2011年のブログです
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河合隼雄さんの『カウンセリング入門』(1998・創元社)を読みました。
なぜか読みそびれていて、しかも実際の講演は1965年~68年に行われたもので、河合さんがユング研究所で資格を取って間もなくの時期の講演ということになります。
ちなみにじーじは1977年に今の家裁調査官の仕事について、河合さんの『コンプレックス』や『ユング心理学入門』などを読んでカウンセリングの勉強を始めましたので、とても懐かしい感じがしました。
じーじはその後、家族療法や精神分析、遊戯療法と興味の範囲が広がっているのですが、最近、なぜかまたユング心理学に興味が出てきているところで、この本も興味深く読みました。
じーじ自身は最近は逆転移や投影同一化などという概念について考えることが多いのですが、この本で河合さんはほとんど理論的なことはおっしゃらないで、実際にロールプレイでカウンセリングのあり方を示されたり、質問の聞き方そのものや質問内容のまとめ方などを示すことで、カウンセリングの実際を具体的に示そうとされていて、とても新鮮な刺激になりました。
理論も大事だけれども、カウンセリングや心理療法を具体的に示すことができるということは本当に力のある人でないと難しいと思います。
読んでよかったですし、今後も大切な一冊になるだろうなと思いました。 (2011.6 記)
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2021年6月の追記です
何でもそうかもしれませんが、具体例を示すということはとても大切で、かつ、なかなか難しいことだと思います。
事例研究会でも、その点が大切になりますが、いざ、それを実行するということになると、かなりの力量がないとできません。
さらに力をつけていきたいと思います。 (2021.6 記)