天使のエナジー

「すべてなるものの源」への、愛の告白

「転生者」の記憶

2009-10-09 21:54:44 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『転生者オンム・セティと古代エジプトの謎』
(ハニー・エル・ゼイニ×キャサリン・ディーズ著、
田中真知訳、学習研究社)

私には、前世というもののはっきりとした記憶はありません。

自分には前世、というものがあるのかどうかも、本当のところは、
わかりません。(以前、その一場面かもしれないと思うほどリア
ルな夢を見たことはありますが…。)

でも、スピリチュアルなことに関心を向けるようになってからは、
輪廻転生というものはあるはずだと、考えるようになりました。

というのも、人の一生というサイクルは、魂の経験の場としては、
決して十分なものとはいえないと思うからです。

いえ、それよりも、魂は永遠・不滅の存在だと信じたいからです。

そんなことから、前世の記憶を持つという人の手記・伝記には、
自然と関心が向くんですね。

今日の本も前世の、しかも三千年前のそれの記憶を持っていた
といわれる女性をめぐるノンフィクションです。

その女性の本名はドロシー・ルイーズ・イーディー(1904~1981)。
イギリス出身の彼女は、三歳のときの階段からの転落事故をき
っかけに、自分の前世の記憶が甦ったといいます。

彼女の前世の舞台は古代エジプトの第19王朝、セティ1世の治
世(紀元前13世紀)。彼女はそこで、イシス女神の巫女として生
きていました。

そして、神に身を捧げる巫女という立場でありながら、時のファラ
オ、セティ1世と運命的な恋に落ちるのです。

この、エジプト時代の記憶は、イギリス人としての今生の彼女を
エジプトへと引き寄せ、ついには考古学界でその名(オンム・セ
ティ)を知られる存在になります。

さらに、そんな彼女のもとに、三千年の時を超えて、セティ1世が
姿を現して……

おっと、ここではこのへんにしておきましょう。ご興味のある方は
ぜひご一読を。

この本の作者、ハニー・エル・ゼイニはオンム・セティの友人であ
り、オンム・セティが生前、自分の前世の記憶と王との関係につ
いて打ち明けた、唯一の人物とのことです。

三千年前のファラオとの禁断の恋の記憶。そんな荒唐無稽とも
いえる話ができる相手を見つけるのは、そう簡単ではなかった
のでしょう。

確かに、輪廻転生が確実にあると証明することは不可能かもし
れません。

でも、この本に記されているオンム・セティの言動や日記の内
容を読むと、私の感想としては、これはとても「でっちあげ」で
はあり得ないし、単なる彼女の「思い込み」だとも思えない、と
言うしかないのです。

輪廻転生に対する考え方は、人それぞれです。

なかには、信仰する宗教自体が輪廻転生というものを否定して
いるため、たとえ関心があったとしても、この問題について考え
ることさえ放棄せざるを得ない人もあるでしょう。

ほんとうは、そういう人にこそ読んでもらいたい気がします。

私たちの「魂」はきっと、それを欲しているのです。