目の前が海の旅館に泊まった夜、母と夜中まで話をした。
母は自分が舟をこいでいるのに、私の肩や腕をマッサージしてくれた。
長い時間話をした。
両親と会えなかった間に、夫との間にあったこと。
これからの仕事のこと。
たくさん、話した
母と話して、夫と離れたところに来て、はっきりわかったこと。
「わたしはいつまた殴られるか分からない人と一緒にいたくない。そういう人と一緒にいるのは怖い」
「わたしが働いて、何とかしても、夫は変わらないだろう」
「わたしがずっと、頑張っていくしかないんだろう」
「わたしは夫に信頼されてないし、わたしも夫を信頼していない。築き上げられなかった」
そして思うのが
「なんでわたしはこの人に出会ったときからずっとこんな扱いをされないといけないんだろう?」
ということ。
もし、わたしの娘がわたしと同じ目にあっていたら、わたしは娘を引き取るだろう。
結婚する時に、母は反対した。
母の見る目があったのだろう。
わたしには、見る目がなかった。
これは本当だ。
ちゃんと見てなかった。
目をそらしていた。
目が眩んでいた。
そして、目が覚めた気がした。
「夫から逃れよう」
いや、時には逆に
「夫との生活を、自分がどうにかしなくてはいけない」
と、自分ひとりでどうにかできる筈もないのに、ひとりでどうにか出来ると思い上がって、馬鹿なことをたくさんした。
もがいてもがいて苦しんでいた。
義理の兄も一緒に旅しているのだが、夫のような付き合いづらさを感じない。
なぜなんだろう?
夫とわたしは、決定的なところが違うのだ。
大事にしているものが違う。
それでやっていけるのだろうか?
海から実家に移動して、着いたのは夜。
実家の玄関はうちのリビングより広い・・・田舎のうちは広いのだ。
高い天井は、冬には寒いそうだ。
長い廊下の先のトイレを、娘は怖い、と言う。
田舎の夜は真っ暗だ。
夜は両親の間に、娘と寝た。
次の日にはもう東京に帰る。
朝になったら、父が庭の菜園からトマトやきゅうり、とうもろこしなど姪と娘に取らせてくれた。
庭の池の鯉に、並んで餌をあげた。わたしも小さい頃、たくさんのいとこたちとやっていた。
昨日、市場で買った海の幸と、父が作った野菜の朝ご飯。
たくさん食べ過ぎて、義兄は人生最大体重になった、と笑った
両親と別れる時に、メロンやブドウなどたくさんお土産をもたせてくれた。封筒に入ったお金も。
涙が出た。帰りたくなくて、切なかった。
「なにかあったら、すぐに連絡しなさい」
と父が言ってくれた。
さよなら、また会える日まで。元気で。
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