北朝鮮兵が派遣されたクルスク州では、ウクライナ軍が英国製のストームシャドーを
使った攻撃に踏み切っていた=AP
【ウィーン=田中孝幸】
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは21日、ロシア軍を支援するために同国西部クルスク州に送られた北朝鮮軍の高官が、最近のウクライナ軍の攻撃で負傷したと報じた。西側諸国の当局者の話としている。
北朝鮮軍の高官の負傷が当局者に確認されたのは初めて。クルスク州には一部を支配下に置くウクライナ軍との戦闘のために1万人を超える北朝鮮兵が派遣され、多くの将官も滞在しているとみられている。
高官の名前や負傷を巡る詳細は明らかにされていない。ウクライナ軍は20日に英国製の空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」でクルスク州のロシア軍拠点を攻撃するなど、支配地の防衛体制を強化していた。
米国と英国は今週、北朝鮮兵の同州展開という事態を踏まえ、米英製の長射程兵器を使ったロシア領内への攻撃を容認する方針に転換した。ウクライナ軍のミサイル攻撃が強まれば、同州内で大規模な攻撃作戦を準備する北朝鮮兵の犠牲も膨らむのは確実だ。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。