ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

土居健郎『甘え・病い・信仰』2001・創文社-甘え・うらみ・ねたみについて

2024年09月12日 | 精神療法に学ぶ

 たぶん2016年のブログです

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 土居健郎さんの『甘え・病い・信仰』(2001・創文社)を再読しました。 

 おそらく10年ぶりくらいだと思います。

 ずいぶんとご無沙汰してしまいました(土居さん、ごめんなさい)。

 今回読んでみてよかったのは、「甘え」と「うらみ」と「ねたみ」の関係がとてもよく理解できたことです(今ごろになってわかったのか、とあきれられそうですが…)。

 「うらみ」はじーじがずっと気になっているテーマの一つなのです。

 土居さんによれば、「甘え」が十分に満たされないと「うらみ」になるということで、「うらみ」のほかに、「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」などという感情も「うらみ」に近いものだ、といいます。

 そして、これは、「甘え」が満たされない状態ではあるものの、いずれも「甘える」と「甘えられない」ということの間のどこかには位置するもののようです。

 一方、「ねたみ」ということは、「甘え」が全然ない状態で、憎しみだけでいっぱいの状態だと説明されます。

 こうなると「甘え」が通じにくく、その感情の解消にはかなりの心的作業を要することになりそうです。

 じーじなどは「うらみ」だけでもかなりてこずっていますが、さらに「ねたみ」という強敵がいることはまだまだ十分にはわかっていませんでした。

 いずれ、「ねたみ」の人との出会いもあるのだろうと思います(じつはもう会っているのかもしれませんが、気づけないでいるだけなのかもしれません)。

 少しでもいい援助ができるよう、今後も、さらに勉強を続けていきたいと思います。       (2016? 記)

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 2020年12月の追記です

 じーじが家裁調査官になった時、指導官のお一人だった山野保さんが、部屋のみなさんと一緒に「うらみ」の研究に取り組んでいらっしゃって、とても活発な議論がなされていたのを思い出します。

 新米だったじーじには、当時は、何が何だかわからない状態でしたが、貴重な思い出です。

 理論や研究は、やはり目の前の仕事にていねいに取り組むところから始まることを教わった気がします。      (2020. 12 記)

 

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河﨑秋子『颶風(ぐふう)の王』2018・角川文庫-どさんこ女流作家による人と馬のすばらしい物語

2024年09月12日 | 北海道を読む

 2020年7月のブログです

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 河﨑秋子さんの『颶風(ぐふう)の王』(2018・角川文庫)を読みました。

 川﨑さんの本も初めて。

 作家の紹介欄に、羊飼い、1979年北海道別海町生まれ、とあります。

 どさんこさんですね。

 この本も旭川の本屋さんの北海道本のコーナーで見つけました。

 すごい物語です。

 東北や北海道根室を舞台とした、馬と人の物語。

 あらすじはあえて書きませんが、馬と人との交流がきれいごとに終わらずに、描かれます。

 物語自体も何代にもわたってすごいものがありますが、そこに内包されているものがすごいとしか言いようがありません。

 日本が近代化する中で、捨て去ってきた大切なもの。

 声高にそれを叫ぶわけではありませんが、読んでいるとだんだんとこころにしみ込んできます。

 あらためて、自然との調和の大切さを感じさせられます。

 読後感の心地よい、スケールの大きな良質の物語です。      (2020.7 記)

 

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