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佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』2019・新潮文庫-その2・深夜ラジオをめぐる青春物語です

2023年09月07日 | 小説を読む

 2023年秋のブログです

 2019年夏にブログを書いているのをすっかり忘れていて、また書いてしまいました。少しでも違った視点が出ていれば幸いです。

     *

 佐藤多佳子さんの『明るい夜に出かけて』(2019・新潮文庫)を再読する。   

 佐藤多佳子さんはご存じのように、『一瞬の風になれ』で2007年本屋大賞を受賞している実力派。

 じーじは映画にもなった『しゃべれども しゃべれども』も大好きだ。

 その佐藤さんが、深夜ラジオのリスナーの青春を描いた小説だ。

 青春といっても、しかし、主人公も周りの人間も少し変(?)。

 主人公は、女性恐怖症(?)の男子大学生で(じーじと同じ)、大学を留年し、コンビニでアルバイトをしている。

 バイト先の先輩や店長などとの生活がリアルに描写されて、とてもおもしろい。

 主人公は、深夜ラジオのファンで、投稿者でもある。

 しかし、昔、投稿をめぐって、傷つくという過去を持つ。

 そこに、ラジオのリスナー仲間がからみ、少し変わった青春物語が展開する。

 かなり変なことが、普通に理解できるような不思議な感じ。

 じーじは、早寝早起きなので、深夜ラジオの世界は全くわからないが、読んでいるとなかなか興味深い。

 新しい形の青春物語といったところだ。

 その中で、それぞれが悩み、少しだけおとなになる。

 本作は2017年に山本周五郎賞を受賞、難しいテーマを重層的に描いてるところが評価されたようだ。

 少し変わっているが(?)、現代の青年のひとつのあり方を描いた力作だと思う。 (2023.9 記)

 


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