「好きで好きでたまらないこと」を見つければ、生きるパワーも
きっと倍増するはず。
そんな思いで始めた新カテゴリー、ロージーセレクション(6月
25日付)でしたが、あれからなかなか続きが書けないままにな
っていました。
これではいくらなんでも「コレクション」と呼ぶには無理があり
ますよね。
そこで、今日は意を決して第2弾をアップしたいと思います。
さあて、何を取り上げましょうか。(といって迷えるほど話題豊
富なわけじゃないけれど……。)
先回、チャオチャオのために歌う話の中でジャズのことを書いた
ので、今日もその流れでいきますか。
私の中では、ジャズって、好きな人は心底好きで、とことん詳し
い、スタイルにこだわる、そんなイメージがあります。
たとえば、好きなプレーヤーのアルバムは当然全部所有してい
て、アドリブの部分まで口ずさめるほど聴き込んでいる、というよ
うな具合に。
私ははっきり言ってそんなすごい愛好者じゃありません。
でも、ジャズのピアニストを一人選べと言われたら、即座にこの
人、と答えるでしょう。
それは、ビル・エバンス。
なぜでしょう。自分でもうまくは説明できないですね。たとえば
オスカー・ピーターソンも文句なく素敵だし、エロール・ガーナー
だって彼ならではの雰囲気があると思うけれど……。
やっぱり、ビル・エバンスのスタイルが「性に合っている」という
言い方が、一番しっくりくるような気がします。
こんなふうに書くと、彼の作品をいかにもたくさん聴いている
ようにきこえてしまうけど、なんのなんの。
私のビル・エバンス好きを決定づけたのは、たった1枚のアル
バムだったのでした。
そのタイトルは、“Waltz for Debby”(写真はそのカバー。)
piano:Bill Evans
bass:Scott LaFaro
drums:Paul Motian
このトリオによる演奏です。
このアルバムは1961年にニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガ
ードというライブハウスで録音されたものですが、実はエバン
スは生涯このアルバムが嫌いだったという噂話があるとか。
(『名演!Modern Jazz』講談社、1987、14頁)
その理由は、聴き手であるお客のおしゃべりやグラスの音な
どの雑音に腹を立てていたから、という説がありますが……
一曲目の“My Foolish Heart”の出だしのあの落ち着きと清明
さは、「いらだち」という感情の対極にあるような気さえするので
す。
私はおそらく、この一瞬だけで心を持っていかれてしまったの
かも。
その他の収録曲も好きです。曲名をリストアップしてみると……
① My Foolish Heart 4:56
② Waltz for Debby (take 2) 7:00
③ Waltz for Debby (take 1) 6:46
④ Detour Ahead (take 2) 7:35
⑤ Detour Ahead (take 1) 7:12
⑥ My Romance (take 1) 7:11
⑦ My Romance (take 2) 7:13
⑧ Some Other Time 5:02
⑨ Milestones 6:37
⑩ Porgy (I Love You, Porgy) 5:57
なんと、おもしろいことに、同じ曲が2回収録されているのが3曲
もあるんです。
こんな形式のアルバムって、珍しいんじゃないでしょうか?(ジャ
ズに詳しい方、教えて。)
2曲目から7曲目まで、同じ曲が2回ずつ繰り返されるわけです。
ふつうなら飽きがきそうですよね。
でも、私は不思議とこれが、全然気にならなくて、かえって心地よ
く耳に入ってくるのです。
さて、果たしてこんな心地よさを与えてくれる演奏を収めたアルバ
ムを、ビルはほんとうに嫌いだったのでしょうか。
そんなことを時折思いながら、私はこのアルバムを聴いています。
そうそう、こんな試みはどうでしょう。
テイク1とテイク2を聴き比べながら、ビルがその時どんな思いだ
ったのか、どんな感情を抱いてピアノのキーをたたいていたのか
を想像してみるのです。(テイク1とテイク2の演奏時間の微妙な
違いにも注目して。)
ちなみに私がWaltz for Debbyを目を閉じて聴いてみたときは、
テイク2の冒頭で赤い色が見えた後、テイク1の終わりまで、濁
った淡いオレンジと薄紫色が見えていました。でもこれがビルの
気持ちを表しているのかどうかは、なんとも言えません。
エネルギーが読める人なら、ビルの気持ちの動きも、すぐわかる
かもしれませんね。
もしそれがわかる方がいたら、ぜひともコメントをください。
そうそう、ビル・エバンスのアルバムといえば、ソロで出してい
る“ALONE”もおすすめ。
秋の空気が、とても似合いそうです。
きっと倍増するはず。
そんな思いで始めた新カテゴリー、ロージーセレクション(6月
25日付)でしたが、あれからなかなか続きが書けないままにな
っていました。
これではいくらなんでも「コレクション」と呼ぶには無理があり
ますよね。
そこで、今日は意を決して第2弾をアップしたいと思います。
さあて、何を取り上げましょうか。(といって迷えるほど話題豊
富なわけじゃないけれど……。)
先回、チャオチャオのために歌う話の中でジャズのことを書いた
ので、今日もその流れでいきますか。
私の中では、ジャズって、好きな人は心底好きで、とことん詳し
い、スタイルにこだわる、そんなイメージがあります。
たとえば、好きなプレーヤーのアルバムは当然全部所有してい
て、アドリブの部分まで口ずさめるほど聴き込んでいる、というよ
うな具合に。
私ははっきり言ってそんなすごい愛好者じゃありません。
でも、ジャズのピアニストを一人選べと言われたら、即座にこの
人、と答えるでしょう。
それは、ビル・エバンス。
なぜでしょう。自分でもうまくは説明できないですね。たとえば
オスカー・ピーターソンも文句なく素敵だし、エロール・ガーナー
だって彼ならではの雰囲気があると思うけれど……。
やっぱり、ビル・エバンスのスタイルが「性に合っている」という
言い方が、一番しっくりくるような気がします。
こんなふうに書くと、彼の作品をいかにもたくさん聴いている
ようにきこえてしまうけど、なんのなんの。
私のビル・エバンス好きを決定づけたのは、たった1枚のアル
バムだったのでした。
そのタイトルは、“Waltz for Debby”(写真はそのカバー。)
piano:Bill Evans
bass:Scott LaFaro
drums:Paul Motian
このトリオによる演奏です。
このアルバムは1961年にニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガ
ードというライブハウスで録音されたものですが、実はエバン
スは生涯このアルバムが嫌いだったという噂話があるとか。
(『名演!Modern Jazz』講談社、1987、14頁)
その理由は、聴き手であるお客のおしゃべりやグラスの音な
どの雑音に腹を立てていたから、という説がありますが……
一曲目の“My Foolish Heart”の出だしのあの落ち着きと清明
さは、「いらだち」という感情の対極にあるような気さえするので
す。
私はおそらく、この一瞬だけで心を持っていかれてしまったの
かも。
その他の収録曲も好きです。曲名をリストアップしてみると……
① My Foolish Heart 4:56
② Waltz for Debby (take 2) 7:00
③ Waltz for Debby (take 1) 6:46
④ Detour Ahead (take 2) 7:35
⑤ Detour Ahead (take 1) 7:12
⑥ My Romance (take 1) 7:11
⑦ My Romance (take 2) 7:13
⑧ Some Other Time 5:02
⑨ Milestones 6:37
⑩ Porgy (I Love You, Porgy) 5:57
なんと、おもしろいことに、同じ曲が2回収録されているのが3曲
もあるんです。
こんな形式のアルバムって、珍しいんじゃないでしょうか?(ジャ
ズに詳しい方、教えて。)
2曲目から7曲目まで、同じ曲が2回ずつ繰り返されるわけです。
ふつうなら飽きがきそうですよね。
でも、私は不思議とこれが、全然気にならなくて、かえって心地よ
く耳に入ってくるのです。
さて、果たしてこんな心地よさを与えてくれる演奏を収めたアルバ
ムを、ビルはほんとうに嫌いだったのでしょうか。
そんなことを時折思いながら、私はこのアルバムを聴いています。
そうそう、こんな試みはどうでしょう。
テイク1とテイク2を聴き比べながら、ビルがその時どんな思いだ
ったのか、どんな感情を抱いてピアノのキーをたたいていたのか
を想像してみるのです。(テイク1とテイク2の演奏時間の微妙な
違いにも注目して。)
ちなみに私がWaltz for Debbyを目を閉じて聴いてみたときは、
テイク2の冒頭で赤い色が見えた後、テイク1の終わりまで、濁
った淡いオレンジと薄紫色が見えていました。でもこれがビルの
気持ちを表しているのかどうかは、なんとも言えません。
エネルギーが読める人なら、ビルの気持ちの動きも、すぐわかる
かもしれませんね。
もしそれがわかる方がいたら、ぜひともコメントをください。
そうそう、ビル・エバンスのアルバムといえば、ソロで出してい
る“ALONE”もおすすめ。
秋の空気が、とても似合いそうです。