晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジェフリー・アーチャー 『15のわけあり小説』

2017-02-16 | 海外作家 ア
この作品は短編集で、ジェフリー・アーチャーといえば人物一代記(サーガ)
が代表とされると思うのですが、短編もバツグンに面白いのです。

まえがきによりますと、15の話のうち10は事実にもとづいた話、ということ
になっていますが、確かに文中で「こんな話を聞いた」といったような書き出し
があります。ただし、どれくらい話を”盛って”いるか(演出の範疇で)は分か
りません。

身分違いの恋人にそそのかされて宝石泥棒の片棒を担ぐことになった「きみに
首ったけ」。

百歳の誕生日を迎えた夫は女王陛下からの祝電に心躍りますが、三つ年下の妻が
百歳を迎えた時に祝電が来ない「女王陛下からの祝電」。

火災保険で働く男の初仕事「ハイ・ヒール」。

目の不自由な男がカフェで隣に座った女性を想像する「ブラインド・デート」。

ある看護婦のサクセスストーリー(?)「遺書と意思があるところに」。

ダイヤ泥棒が刑務所で”ある約束”をする「裏切り」。

骨董屋とスター歌手の「私は生き延びる」。

ドイツの画家とそのパトロンの不思議な話「並外れた鑑識眼」。

あるゴルファーの話「メンバーズ・オンリー」。

名門一家に生まれるも口が災いして閑職においやられた外交官「外交手腕のない
外交官」。

スペインのマジョルカ島で不動産で一旗揚げようとするアイルランド人の話
「アイルランド人ならではの幸運」。

マンションに住む隣人は人殺し、それともテロリスト?「人は見かけによらず」。

一代で大銀行を築いた頭取が死神とサインを交わす「迂闊な取引」。

イタリアの田舎を旅行するイギリス人「満室?」。

インドでの、マハラジャ(王族)の息子が家を捨てて恋人といっしょになる
「カーストを捨てて」。

どれもこれも思わずニヤリとして、まさに「それには、わけがある」ですね。


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