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加藤周一『頭の回転をよくする読書術』1962・光文社-加藤周一さんの読書論です

2024年02月09日 | 随筆を読む

 2023年2月のブログです

     *

 またまたなつかしい本を読んでしまった。

 加藤周一さんの『頭の回転をよくする読書術』(1962・光文社)。

 じーじが持っているのは1975年発行の57版。

 大学3年の時に購入したのかな?

 ちなみに価格は500円。

 加藤さんに魅かれて買ったのだと思うが、加藤さんのようにたくさんの本を読めるようになりたいと思ったのかもしれない。

 じーじは加藤さんの本は繰り返して読む本が多いが(いくつかブログを書いているので、よかったら読んでみてください)、この本はカッパ・ブックスということもあって(カッパ・ブックスのみなさん、ごめんなさい)、なんとなく再読をしないできた。

 しかーし、なぜか最近、本棚にあるこの本が気になり、ちょっと読んでみたところ、予想以上に面白く、最後まで読んでしまった。

 ほぼ50年ぶり。

 しかし、内容は豊かで、深い。

 読書術というよりは読書論。

 読書についてさまざまなことを論じている。

 例えば、わかりにくいかもしれないが、目次を見ると、急がば回れ、マルクスとマルクス主義者の違い、文学は進歩するか、その他もろもろ。

 びっくりしたのは、加藤さんもシェイクスピアのハムレットから、どうせ世の中には、哲学でわからぬことがたくさんある、を引かれていること。

 わからないことに耐えることの大切さを表す重要な言葉なんだなと再認識してしまう。

 とてもよい本で、今度は50年といわず、5年後にも再読してみたい。   (2023.2 記)

     *

 同日の追記です

 どうでもいいことなのだが、本書の題名、頭の回転をよくする読書術、は単に、読書術、あるいは、読書論、のほうが加藤さんらしいのではないかとじーじなどは思う。

 カッパ・ブックスだから、売り上げを狙ったのかもしれないとも思うが(カッパ・ブックスのみなさん、再びごめんなさい)、もう少し格調高いほうがよかったような気がする。

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 2024年冬の追記です

 宮本輝さんの『ひとたびはポプラに臥す4』(2002・講談社文庫)を読んでいたら、手塚治虫さんの大切な言葉の一つとして、ハムレットの上記の言葉が挙げられている。

 いろいろな人たちにとって、とても大切な言葉なんだな、と改めて思う。   (2024.1 記)

 


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