日中、買い物へ出た。
うす曇の天気だったが、傘は持たずに。
いつもの公園で『直人』達に会えるかと思って
寄ってみた。
誰も居ない。
諦めて帰ろうとしたら駐輪場の自転車の籠から物音がする。
覗き込むと『柚』が寝起きの顔でこっちを見ていた。
すると、駐輪場の横の木から『チビ』が駆け下りて来た。
「何だ、そこに居たのか」
懐こくなった『柚』の頭を撫でていると
足元に『チビ』がまとわり付いて来た。
珍しい事もあるもんだ。
嬉しくなって暫く遊んでいると雨が降り出した。
駐輪場には屋根があるので、雨宿りは出来るが
いつまでもその場に居る訳にもいかず、
もう少し雨が弱くなってから…と思って『チビ』と遊ぶ。
一向に止む気配の無い雨はどんどん強さを増して行く。
雨の強さに比例する様に『チビ』のグルグルが加速する。
まるで「雨なのに来てくれて有難うね。」って
必死で言ってるみたいだ。
今まで近付こうものなら「シャーシャー」威嚇していたのに
どうしたものかと思っていた。
今になって思えば、あの日を最後に『柚』は公園から居なくなった。
『チビ』も淋しかったんだと思う。
猫なりに、『柚』を連れて行く気配を感じたんだろう。
そう思うと、何だか足元の『チビ』が切なく思えた。
変化は『チビ』だけじゃない。
『直人』も以前は『チビ』や『柚』が近付こうものならば
「シャーシャー」言っては威嚇し合って決っして仲良くはなかった。
それなのに、今ではお互いの存在を認めているようだ。
『チビ』が近寄っても威嚇しなくなった。
新参者の頃は仲良くなくても、同じ釜の飯を食べ
次第に気心も知れて仲良くなるのは人も同じ。
だから、いつも別れは悲しいのだ。
人も猫も。
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