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原田マハ『キネマの神様』2011・文春文庫-映画批評を通じて結びつく二人の老人の友情を描く

2024年09月11日 | 小説を読む

 2020年7月のブログです

     *

 原田マハさんの『キネマの神様』(2011・文春文庫)を読みました。

 これも旭川の本屋さんで見つけたもの。

 このところ、マハさんの小説にはまっています。

 この小説を読み終えて、すぐに図書館でパソコンに向かったのですが、涙を流した気持ちを言葉にするのは、なかなか難しいです。

 主人公は大企業をやめた39歳の女性なのですが、本当の主人公はブログの映画批評を通じて結びついた日米の二人の老人。

 日本の老人の温かめの批評に対し、米国の老人はやや冷酷な批評。

 両者、なかなか対比的です。

 それぞれに背景があってのことなのですが、しかしながら、二人の批評はだんだんと二人を結びつけていきます。

 あらすじを書かずに、感動のいきさつを記すのが、じーじの文章力ではなかなか難しいのですが、文章は人をむずびつけてくれるのだな、という素朴な感想を抱きます。

 文章のちからをどちらかというと信じているじーじですが、本当にそう思います。

 じーじが拙いブログを書くのも、そういうちからを感じたいがためなのかもしれません。

 もっとも、昨今のSNSでの誹謗・中傷のように、文章には怖い側面もあります。

 できることなら、そうではなく、たとえ、厳しくとも、いい文章、意味のある文章を書いていきたいものですが…。

 なお、蛇足ですが、文庫本の表紙には志村けんさんの写真が…。

 本作は志村さん主演で映画化が予定されていましたが、残念ながら志村さんはコロナで亡くなられました。

 しかし、山田洋次監督のこと、きっといい映画ができあがることでしょう。       (2020.7 記)

   


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