気がついたらもう12月です。そういえば12月に入ってからやけに道路が混んでるような気がして、この前は仕事に行くのにいつもよりも30分以上も時間がかかってしまって遅刻するんじゃないかとドキドキでした。今の職場に転勤して4年になりますがいまだに無遅刻無欠勤なので来年退職するまでキープしたいと思います。
以上、師走のつぶやき。
さて、この本は小説ではなくて、福岡県にある介護施設の代表をされている村瀬孝生さんと、医療や介護の著作が多いフリーライターの東田勉さんの対談となっています。村瀬孝生さんは著作も多く全国各地で講演もしていて、先日亡くなった谷川俊太郎さんとも交流があったそうです。
認知症は2025年には5人にひとりになるという推計もあるくらいだそうで、認知症はもともと「痴呆」と呼ばれていましたが、2004年に厚労省より「言い換えるように」ということで一気に全国に広まりました。治療法はまだ確立していません。お年寄りが「ボケた」状態になる、というのは昔からあったわけで、ボケというのは時差ボケや色ボケといったように一時的に正常ではない状態のことを意味しているとのことで、特別な病気とは捉えられてはいませんでした。
認知症患者がここまで急激に増えたのは制度的な問題があるのではないか、というのがテーマでして、認知症の薬を飲むのをやめたら暴れたりすることが少なくなった、介護保険制度ができたおかげで家族が親を認知症にさせているなど現場を知る人ならではのエピソードもあります。
個人的な話になりますが、医療機関で働いておりまして、何年か前に療養で入院していた会話もせず意思疎通もほぼなかったのような女性患者が生まれ故郷の病院に転院したら喋るようになったと聞いて、あのおばあちゃんはいろんな事情があって関東に移ってきたのはいいけど慣れなかったんでしょうね。それで生まれ故郷に戻って現地の空気感だったり看護師さんとかの現地の言葉を聞いたりして嬉しかったんでしょうね。
何年か前に、認知症の高齢者が線路の踏切に入って人身事故を起こして、その高齢者の家族に損害賠償の請求をしたというのがありました。最終的に家族の賠償責任はないという逆転判決になりましたが、鉄道会社側もその高齢者と家族が憎くて裁判を起こしたわけではないのはわかります。しかし家族は辛かったでしょうね。
厚生労働省は「認知症施策推進総合戦略(オレンジプラン)」という政策を進めてはいますが、そもそもこのオレンジとは有田焼の柿右衛門のオレンジで、ヨーロッパに輸出されて評価されていたことから、日本の認知症支援や対策が世界に広まってほしい、ということだそうです。あとはオレンジが「助ける」という意味合いがあるらしいですね。
地域ケア会議とか見守り制度とか「やってる感」をアピールすることで終わりにしないでほしいですね。
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