きっと明日は雨のち晴れ

六甲道診療所での仕事は忙しいけど、それなりに楽しい。ちょっとくじけそうなことがあっても、雨のち晴れです

自然に健康になれるという、本当の意味

2024-06-23 21:53:58 | 診療
花たばの20周年シンポジウムによばれて、やむなく出席したけど、
やっぱ、私には荷がおもすぎました。
原稿を用意していったけど、やはり、こなれていないものは、ちゃんとしゃべれないということか
以下、ネタバレ原稿、、もうわすれます

::::::::::::::::::::

20年ということですが、あまり医療生協でも話題になっていないことをお話させていただきます。
みなさん、健康日本21 ということをきいたことはありますか?

「21世紀によける国民健康づくり運動」(健康日本21)のことで、2000年度にはじまり、ほぼ10年ごとの改正をへて、今年4月から第3次がはじまっています。
最初の10年は 個人の生活習慣を主な検討対象とした。適正な体重、バランスのとれた食習慣、塩分、運動習慣などの目標をかかげて、皆さんにもなじみのある「メタボ」健診と保健指導などの健康教育がすすめられました。
次の10年では、健康寿命をのばしましょう、癌や循環器疾患での死亡率を減らそうという指標に関してはある程度達成できている部分もありましたが、 肥満や減塩、食生活、運動といった生活習慣については、さっぱり改善されることはなかったという評価でした。むしろ悪化していたのでした。健康に関心の薄い層が増え、関心、知識はあっても、実践できない層が増えたり、その根底には健康格差社会がひろがった、まさに失われた20年がここにもあったのではないでしょうか

でも、まんざらでもない、今回の第3次では健康づくりには個人の努力も大事ですが、社会環境を整えることが大事である。 社会環境という基盤の上に個人の行動があるという関係性が明確にしめされたということです。
そんなん、昔から私たちは言っていたんじゃないかなという今更感ですが、
それでも、「誰一人取り残さない健康づくり(inclusion)を実現するために、「自然に健康になれる環境づくり」 が戦略として掲げられ、健康づくりの標的が、個人から社会環境へと広がってきた

社会環境の質の向上の3つの柱
1) 社会とのつながり、こころの健康の維持
 いつでも一人になれる、いつでもだれかにあえる、いつでも誰かにまかせられる
 という花たばのスローガンはここに生きてくる
2) 自然に健康になれる環境づくり とくに食生活
 製造業、産業界のとりくみ 消費生協の役割もありそう
3)いごこちよく歩きたくなるまちづくり

自然にとか、いごこちよく といった言葉には 「ねばならない」「○○しましょう」というのとは
まったく真逆の意味しかないのです。なにもしなくて、健康になれるなんてことはない、
でも何かをしなくても、せんでも健康になれる、、そのためには、、、基盤をかえなければならない
この言葉には、、、
社会環境基盤をそうなるようにしていきましょうというメッセージになっているのではと考える
健康日本21としては画期的といえよう


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする