった百田尚樹の小説「永遠の0」の映画を観た。
岡田准一主演、すばらしくステキだった
またまた、号泣
しかし、どうだろう?やっぱり小説には及ばなかったなぁ。
良かった、初めに小説読んで。
この小説のテーマは二つあると思う。
①戦争の只中、「お国の為に」「日本の為に」と死んでいく若者たち。しかし本心から死にたいと思っていた者がどれだけいただろうか?心の内は、家族を思って、死にたくなかった者がほとんどだったはずだ。
そのことを岡田君演じる宮部久蔵は、その本心を「臆病者」と言われながらも貫き通した。
どんな極限状態の中で洗脳されたとしても、本当の心の底には、自分の愛する人と別れていくことの悲しさ、そしてそのひとりひとりが、本当に辛く苦しい体験をしていたという日本中が共通していた悲しみを、もう二度と繰り返したくないということ。反戦の思いだ。
②自分たちの死というものが、その子どもや孫たちの世代にとってどのような意味をなしていくのだろうか?50年100年後の日本は、どのような国になっているのだろうか?そう思いながら死んでいった人たちの死を、私たちがいかに受け取っていくか、そして、子、孫に伝えていくかということ。彼らの死を無駄にしてはいけない、その悲しみの犠牲によって成り立つ私たちの幸せを、しっかりと受け止めて生きていかなくてはいけないのだということ。
原作も映画も良かったけど、ちょっと残念だったのは、映画は②がもうひとつ描ききれてなかった。
まぁ、限られた時間内で表現するのだから、しかたないかもしれないけど・・・。
残念なのは、最期に宮部久蔵が特攻で突っ込んだとき、「ニコッ」といい笑顔をして死んでいったのは、まずいでしょーーが
それじゃぁ、戦争美化じゃないか
岡田君の笑顔は超ステキだったけど、宮部久蔵は、泣きながら悔しみながら死んだのだと思う。
もちろん、妻と子供を託して自分は死んでいく安心感はあったから悔いはないという考え方もあるけれど、私はやっぱり「生きて帰りたかった」って泣きながら悔しみながら、突っ込んだと思うのである
自分が命をささげるから大切な人たちが助かる、って信じていた人たち。
そういう時代だったし教育だったからかな。
で、生きて終戦になった兵隊さんたちは生きている自分が申し訳ない、ってホンキで思って神社で自死してしまったり、あったようですね。
亡くなったお舅さんは戦争の時には若かったけどエリートの軍人で、自分も神社で死のうと思った。
だけど様子で気づいた先輩が「お前はまだ若いからやめろ」って言ってくれて思いとどまった。そしたら次の日その先輩が神社で自死していたそうです。
お舅さんはそんな話を生前語りまくってくれたけど、話をしてくれる高齢者もだんだん減っているよね。
だからアイドルや人気俳優さんが主演をして若い人に映画を観てもらうこと、考えてもらうことは大切なんだと思う。
大切な人を守るために戦って亡くなった人たちばかりだった中で、大切な人のところに帰りたい、って思った人たちも確実にいたはずだと思うよ私も。
教育の大切さを私は考えるなぁ。
価値観は教育によってかわってしまうんもんね。
本当にその時代のひとりひとりの思いは複雑で、どれとして同じものではなく、しかし画一的でもあったのかもしれません。
我が家は家族4人で映画に行きましたが、終わってから食事しながら、あるいは家に帰って夜になるまで、すごくあつくあつく、議論しました。本当に、良き一日が過ごせたと思っています。
それぞれ、生き方を修正された気がしました。
ついでに、暮れから大喧嘩したヒロとも、これですっからり仲直りできました)^o^(