現在読んでいるトム・クランシーの本がなかなか前に進まず(面白くない
わけではないんですけど)、ちょっと中断して他の本を読んでみました。
去年でしたか、はじめて鷺沢萠の作品を読んで(じつは「鷲沢萌(わしざわ
もえ」だとずっと思い違いしてました)はやく2冊目を読もう読もうとして
いるうちに時間はだいぶ経ってしまいました。
この『葉桜の日』は芥川賞の候補に選ばれた、初期のころの作品。
都内でレストラン3店を経営する志賀さん。その志賀さんに引き取られた
ジョージという青年。名前は”ジョージ”ですが、別に英語圏の国出身と
いうわけではなく、幼い頃、本人の曖昧な記憶では4~5歳で志賀さんと
暮らしはじめます。どうして養子になったのかも記憶が定かではなく、
現在は志賀さんのレストランで働いています。
本名は「賢祐(まさひろ)」というのですが、周りの人は自分のことを
ジョージ以外には呼ばないし、自身も自分の名前を「志賀ジョージ」と
しています。
さて。話は明美さんという社員の結婚式があって、その帰りの車の中から
はじまります。
”おじい”と志賀さんが呼ぶ、昔お世話になった方から、知り合いがまだ
若いのに倒れたという話を聞き、志賀さんはびっくり。
そんな話をいていますが、急に志賀さんがトイレに行きたくなり、”おじい”
のやってる川崎にある弁当屋に寄らせてもらうことに。
志賀さんは川崎出身なのですが、ジョージは志賀さんの川崎時代のことを
よく知りません。
そのことをジョージは明美さんとの会話の中でさりげなく出したのですが、
ちょっとした話しか分からず、なんとなく「訊いてはいけないことなのかも」
と感じます。
さて、倒れたという志賀さんの知り合いが亡くなり、葬式の帰り、”おじい”
は志賀さんに「たまには”ロクさん”のところに顔出してやんなよ」と言います。
どうやら、ジョージもあったことがある人のようですが、憶えはありません。
車を出して、行き先は、志賀さんが語りたがらない、川崎。土手の下にある、
板や葦簾で囲われた屋台のような店に志賀さんはジョージを連れて中に入ります。
中にいた女性がそうやら件の”ロクさん”で、志賀さんは「ね、このコ賢祐よ、
わかる?」と・・・
ジョージは志賀さんに引き取られる前は、ロクさんに育ててもらったそうです。
そこで、ジョージの頭に浮かんできた疑問。自分は誰の子なのか?
後日、ジョージは”おじい”に呼び出されます。用件は、自分が死んだ時に
着る死装束で、真っ白の上等な羽二重が着たいので、探してくれと頼みます。
どうやら”おじい”の着たがってる生地は、今ではそう簡単には手に入らない
ということが分かり、その帰り、家に戻ると明美さんからの手紙が・・・
登場人物のセリフ運びが巧いというか、人物設定をそんなに細かくは説明してない
のに、「こんな感じの人だな」と想像できる、ムダを省いた描写。
この人の文から滲み出てくる色彩というか空気感は、清涼と思いきやほろ苦く
もあり、面白いですね。
もう1作「果実の舟を川に渡して」は、横浜にある、オカマの優梨花ママの店
で働く健次という青年の話。こちらも面白い空気感。
わけではないんですけど)、ちょっと中断して他の本を読んでみました。
去年でしたか、はじめて鷺沢萠の作品を読んで(じつは「鷲沢萌(わしざわ
もえ」だとずっと思い違いしてました)はやく2冊目を読もう読もうとして
いるうちに時間はだいぶ経ってしまいました。
この『葉桜の日』は芥川賞の候補に選ばれた、初期のころの作品。
都内でレストラン3店を経営する志賀さん。その志賀さんに引き取られた
ジョージという青年。名前は”ジョージ”ですが、別に英語圏の国出身と
いうわけではなく、幼い頃、本人の曖昧な記憶では4~5歳で志賀さんと
暮らしはじめます。どうして養子になったのかも記憶が定かではなく、
現在は志賀さんのレストランで働いています。
本名は「賢祐(まさひろ)」というのですが、周りの人は自分のことを
ジョージ以外には呼ばないし、自身も自分の名前を「志賀ジョージ」と
しています。
さて。話は明美さんという社員の結婚式があって、その帰りの車の中から
はじまります。
”おじい”と志賀さんが呼ぶ、昔お世話になった方から、知り合いがまだ
若いのに倒れたという話を聞き、志賀さんはびっくり。
そんな話をいていますが、急に志賀さんがトイレに行きたくなり、”おじい”
のやってる川崎にある弁当屋に寄らせてもらうことに。
志賀さんは川崎出身なのですが、ジョージは志賀さんの川崎時代のことを
よく知りません。
そのことをジョージは明美さんとの会話の中でさりげなく出したのですが、
ちょっとした話しか分からず、なんとなく「訊いてはいけないことなのかも」
と感じます。
さて、倒れたという志賀さんの知り合いが亡くなり、葬式の帰り、”おじい”
は志賀さんに「たまには”ロクさん”のところに顔出してやんなよ」と言います。
どうやら、ジョージもあったことがある人のようですが、憶えはありません。
車を出して、行き先は、志賀さんが語りたがらない、川崎。土手の下にある、
板や葦簾で囲われた屋台のような店に志賀さんはジョージを連れて中に入ります。
中にいた女性がそうやら件の”ロクさん”で、志賀さんは「ね、このコ賢祐よ、
わかる?」と・・・
ジョージは志賀さんに引き取られる前は、ロクさんに育ててもらったそうです。
そこで、ジョージの頭に浮かんできた疑問。自分は誰の子なのか?
後日、ジョージは”おじい”に呼び出されます。用件は、自分が死んだ時に
着る死装束で、真っ白の上等な羽二重が着たいので、探してくれと頼みます。
どうやら”おじい”の着たがってる生地は、今ではそう簡単には手に入らない
ということが分かり、その帰り、家に戻ると明美さんからの手紙が・・・
登場人物のセリフ運びが巧いというか、人物設定をそんなに細かくは説明してない
のに、「こんな感じの人だな」と想像できる、ムダを省いた描写。
この人の文から滲み出てくる色彩というか空気感は、清涼と思いきやほろ苦く
もあり、面白いですね。
もう1作「果実の舟を川に渡して」は、横浜にある、オカマの優梨花ママの店
で働く健次という青年の話。こちらも面白い空気感。
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