最後の歌
2021年01月06日 | 本
いま読んでいるテキスト本に、おもしろい部分を見つけました。
新しき 年の初めの 初春の
今日振る雪の いや重け吉事 (いやしけよごと)
この歌は、『万葉集』の最後の歌で、
大伴家持が天平宝字三年(759)正月、
左遷された因幡の地で詠んだ一首です。
『万葉集』の最末尾に置かれた、
しかも家持の最後の歌でもあります。
令和の今のこの時期と、重ね合わせるとすごく趣が感じられます。
1262年前となんら変わりなく、新しい年を迎えたのです。
左遷の地で部下たちの拝賀を受けて、その答礼に詠まれたらしいです。
*《新しい年の初めである初春の今日降る雪のように、
善いことがいよいよ重なるように。》