晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

リチャード・マシスン 『アイ・アム・レジェンド』

2012-08-02 | 海外作家 マ
この作品は、もとは「地球最後の男」という題で翻訳されて、また最近ですと
(最近といっても2007年)ウィル・スミス主演で映画になった原作。

謎の病気が人類をほぼ絶滅に追いやってしまい、ロバート・ネヴィルだけが
無事に生き残ります。
その病気とは、感染した人間が死に至り、やがて吸血鬼となって蘇り、生きて
いる人間を襲うのです。
なぜ、こんな病気が蔓延したのか。原因はまったくわからず、生き残ったネヴィル
の家に毎夜、襲いかかってきます。
「出てこい、ネヴィル!」
ドアを激しく叩く音、そいつの正体はかつての同僚で友人のベンだったのです・・・

”毎夜”というのがカギで、吸血鬼になってしまった奴らは、昼どきには襲って
こないのです。
ネヴィルは家の周りにニンニクをたくさんぶら下げておきます。これも奴らを家に
近づかせないために効果があります。

他にも、杭で心臓を貫くと死ぬ、または十字架を見せると苦しむ、といった、まさに
伝説の吸血鬼の対処方法で、ネヴィルはなんとか生き延びています。

家じゅうの窓を板でふさぎ、電気の供給はストップしているので発電機で冷凍庫や
明かりをつけて、食料は冷凍食品や缶詰。

さて、このままではどうにも終わりのない恐怖が続くので、彼らが吸血鬼になった
原因を突き止めようと研究を始めます。

杭で心臓を刺して死ぬのもいれば、銃で撃っても死なないのもいます。この違いは
何なのか・・・
そして、ほんとうに生き残ったのはネヴィルだけなのか・・・

周りに誰もいなくなって、さらに毎夜に化け物が襲いかかってくる恐怖。ネヴィルは
酒を飲みまくって、人肌さみしさに女性を欲しますが、いたとしても相手は吸血鬼。
病気になったら助けてくれる人はいないので、特に虫歯には気をつけて歯磨きは念入り。
ここらへんの日常や心理の描写がじつに細かく、たんに正体不明の怪物に襲われる
だけではない怖さが身にしみます。


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