その絵本と出会ったのはつい最近の事だった。
荒野を彷徨ううちに空腹で力を無くした悪魔が、一人のジプシーの少女と出会う。
悪魔はジプシーの少女を隙あらば食べてやろうと思っていた。
悪魔が置いていった毒入りリンゴを、
少女はおじさん(悪魔)のためにとっておこうと考える。
少女の純粋な心に触れ、心の悪も魔法も失い悪魔が悪魔ではなくなってしまう。
このお話の凄い所は、「悪い奴」であるはずの悪魔が
「可哀想な奴」に変わってしまう事。
良い事と悪い事の間に
割り切れない何かを子供の心に伝えようとしている様で
大人の長い言い訳の様な、何だか切ないお話だ。
でも、そんな事は子供の方が良く知っているのかもしれない。
誰かの幸せの為には、誰かの犠牲は付きものだという事。
純粋である事は、時に残酷に成りうる事。
元来、役回りと言うものは決まっている事。
悲しい事は、いつでも何時でもやってくる事。
それを和らげたり紛らすのは「時」しか無い事。
これは、悪魔が可哀想だと涙する子供を
「感受性の強い子だ」と思いたい大人の為の物語ではないかと思う。

毒は薬にもなる。
自分の毒で体を清めたら薬になったというお話か?
いやいや、深読みしてはいけない物語もある。
全然感想文になっていない私の文章だが、
貴方の物語は、続いていますか?
今日は何位??
