おばあちゃんに再会したのは、5月の始め。
『ジュリー』を連れて団地の中を散歩途中、
以前と同じく、おばあちゃんは知人と立ち話をしていた。
私が近付くと、いつものように
「猫が好きなの?この子は家族以外に直ぐ愛想良く付いて行くのよ。」
と、以前会った時と同じ台詞を言う。
やはり私の事は憶えていないようだ。
引越してだいぶ経つし、おばあちゃんにはそんなに頻繁に会っていなかったし。
おばあちゃんはこの団地に越してきて40年近く猫を切らした事がない。
40年前、夫を亡くして以来の事だ。
歴代の猫達は、おばあちゃんの傍らで家族の暮らしと成長を見守って来たのだろう。
良い事も、悪い事も、
亡くなったご主人の代わりに。
たとえ先に逝く事があっても姿や形を変え、
再び猫としておばあちゃんの元へやって来ていたのではないかと思う。
大切な人(おばあちゃん)に、また会う為に。
それを証拠に、おばあちゃんは猫の名前を適当に呼ぶのだ。
おばあちゃんは84歳。『ジュリー』はもう直ぐ5歳。
続いてゆく全ての事が、永遠じゃない事くらい解かっている。
でも、数えきれない未来と、数え足りない思い出は
同じ重さでそこに在る。
今日は何位??
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