2016年のブログです
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この本は道の駅ひがしかわで買いました。
新潟にいた時にはノーチェック、旅ではこういう楽しみがあるからやめられません。
まとめたのは慶応大学の先生たちでコンセプトもすばらしいのですが、同時に、インタビューを担当した吉田真緒さんの飾りのない素直な文章が、東川町の水や空気のようで、すがすがしく、心地よい感じです。
昔はほかの町と同じようで、過疎化に悩んでいた町が、どんなふうに変わってきたのかを、その変化を担ってきた人たちを主体として、徹底的に取材をし、その底に流れる考え方や生き方に迫っています。
下手な小説より感動的ですが、決して劇的なものではなく、ふつうの人たちがふつうの暮らしを大切にしている中で、変化が自然に起こってきていることがすごいと思います。
いわば、うまくいっている時のカウンセリングみたいな感じで、押し付けでなく、自然な変化を促すような印象を受けます。
人も町も、おいしい空気と水があれば、そして、それを大切にしていくように暮らしていれば、人や町そのものをも育むことになるのかもしれません。
シンプルだけど、大切なことに気づかせてくれた一冊です。 (2016.8 記)