竹中直人、NHK 大河ドラマで豊臣秀吉役 18年ぶり、『軍師官兵衛』で
(時事ドットコム 2013年8月16日付け記事より)
来年放送の NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の新たな出演者2名が16日発表され、豊臣秀吉を竹中直人(57歳)、織田信長を江口洋介(45歳)がそれぞれ演じることが決まった。このうち竹中は、1996年の大河ドラマ『秀吉』(原作・堺屋太一)で主演し、個性的な人物表現で話題を呼んだが、18年ぶりに同じ役で再登板することになった。
竹中は記者会見で、「自分がもう一度、大河ドラマで秀吉を演じることになり、びっくりしている。18年前は39歳ぐらいで若かったので、若い時に戻れるのは楽しみ。」と笑顔を見せた。
一方、「(秀吉の)若いころから演じなければいけないから、また走らないといけないなあ……18年前のようにふんどし一丁になるみたいだし、いろんなことが心配。」とも。それでも、「前にイメージした秀吉とは違う世界観になるのかな。(どう演じるかは)何も決めず、現場での『直観力』を楽しみにしている。」と、撮影に臨む心構えを話した。
さらに、大河ドラマで主役を演じた先輩として、主演の岡田准一(32歳)に「事故とけがのないように。根性で乗り切ろうとすると大変な落とし穴が待っている。」とアドバイス。これを受け、岡田は「(演じる官兵衛は)秀吉さまと一緒に駆けずり回る役なので、けがのないよう一緒に走りたい。」とし、「竹中さんは本番直前まで違う話をしていると噂で聞いている。竹中さんがやることを受けながら、考え過ぎずにお芝居していきたい。」と続けた。
また信長役の江口は、「衣装合わせで『ああ、(信長は)こういう役か』と(自分の中で)動き始めた。戦国のトップを走った男を楽しみながら演じ、自分なりの新しいものが出せたら。」と抱負を語った。
NHK によると、大河ドラマでは過去に、故・緒形拳さんが『太閤記』(1965年)と『黄金の日日』(1978年)で豊臣秀吉を、津川雅彦(73歳)が『独眼竜政宗』(1987年)と『葵 徳川三代』(2000年)で徳川家康を演じた例などがあるという。担当プロデューサーは竹中の起用理由として、「秀吉が一番似合うのは誰かと考えたとき、竹中さんだった。」と説明した。
『秀吉』(1996年)のおもなキャスト(カッコ内の年齢は放送当時のもの)
羽柴 秀吉 …… 竹中 直人(39歳)
秀吉の正室・おね …… 沢口 靖子(30歳)
羽柴 秀長 …… 高嶋 政伸(29歳)
浅井 茶々(淀殿)…… 松 たか子(18歳)
秀吉の母・なか …… 市原 悦子(59歳)
秀吉の姉・とも …… 深浦 加奈子(35歳 2008年没)
竹中 半兵衛 …… 古谷 一行(52歳)
前田 利家 …… 渡辺 徹(34歳)
石田 三成 …… 小栗 旬(13歳 子役だったが2009年の『天地人』では成人後の石田三成を演じる)→ 真田 広之(35歳)
蜂須賀 正勝 …… 大仁田 厚(38歳)
加藤 清正 …… 高杉 亘(31歳) ※『琉球の風』 (1993年) 以来2度目の加藤清正役
織田 信長 …… 渡 哲也(54歳)
明智 光秀 …… 村上 弘明(39歳)
徳川 家康 …… 西村 雅彦(35歳)
足利 義昭 …… 玉置 浩二(37歳)
荒木 村重 …… 大杉 漣(44歳)
黒田 官兵衛 …… 伊武 雅刀(46歳)
秀吉の毛利攻めあたりから登場。元は播磨国の武将・小寺家の重臣でありながら信長に仕え、嫡子・松寿丸(のちの黒田長政)を人質として預けている。当初は周囲をかえりみない傲慢な態度と言動で煙たがられ、秀長から「あの者は人を苛立たせる。」と言われてしまう。秀吉の古くからの軍師である竹中半兵衛をライヴァル視し、彼の献策を真っ向から否定するなどの描写も見られた。それを見抜いた半兵衛から、軍師のあり方を諭される。後年は打って変わって深謀遠慮な人柄に変貌し清洲会議などの場面で重きをなしている。
安国寺 恵瓊 …… 中条 きよし(49歳)
小西 行長 …… 小西 博之(36歳)
信長の母・土田御前 …… 三條 美紀(67歳)
柴田 勝家 …… 中尾 彬(53歳)
丹羽 長秀 …… 篠田 三郎(47歳)
瀧川 一益 …… 段田 安則(38歳)
森 蘭丸 …… 松岡 昌宏(18歳)
佐久間 盛政 …… 遠藤 憲一(34歳)
安藤 守就 …… 塚本 信夫(62歳 『秀吉』放送中の1996年10月に死去)
斎藤 利三 …… 上條 恒彦(55歳)
本多 正信 …… 宍戸 錠(62歳)
今川 義元 …… 米倉 斉加年(61歳)
斎藤 道三 …… 金田 龍之介(67歳 2009年没)
浅井 長政 …… 宅麻 伸(39歳)
松永 久秀 …… 秋間 登(46歳)
山中 幸盛 …… 梅垣 義明(36歳)
千 利休 …… 仲代 達矢(63歳)
石川 五右衛門(本作では秀吉の幼なじみだったというオリジナル設定)…… 赤井 英和(36歳)
描かれなかった秀吉の晩年
『秀吉』の内容は、秀吉が栄華を極めていた文禄四(1595)年の春(秀吉59歳)で終了し、甥・秀次一家の惨殺や第二次朝鮮出兵(慶長戦役)などの晩年部分は描かれなかった。なお、竹中直人本人は、2003年の『秀吉』再放送での特別インタビューの際に、「天下を取った後の堕ちてゆく秀吉を演じたかった。」と発言している。
本編の最終回は、秀吉が正室おねの機嫌をとるために大坂城内で催した架空の花見会と、そこに顔を出した豊臣秀次、石田三成や淀殿、徳川家康らの面々が華やかに描かれる。そして最後には一人となった秀吉が亡き母に辞世を伝え、不意に現れた段々畑に挟まれた坂道を、沈みゆく夕陽に向かって一人駆け登っていくという、彼自身と一族の最期を暗示するラストシーンが描かれた。
現時点で決まっている『軍師官兵衛』キャスティングとの比較
黒田 官兵衛
岡田 准一(32歳)= 伊武 雅刀(46歳)
竹中 半兵衛
谷原 章介(41歳)= 古谷 一行(52歳)
秀吉の正室・おね
黒木 瞳(52歳)= 沢口 靖子(30歳)
荒木 村重
大杉 漣(44歳)= 田中 哲司(47歳)
足利 義昭
玉置 浩二(37歳)= 吹越 満(48歳)
石田 三成
小栗 旬(13歳)&真田 広之(35歳)= 田中 圭(29歳)
明智 光秀
村上 弘明(39歳)= 春風亭 小朝(58歳)
織田 信長
渡 哲也(54歳)= 江口 洋介(45歳)
豊臣 秀吉
竹中 直人(39歳)= 竹中 直人(57歳)
さぁ、盛りあがってまいりました!!
なるほどなるほど、竹中秀吉の再登板! そうきましたか~。
世間のごく一部からは「マンネリ」「露骨な視聴率対策」という批判もあがっているようですが、そんな見もしないうちからぶつくさチャチャを入れるようなクソの役にも立たない声は無視して、我が『長岡京エイリアン』では全面的に来年度の大河ドラマ『軍師官兵衛』を応援し、その動向に注目していくことにしたいと思います。やったれやったれーい!!
とは言っても、別に私は19年前の『秀吉』の内容を強く支持しているわけでもありません。確かにおもしろいドラマではあったしキャスティングも最高に近い顔ぶれがそろったとは思うのですが、史実を映像化したとはとてもじゃないけど言えないアレンジの数々には、むしろ反面教師として学ぶところが大いにあった作品だと記憶しています。
ともかく、「秀吉と石川五右衛門が旧友だった」という設定とか、明らかに秀吉よりも人物スケールが数ランク小さく描かれている徳川家康とダーイシ三成とか(黒田官兵衛もそうでしたね)、まさしく「講談の『太閤記』のドラマ化」といったほうが的を得ているような波乱万丈、荒唐無稽な展開のつるべ打ちで、晩年のドンガラガッシャンがまるごとカットされている最終回から見ても、こんなに豊臣秀吉を美化した(ヴィジュアルじゃなくて中身を、です)作品が大河ドラマになっていいのか? という疑問を、当時の私も高校生ながら強く抱いていました。豊臣政権のプロパガンダ映像かっての!
それはもう、秀吉以上にカリスマ化されていた織田信長像もそうだったわけなのですが、こちらも、年齢的には信長を演じることができるギリギリ最後のチャンスだったかと思われる渡哲也さんの気迫の名演が大いに光っていましたね。
でも、私がそもそも日本の歴史に興味を持つきっかけとなったいくつかの起因のひとつには、確実にこの『秀吉』を観て感じた「信長って、そんなにスゴいやつなの?」という疑問があったし、そのネガとして「足利義昭がこんなにバカ殿なはずはないんじゃないか?」という思いもあったのでした。
そうそう、私はやっぱり役者としての『秀吉』での玉置浩二さんの存在感は大好きなんですが、これは『秀吉』における足利義昭のキャラクター造形を賛美するものでは断じてありません。そのキャスティングについては「ありがとう。」というほかはないのですが、義昭公を不当に貶めているとしか言いようのない脚本の幼稚さには、今思い出しても体温が0.5~1℃くらい上昇してしまう怒りが湧いてきます。
義昭公がそんなに自分の「征夷大将軍」という位にあぐらをかくわけがねぇじゃねぇか……この前にも触れた話になるんですが、義昭公はたった3年前に武士になったばっかの人なんですよ? 10~20代のほとんどを坊さんとして過ごしてきた人なんですよ? そして何よりも、自分以上に将軍らしかった兄(足利義輝)が暗殺されたからこそ、戦国の世にかつぎ出されてきた人だったんですよ? その、有為転変の半生……それがあんなおバカさんになれるはずがないんだって。
そんな思いも込めて、一人で孤独にぽつぽつ考えてきたことの集積が、現在絶賛製作停止中の「オレ大河ドラマ『洛炎戦国記』」なんでありますが、その完成なんか待たずに、ぜひとも来年の『軍師官兵衛』で、吹越満さん演じる真実の足利義昭公が現れることを強く期待したいと思います。ガンバレガンバレみーつーるー!!
ふりかえれば、1996年の『秀吉』は平均視聴率30.5%、最高視聴率37.4% ですか……たった20年弱のあいだに、NHK 大河ドラマの視聴率もだいぶ変わってまいりました。
今のところ、大河ドラマで最後に「平均視聴率20% 台」を記録したのは2009年の『天地人』。それ以降は10% 台がずっと続き、去年の『平清盛』にいたっては、大河ドラマ史上最低の平均視聴率「12.0% 」を記録する事態になってしまいました。今年の『八重の桜』も内容はもちろん健闘してはいますが、今現在33話放送された時点での平均視聴率は「15.0% 」、最高視聴率は初回の21.4% で、回ごとの平均視聴率が20% をこえたのはその初回だけという寂しい状況になっています。鳥羽伏見戦争も終わっちまったしよう……
昨年の『平清盛』を観てもわかるように、視聴率の高低と作品の質の良い悪いが必ずしも比例するわけではないのですが、「回ごとの最低視聴率が22.2% 」だったという『秀吉』のころに比べると、あまりにも哀しすぎる状況におちいっている昨今の NHK大河ドラマ! 『軍師官兵衛』でぜしとも! 挽回をはかっていただきたいと思います。
上にもまとめたように、『軍師官兵衛』ではおそらく、『秀吉』でついに語られることのなかった「晩年の堕ちた秀吉」が竹中直人さんによって演じられるはずです。内容的にも『秀吉』に直接地続きな作品にはならないはずだし、私としてもなってほしくはないのですが、ある意味では竹中さんの俳優としての悲願が約20年ぶりに実現化する素晴らしい機会になるはずです。年齢的にも前回よりもぐっと演じやすくなっているはずだし! 「太陽の子ではいられなくなった竹中秀吉」の最晩年に注目したいと思います。これはも~、わたくしといたしましてもおよそ6~7年ぶりに「全話チェックを目指す」大河ドラマになりそうですね。家に TVがないという問題は、まぁなんとでもなる!!
あ、そうだ。今回のキャスティング発表で「信長」「秀吉」「光秀」は発表されたわけなんですが、いよいよ最後に残った「徳川家康」は、いったい誰が演じることになるんでしょうかね!? 官兵衛にもっと縁が深い天下人は、そりゃもう秀吉であるわけなんですが、官兵衛の最大のライヴァルとなった天下人は家康であるわけなんですから、これはもう竹中・江口なみに気合いの入った人選になるはずです。
まぁ、信長が40代の江口さんで秀吉が50代の竹中さんなんですから、おそらくはそのくらいの年代の俳優さんに白羽の矢が立つはずです。北大路欣也ちゃんクラスの大御所とか、まさかの津川雅彦3選(民放ドラマもあわせれば6選!!)というサプライズにはならないでしょう。
わたくし個人としては、ぜひとも高嶋政宏さんに2002年『利家とまつ』以来の再選で演じてほしいのですが、もしかして、『秀吉』に乗っかっての西村雅彦大復活もありうるか!? 『秀吉』での家康描写は異常なまでの縮小解釈だったし、当時の西村さんの演技も「なんだかなぁ~」な消化不良感が残ったしね。もしそうなったら、竹中さん以上の入魂の演技が観られることでしょう。
う~ん、いろいろ家康案を考えているうちにふと気がついたんですが、昨今の日本の俳優さんって、男女関係なく「カッコよく太っているひと」って、あまりにも少ないですよね。デブじゃなくて「固太り」っていうイメージの人ね。私自身は、ちょっと自分の生活上の問題もあってか、ぜんぜん太ることができない性質の人間なので、太っているおじさんやおばさんが本当にうらやましいです。ホントよ!?
あ~、じゃさじゃさ、ジュリー! 沢田研二さんに家康やってもらおうよ! おもしろいよ~、きっと!! ちょんまげ似合わないだろうけど。
そんなこんなでまぁ、キャスティングのことも気になるっちゃあなるんですが、思えば『軍師官兵衛』は「九州の関ヶ原合戦」にスポットが当たる作品にもなるはずですよ。
なにからなにまで、楽しみねぇ~!! ウンウン。
(時事ドットコム 2013年8月16日付け記事より)
来年放送の NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の新たな出演者2名が16日発表され、豊臣秀吉を竹中直人(57歳)、織田信長を江口洋介(45歳)がそれぞれ演じることが決まった。このうち竹中は、1996年の大河ドラマ『秀吉』(原作・堺屋太一)で主演し、個性的な人物表現で話題を呼んだが、18年ぶりに同じ役で再登板することになった。
竹中は記者会見で、「自分がもう一度、大河ドラマで秀吉を演じることになり、びっくりしている。18年前は39歳ぐらいで若かったので、若い時に戻れるのは楽しみ。」と笑顔を見せた。
一方、「(秀吉の)若いころから演じなければいけないから、また走らないといけないなあ……18年前のようにふんどし一丁になるみたいだし、いろんなことが心配。」とも。それでも、「前にイメージした秀吉とは違う世界観になるのかな。(どう演じるかは)何も決めず、現場での『直観力』を楽しみにしている。」と、撮影に臨む心構えを話した。
さらに、大河ドラマで主役を演じた先輩として、主演の岡田准一(32歳)に「事故とけがのないように。根性で乗り切ろうとすると大変な落とし穴が待っている。」とアドバイス。これを受け、岡田は「(演じる官兵衛は)秀吉さまと一緒に駆けずり回る役なので、けがのないよう一緒に走りたい。」とし、「竹中さんは本番直前まで違う話をしていると噂で聞いている。竹中さんがやることを受けながら、考え過ぎずにお芝居していきたい。」と続けた。
また信長役の江口は、「衣装合わせで『ああ、(信長は)こういう役か』と(自分の中で)動き始めた。戦国のトップを走った男を楽しみながら演じ、自分なりの新しいものが出せたら。」と抱負を語った。
NHK によると、大河ドラマでは過去に、故・緒形拳さんが『太閤記』(1965年)と『黄金の日日』(1978年)で豊臣秀吉を、津川雅彦(73歳)が『独眼竜政宗』(1987年)と『葵 徳川三代』(2000年)で徳川家康を演じた例などがあるという。担当プロデューサーは竹中の起用理由として、「秀吉が一番似合うのは誰かと考えたとき、竹中さんだった。」と説明した。
『秀吉』(1996年)のおもなキャスト(カッコ内の年齢は放送当時のもの)
羽柴 秀吉 …… 竹中 直人(39歳)
秀吉の正室・おね …… 沢口 靖子(30歳)
羽柴 秀長 …… 高嶋 政伸(29歳)
浅井 茶々(淀殿)…… 松 たか子(18歳)
秀吉の母・なか …… 市原 悦子(59歳)
秀吉の姉・とも …… 深浦 加奈子(35歳 2008年没)
竹中 半兵衛 …… 古谷 一行(52歳)
前田 利家 …… 渡辺 徹(34歳)
石田 三成 …… 小栗 旬(13歳 子役だったが2009年の『天地人』では成人後の石田三成を演じる)→ 真田 広之(35歳)
蜂須賀 正勝 …… 大仁田 厚(38歳)
加藤 清正 …… 高杉 亘(31歳) ※『琉球の風』 (1993年) 以来2度目の加藤清正役
織田 信長 …… 渡 哲也(54歳)
明智 光秀 …… 村上 弘明(39歳)
徳川 家康 …… 西村 雅彦(35歳)
足利 義昭 …… 玉置 浩二(37歳)
荒木 村重 …… 大杉 漣(44歳)
黒田 官兵衛 …… 伊武 雅刀(46歳)
秀吉の毛利攻めあたりから登場。元は播磨国の武将・小寺家の重臣でありながら信長に仕え、嫡子・松寿丸(のちの黒田長政)を人質として預けている。当初は周囲をかえりみない傲慢な態度と言動で煙たがられ、秀長から「あの者は人を苛立たせる。」と言われてしまう。秀吉の古くからの軍師である竹中半兵衛をライヴァル視し、彼の献策を真っ向から否定するなどの描写も見られた。それを見抜いた半兵衛から、軍師のあり方を諭される。後年は打って変わって深謀遠慮な人柄に変貌し清洲会議などの場面で重きをなしている。
安国寺 恵瓊 …… 中条 きよし(49歳)
小西 行長 …… 小西 博之(36歳)
信長の母・土田御前 …… 三條 美紀(67歳)
柴田 勝家 …… 中尾 彬(53歳)
丹羽 長秀 …… 篠田 三郎(47歳)
瀧川 一益 …… 段田 安則(38歳)
森 蘭丸 …… 松岡 昌宏(18歳)
佐久間 盛政 …… 遠藤 憲一(34歳)
安藤 守就 …… 塚本 信夫(62歳 『秀吉』放送中の1996年10月に死去)
斎藤 利三 …… 上條 恒彦(55歳)
本多 正信 …… 宍戸 錠(62歳)
今川 義元 …… 米倉 斉加年(61歳)
斎藤 道三 …… 金田 龍之介(67歳 2009年没)
浅井 長政 …… 宅麻 伸(39歳)
松永 久秀 …… 秋間 登(46歳)
山中 幸盛 …… 梅垣 義明(36歳)
千 利休 …… 仲代 達矢(63歳)
石川 五右衛門(本作では秀吉の幼なじみだったというオリジナル設定)…… 赤井 英和(36歳)
描かれなかった秀吉の晩年
『秀吉』の内容は、秀吉が栄華を極めていた文禄四(1595)年の春(秀吉59歳)で終了し、甥・秀次一家の惨殺や第二次朝鮮出兵(慶長戦役)などの晩年部分は描かれなかった。なお、竹中直人本人は、2003年の『秀吉』再放送での特別インタビューの際に、「天下を取った後の堕ちてゆく秀吉を演じたかった。」と発言している。
本編の最終回は、秀吉が正室おねの機嫌をとるために大坂城内で催した架空の花見会と、そこに顔を出した豊臣秀次、石田三成や淀殿、徳川家康らの面々が華やかに描かれる。そして最後には一人となった秀吉が亡き母に辞世を伝え、不意に現れた段々畑に挟まれた坂道を、沈みゆく夕陽に向かって一人駆け登っていくという、彼自身と一族の最期を暗示するラストシーンが描かれた。
現時点で決まっている『軍師官兵衛』キャスティングとの比較
黒田 官兵衛
岡田 准一(32歳)= 伊武 雅刀(46歳)
竹中 半兵衛
谷原 章介(41歳)= 古谷 一行(52歳)
秀吉の正室・おね
黒木 瞳(52歳)= 沢口 靖子(30歳)
荒木 村重
大杉 漣(44歳)= 田中 哲司(47歳)
足利 義昭
玉置 浩二(37歳)= 吹越 満(48歳)
石田 三成
小栗 旬(13歳)&真田 広之(35歳)= 田中 圭(29歳)
明智 光秀
村上 弘明(39歳)= 春風亭 小朝(58歳)
織田 信長
渡 哲也(54歳)= 江口 洋介(45歳)
豊臣 秀吉
竹中 直人(39歳)= 竹中 直人(57歳)
さぁ、盛りあがってまいりました!!
なるほどなるほど、竹中秀吉の再登板! そうきましたか~。
世間のごく一部からは「マンネリ」「露骨な視聴率対策」という批判もあがっているようですが、そんな見もしないうちからぶつくさチャチャを入れるようなクソの役にも立たない声は無視して、我が『長岡京エイリアン』では全面的に来年度の大河ドラマ『軍師官兵衛』を応援し、その動向に注目していくことにしたいと思います。やったれやったれーい!!
とは言っても、別に私は19年前の『秀吉』の内容を強く支持しているわけでもありません。確かにおもしろいドラマではあったしキャスティングも最高に近い顔ぶれがそろったとは思うのですが、史実を映像化したとはとてもじゃないけど言えないアレンジの数々には、むしろ反面教師として学ぶところが大いにあった作品だと記憶しています。
ともかく、「秀吉と石川五右衛門が旧友だった」という設定とか、明らかに秀吉よりも人物スケールが数ランク小さく描かれている徳川家康とダーイシ三成とか(黒田官兵衛もそうでしたね)、まさしく「講談の『太閤記』のドラマ化」といったほうが的を得ているような波乱万丈、荒唐無稽な展開のつるべ打ちで、晩年のドンガラガッシャンがまるごとカットされている最終回から見ても、こんなに豊臣秀吉を美化した(ヴィジュアルじゃなくて中身を、です)作品が大河ドラマになっていいのか? という疑問を、当時の私も高校生ながら強く抱いていました。豊臣政権のプロパガンダ映像かっての!
それはもう、秀吉以上にカリスマ化されていた織田信長像もそうだったわけなのですが、こちらも、年齢的には信長を演じることができるギリギリ最後のチャンスだったかと思われる渡哲也さんの気迫の名演が大いに光っていましたね。
でも、私がそもそも日本の歴史に興味を持つきっかけとなったいくつかの起因のひとつには、確実にこの『秀吉』を観て感じた「信長って、そんなにスゴいやつなの?」という疑問があったし、そのネガとして「足利義昭がこんなにバカ殿なはずはないんじゃないか?」という思いもあったのでした。
そうそう、私はやっぱり役者としての『秀吉』での玉置浩二さんの存在感は大好きなんですが、これは『秀吉』における足利義昭のキャラクター造形を賛美するものでは断じてありません。そのキャスティングについては「ありがとう。」というほかはないのですが、義昭公を不当に貶めているとしか言いようのない脚本の幼稚さには、今思い出しても体温が0.5~1℃くらい上昇してしまう怒りが湧いてきます。
義昭公がそんなに自分の「征夷大将軍」という位にあぐらをかくわけがねぇじゃねぇか……この前にも触れた話になるんですが、義昭公はたった3年前に武士になったばっかの人なんですよ? 10~20代のほとんどを坊さんとして過ごしてきた人なんですよ? そして何よりも、自分以上に将軍らしかった兄(足利義輝)が暗殺されたからこそ、戦国の世にかつぎ出されてきた人だったんですよ? その、有為転変の半生……それがあんなおバカさんになれるはずがないんだって。
そんな思いも込めて、一人で孤独にぽつぽつ考えてきたことの集積が、現在絶賛製作停止中の「オレ大河ドラマ『洛炎戦国記』」なんでありますが、その完成なんか待たずに、ぜひとも来年の『軍師官兵衛』で、吹越満さん演じる真実の足利義昭公が現れることを強く期待したいと思います。ガンバレガンバレみーつーるー!!
ふりかえれば、1996年の『秀吉』は平均視聴率30.5%、最高視聴率37.4% ですか……たった20年弱のあいだに、NHK 大河ドラマの視聴率もだいぶ変わってまいりました。
今のところ、大河ドラマで最後に「平均視聴率20% 台」を記録したのは2009年の『天地人』。それ以降は10% 台がずっと続き、去年の『平清盛』にいたっては、大河ドラマ史上最低の平均視聴率「12.0% 」を記録する事態になってしまいました。今年の『八重の桜』も内容はもちろん健闘してはいますが、今現在33話放送された時点での平均視聴率は「15.0% 」、最高視聴率は初回の21.4% で、回ごとの平均視聴率が20% をこえたのはその初回だけという寂しい状況になっています。鳥羽伏見戦争も終わっちまったしよう……
昨年の『平清盛』を観てもわかるように、視聴率の高低と作品の質の良い悪いが必ずしも比例するわけではないのですが、「回ごとの最低視聴率が22.2% 」だったという『秀吉』のころに比べると、あまりにも哀しすぎる状況におちいっている昨今の NHK大河ドラマ! 『軍師官兵衛』でぜしとも! 挽回をはかっていただきたいと思います。
上にもまとめたように、『軍師官兵衛』ではおそらく、『秀吉』でついに語られることのなかった「晩年の堕ちた秀吉」が竹中直人さんによって演じられるはずです。内容的にも『秀吉』に直接地続きな作品にはならないはずだし、私としてもなってほしくはないのですが、ある意味では竹中さんの俳優としての悲願が約20年ぶりに実現化する素晴らしい機会になるはずです。年齢的にも前回よりもぐっと演じやすくなっているはずだし! 「太陽の子ではいられなくなった竹中秀吉」の最晩年に注目したいと思います。これはも~、わたくしといたしましてもおよそ6~7年ぶりに「全話チェックを目指す」大河ドラマになりそうですね。家に TVがないという問題は、まぁなんとでもなる!!
あ、そうだ。今回のキャスティング発表で「信長」「秀吉」「光秀」は発表されたわけなんですが、いよいよ最後に残った「徳川家康」は、いったい誰が演じることになるんでしょうかね!? 官兵衛にもっと縁が深い天下人は、そりゃもう秀吉であるわけなんですが、官兵衛の最大のライヴァルとなった天下人は家康であるわけなんですから、これはもう竹中・江口なみに気合いの入った人選になるはずです。
まぁ、信長が40代の江口さんで秀吉が50代の竹中さんなんですから、おそらくはそのくらいの年代の俳優さんに白羽の矢が立つはずです。北大路欣也ちゃんクラスの大御所とか、まさかの津川雅彦3選(民放ドラマもあわせれば6選!!)というサプライズにはならないでしょう。
わたくし個人としては、ぜひとも高嶋政宏さんに2002年『利家とまつ』以来の再選で演じてほしいのですが、もしかして、『秀吉』に乗っかっての西村雅彦大復活もありうるか!? 『秀吉』での家康描写は異常なまでの縮小解釈だったし、当時の西村さんの演技も「なんだかなぁ~」な消化不良感が残ったしね。もしそうなったら、竹中さん以上の入魂の演技が観られることでしょう。
う~ん、いろいろ家康案を考えているうちにふと気がついたんですが、昨今の日本の俳優さんって、男女関係なく「カッコよく太っているひと」って、あまりにも少ないですよね。デブじゃなくて「固太り」っていうイメージの人ね。私自身は、ちょっと自分の生活上の問題もあってか、ぜんぜん太ることができない性質の人間なので、太っているおじさんやおばさんが本当にうらやましいです。ホントよ!?
あ~、じゃさじゃさ、ジュリー! 沢田研二さんに家康やってもらおうよ! おもしろいよ~、きっと!! ちょんまげ似合わないだろうけど。
そんなこんなでまぁ、キャスティングのことも気になるっちゃあなるんですが、思えば『軍師官兵衛』は「九州の関ヶ原合戦」にスポットが当たる作品にもなるはずですよ。
なにからなにまで、楽しみねぇ~!! ウンウン。