天使のエナジー

「すべてなるものの源」への、愛の告白

石榴

2013-04-29 17:56:23 | ロージー・セレクション
連休真っ只中の今日、いかがお過ごしですか。

実は今日は、先回予告した通り、ジオパシック・スト
レス防御用の製品を使用してみた感想を書こうと思
っていたのですが……

気分がすっかり休日モードになってしまったので、一
息入れる意味も込めて、ロージー・セレクションに変
更したいと思います。(このカテゴリーは実にほぼ3年
ぶり。)


昨日、街へ買い物に出かけました。

浄水器のフィルター、お茶の時間用のチコリコーヒー、
シャンプー、それに、ルームウェアとして着るカーディ
ガン……

そんな物を求めて、連休の街の歩行者天国の雑踏を
縫うように歩き回って、いささかぐったり。

その途中で、以前にも立ち寄ったことのある、お香の
お店へ。

実はついこの前まで、ここで選んだ水仙の香りのお香
を使っていたんです。

早春にぴったりの、若草の青みを含んだ清楚な香りが
お気に入りだったのですが……

季節が移って、もうそろそろかな……ということで、次の
香りを探そうと思っていたところでした。

そこで、同じお香屋さんのつくっている同じシリーズの並
んでいるコーナーの前で足を止め、サンプルの一つ一つ
の香りを嗅いでみました。

十種類くらいあって、どれもとても魅力的な香り。

今月の香の「藤」は上品な甘さでちょっとパウダリー。「茉
莉花」や「白桃」もとても惹きつけられたけれど……

「石榴」

今回は、これに決めました。

そうして持ち帰ったそのお香を、さっそく焚いてみました
よ。

みずみずしくはじけそうな、芳醇な甘酸っぱさがいっぱ
いで、果実味たっぷりの赤ワインを楽しむときにも似た
幸福感で、心が満たされるような感じ。

そういえば……

この香りに、ふとお気に入りのエッセイのことを思い出
したのでした。

その一部を、ご一緒にどうぞ。


 机に向かっている私に茶を持って来た妻が、去り際
に、
「ざくろがきれい」と、つぶやくのを聞いた。何を言うの
かと思い、顔を上げると、すぐ目の前の窓が、隣りの
家のざくろの花の咲いた枝で、ふさがるように一杯に
なっていた。若葉が柔らかく青く繁った中に、あかい
花が点々としている。その美しい色に夏と言う季節の
おごそかな誇りを存分に示しているように見えた。
炎のような花だが、暑い季節と、思いのほか、よくう
つる。(後略)

(大佛次郎「ざくろの窓」、『ちいさい隅』所収、六興
出版、1985)


すぐ目の前に、枝もたわわに花をつけた石榴に気づか
ぬほど、作家は言葉の糸をつむぐのに気を集めていた
のでしょう。

この大佛次郎の随筆集は、私にとって、まるで懐かしい
伯母の形見の指輪をおさめた宝石箱のような一冊。

今でも時々思い出しては、書棚から取り出してながめて
います。

ざくろを書いたこの一篇は、早くも夏のほてりの中へと
私をいざなってくれました。


ジオパシック・ストレスを知るための糸口

2013-04-27 20:41:00 | ジオパシック・ストレス
<今日の一冊>(写真の本)
『ドイツ振動医学が生んだ新しい波動健康法 日本
に上陸したバイオレゾナンス・メソッドのすべて』
(野呂瀬 民知雄著、ヴィンフリート・ジモン監修、
現代書林、2003年4月)
(現在、新本では入手できないようですが、Amazon
などから中古品として入手可能です。)

先回で終った、ガンに「ありがとう」のシリーズを
通読してくださった皆さんに、改めて「ありがとう」
の言葉をおくりたいと思います。

さて、最終回(14)は、ガン体験後の私のエネルギ
ーに関わる変化について書きましたが、長くなり過
ぎるのを避けるため、少し説明が足りないところが
あったかもしれないと感じています。

特に、ジオパシック・ストレスという現象についての
部分は、日本ではまだ一般に認知されていない状
態なので、どうもピンとこないと思われた方もいらっ
しゃるでしょう。

そう思われた方のために、ジオパシック・ストレスを
知る糸口になりそうな本をご紹介します。

本書の内容は、タイトルに「ドイツ振動医学」とある
ように、ドイツの振動医学(バイオレゾナンス・メソ
ッド)の原理と普及状況の報告になっています。

「振動医学」とは、簡潔に言えば「波動的に人の身
体に働きかけることで、その生命力を引き出し、整
えていく新しいセラピー」(本書、1頁より)だと説明
できます。

つまり、目に見えないエネルギーによって引き起こ
されるジオパシック・ストレスに対し、それを中和す
る波動を持つエネルギーを当てることで、その症
状を緩和、解消できる可能性があるのです。

(もちろん、ジオパシック・ストレスに関係のない病
気の治療にも有効なセラピーです。)

日本では正規の医療行為とは認められていませ
んが、ドイツではこの振動医学を臨床に取り入れ
ている医師も珍しくなく、これを活用している医療
関連の施設は「5000か所」にのぼるそうです。(同、
17頁。)(この数字は本書出版時のデータです。)

ドイツには、振動医学を推進する団体(ドイツ振動
医学推進協会)がありますが、本書著者の野呂瀬
氏はその日本支部の関係者であり、振動医学の
治療に使用する専用機器の製造元、レヨネックス社
(ドイツ)の輸入販売に携わっています。(社名はベ
レンクラフト社)

レヨネックス社の製品は、私自身もここ数年間、実
際に使用し、その効果を観察していますが、それに
ついての感想は、次回に書きたいと思っています。

こういう目に見えないものは、どうしても胡散臭い
印象を持ってしまいがちだと思いますが……

ろくに調べもしないで判断するのは早過ぎると思
います。

興味がなければ、関わらなければいいでしょう。

でも、興味があるのなら、例えば本書を読んで、
自分のできる範囲で効果を検証してみてくださ
い。

評価・批判は、その後でも遅くありません。


なお、同じく中古品として入手できる類書に、

『最新ドイツ波動健康法 見えない力で身体を守る』
(ヴィンフリート・ジモン著、現代書林、2008年6月)

があります。


ご参考までに

ドイツ振動医学推進協会 日本支部
http://www.shindo.ne.jp/index.htm


ガンに「ありがとう」(14)

2013-04-20 21:11:09 | ガンに「ありがとう」
C病院での手術によって大腸ガンの治療を終えた私
は、すぐに元の大学院生の生活に戻りました。

入院中に体験したあの、エネルギーが完璧な状態の
感覚は、驚きと強いインパクトをもたらしはしましたが、
ガンに別れを告げた時点では、その目に見えない世
界にそれ以上踏み込むことはありませんでした。

それはなぜかといえば、その時点ではまだ、宇宙の
エネルギーを受け取ることを、宗教と切り離して考え
ることができなかったからだと思います。

(当時は、気功というものがあることは知っていまし
たが、その他のレイキなど、宗教とは無関係のエネ
ルギーワークのことは、全く知らない状態でした。)

だから、手かざしのあの宗教に入信しないことを決
めた以上、エネルギーという見えない世界のことは、
頭から拭い去ってしまわなければならないような、
そんな気持ちになったのでしょう。

その代わりに、中断していた学生生活を再開し、専
攻分野の研究を続けるため、大学院の後期課程に
進むことにしたのです。

そして、その後は、一時休学して韓国で日本語教師
をしたり、また復学して論文を書いたりする日々を、
5年以上に亘って送ることになりました。

ただ、その間に、それ以前は全くなかった体の変調
が起き、それをきっかけに、またエネルギーのことに
目を向けざるを得なくなるのです。

その変調とは……

原因不明の慢性的な疲労・倦怠感
睡眠障害(眠りが浅くなり、悪夢にうなされる)
ひどい乗り物酔い
腸内異常発酵(ガスの発生)

などでした。

韓国に赴任中は、ものの十数分バスに乗るだけで
も気分が悪くなることが度々あり、出かけるのにと
ても不便な思いをしました。

帰国してから、大事な論文を書いている時期は、
引き続き乗り物酔いに加え、特別な理由がないの
にいつも疲れた感じがして体がだるく、ほんの少し
書いては横になって休む、といった状態でした。

それに加え、(恥ずかしい話ですが)おならがいっ
ぱい出て、腸内でいわゆる悪玉菌が異常に増え
ているのがわかりました。

なぜこんなことになったのか、しばらくは全くわか
らないまま、ずるずると過ごしていたのですが、
あるきっかけから、原因はこれだ、と直感したの
です。

それは、「ジオパシック・ストレス」というものでし
た。

これは、簡単に言えば、地下にある水脈や断層、
近隣の高圧電線などから発せられるエネルギー
が、健康被害の原因になるという現象です。

(これが原因ではと気づいたのは、フジテレビの
「奇跡体験!アンビリバボー」の中で「ジオパシ
ック・ストレス」が紹介されているのを見たからで
した。「ジオパシック・ストレス」については、この
ブログの同名のカテゴリーに記事がありますの
で、よろしければご覧ください。)

そういえば、帰国後、一連の症状が出始めたの
は、一人暮らしをしていた弟が仕事の関係で実
家に戻って来たため、寝室を別の部屋に変えた
後、しばらくしてからだったのです。

つまり、新たに寝室にした部屋の地下で、有害
なエネルギーが発生し、その影響を受けて体調
を崩したのだと推測できました。

(調べたところ、自宅で昔使っていた古井戸の水
脈が地下を走っている可能性があることがわか
りました。韓国でも、有害エネルギーの発生源に
なる何かが寝室の近くにあったのでしょう。)

原因がわかれば、あとは対処法を見つけるのみ。
私はインターネットで「ジオパシック・ストレス」の
解消法を探しに探しました。

その過程で、目に見えないエネルギーが人体に
いかに大きな影響を及ぼすか、改めて思い知ら
されました。(有害な周波数のエネルギーは、ガ
ンなどの重病の原因になる場合もあるようです。)


そして、エネルギーの周波数の違いによって、私
が手かざしによって体感したようなポジティブな反
応が起こったり、「ジオパシック・ストレス」のような
ネガティブな症状が発生したりする……

そのことが理解できたのです。

ガンに続いてまたも、一見ありがたくない「ジオパ
シック・ストレス」という現象のおかげで、とても重
要なことを学んだのでした。

ネットの検索から、「ジオパシック・ストレス」の対
処法もさまざまなものがあることがわかり、それ
を参考に、寝室を元へ戻し、有害な波動のエネ
ルギーを防ぐ機器を使い始めたところ、体調不
良がうそのように解消されてしまいました。

さらに、「ジオパシック・ストレス」をきっかけにク
リスタル・ヒーリングにも関心を持ち始めた私は、
マーガレット・ヴァンクープスさん考案の「クリス
タル・アキュパンクチャー/テラグラム・セラピー」
で、花粉症の症状が抑えられることを確かめまし
た。
(詳しくは当ブログの「花粉症」のカテゴリーをご覧
ください。)

そして、私にとって記念すべき2008年の7月、クリ
スタルの助けを借りて、それまで見えなかった青
紫・緑色の光や、「奇妙なエネルギーの球体」
(「globe of consciousness」とも呼ばれる)が、見える
ようになったのです。

この時のことは、このブログの始めに、「プロロー
グ~見知らぬ光の訪れ」というタイトルで書いてあ
ります。


もう一度、私のこれまでのエネルギーに関する気
づきの経緯を振り返ると、

大腸ガン(宇宙エネルギーを体感)(1998年)

ジオパシック・ストレス(2000~2007年、断続的に)

クリスタル・ヒーリング(2008年~)

この三つの体験が、大きな契機になっていることが
わかります。

これらはすべて、知識として左脳的に理解する要素
もありますが、それ以上に重要な要素は、実際に自
分の体でエネルギーを体感したということだと思いま
す。

ガンで入院中に、手かざしのエネルギーを体感した
時の感動についても書きましたが、花粉症に対処し
ようとクリスタル・ヒーリングのセルフ・ケアをした時
も、素晴らしい体験をしました。

その時、降りてきたエネルギーの本質は「愛」だと、
そう確信したのです。

そのわけを言葉で説明することはできないけれど……

ただ、ただ、そう感じたのです。
(ただしその「愛」は、人間の情としてのそれではな
く、宇宙的な意味での「愛」というべきものですが…
…。)


以上のような道筋を通って、目に見えないエネルギ
ーの領域に踏み込んだ私は、その後、自然とスピリ
チュアルな世界に意識をシフトしていきます。

その過程で、自分という存在の本質が、永遠に続く
「意識」そのものであると気づく、認識の大きな転換
が起こりました。

その認識の変化に伴い、肉体とライト・ボディ(肉体
の周りにある非物質的な身体)のエネルギーも、大
きく変化したと感じています。

そして、その変化の始まりは、あのガン体験にあっ
たと言っていいでしょう。


最後に、私を今ここへ導いてくれた愛すべきガンに、
このシリーズのタイトルと同じ一言を、感謝を込めて
贈りたいと思います。

「ありがとう!」


(このシリーズは今回で終ります。ここまで辛抱強く
お付き合いくださって、本当にありがとうございまし
た!)


ガンに「ありがとう」(13)

2013-04-13 16:15:35 | ガンに「ありがとう」
B病院に入院中に私が体験したあの、体に気が
満ちて、エネルギーが完璧な状態。

あれを私にもたらしてくれたルネさん、セドさん
とは、それ以来会う機会がありませんでした。

今でも、二人のおかげで貴重な体験をさせても
らったことに対しては、感謝の気持ちを忘れて
はいませんが……

今後、二人の所属する、あの宗教団体と関わり
を持つことはないと思います。

その理由は、彼らとは根本的な考え方において、
大きな違いがあるからです。

入院中に二人から入信を勧められた時、顕在意
識のレベルではまだ、そのことがわかっていませ
んでした。

でも、心にひっかかりというか、抵抗感のようなも
のを感じたことは確かに覚えていて、それはつま
り……

自分の中の「ワンネス」につながる部分では、そ
の違いがはっきりとわかっていたことの証なのだ
と思います。

その違いというのは……

例えば、彼らは、病気を治すエネルギーを受け
取るために、自分たちの宗教の信者になること
を勧めてきました。

でも、そうしなくても、エネルギーを受け取ること
はできるのです。

望みさえすれば、誰でも、いつでも、無制限に。

宇宙とは、そういうところだから。

事実、信者でない私でも、セドさんの手かざし
でエネルギーを受け取ることができました。

今は自分で毎晩エネルギー(「光の柱」)を降
ろしていますが、エネルギーを求めて、降りて
来なかったことは、これまで一度もありません。

(「光の柱」については、2013.2.26付でこのブ
ログに書いています。よろしかったら合わせ
てご覧ください。)

だから、特定の宗教の信者でなければ、とい
う条件付けは、この場合、意味がないといえ
ます。

さらに、信者になるということは、何を信じるか
ということについて、制限を受けることでもあり
ます。

当然、その宗教の崇拝の対象を信仰しなけれ
ばならないわけですが……

本来、信仰というものは一人ひとりでしか成し
得ないものだと思います。

だから、信者同士で同じ信仰を持ち続けるの
は土台無理なことなのです。
(村上春樹の『1Q84』のヒロイン、青豆が子供
時代に経験した苦悩は、ここに起因しています
ね。)

もっと極端なことを言えば、自分という、まとま
りがあるように見える存在も、実は一瞬と一瞬
の間の連続性はありません。

一瞬一瞬、変化していくのが当たり前で、何を
信じるかも、当然、刻々と変わっていきます。
(セドさんの手かざしの翌朝の私が、まさにそ
うでした。)

その変化は到底、規制することなどできない、
宇宙の根本的な性質であるはずです。

そこにたがを嵌めようとする宗教は、束縛や
抑圧、迫害の危険を常に抱えざるを得ませ
ん。

ここまで宗教のネガティブな可能性を書き連
ねてしまうと、それは「批判」なのではと言わ
れてしまいそうですね。

そう言われても仕方がないかもしれませんが
……

私は、宗教というもの一般も、ルネさん、セド
さんの信仰している特定の宗教も、決して妨
害したいわけではありません。

宇宙の中では、存在を許されているのだし、も
し必要だと思うなら、それを選択する自由も保
証されるべきです。

でも……

それを選択しない、という道もある。

そのことに気づく、きっかけにしてもらえれば、
そう思っているだけです。


今、ルネさん、セドさんがどうしているか、知る
すべはありませんが……

ここまで書いてきたことを考える機会を与えて
くれた二人に、もう一度、感謝を表したいと思
います。

ありがとう!


最後にもう一回だけ、ガン完治後の私のエネ
ルギーに関わる変化について、書いてみたい
と思います。


(あと一回で終わります。)

ガンに「ありがとう」(12)

2013-04-07 10:31:25 | ガンに「ありがとう」
さて、ここから、視点は今という瞬間の私に転換しま
す。

そして、前回までに書いたガン治療の体験を、その
視点で見つめなおしてみたいと思います。

その際の基本姿勢は、極力、「批判」しないこと。

そのわけは、宇宙では存在するものすべてが「ある
がまま」の状態を許され、受け容れられているから
です。

つまり、何事も、宇宙的な見方をすれば、「~でな
ければならない」ということは、一切ないのです。

それと同時に、あらゆる選択の自由が保証されて
いるともいえます。

それならば、ガン治療の過程で私がもし異なる選
択をしていたなら、どんなことが起きていたのか、
そう想像してみることは……

それは「批判」とは別のことでしょう。

そういう基本姿勢で、話を進めることにします。


まず、そもそも、ガン手術をしなくて済んだ道も
あったはずです。

すなわち、ガンと診断される9年前に、大腸ポリ
ープを内視鏡で切除した時、担当の医師から
受けたアドバイスを聞いて、きちんと定期検診
をしていれば……

開腹手術が必要なほど腫瘍が大きくなる前に、
内視鏡で切除できた可能性があるのです。

もしその選択をした場合は、痛みやもろもろの
苦痛をともなう開腹手術をせずにすみ、お腹に
傷をつけることもなかったでしょう。

寿命も、若干延びることになったかもしれませ
ん。

でも、その半面、手術を通して得た経験がすべ
て、なかったことになります。

その中にはいろいろなことが含まれますが、例
えば、お腹を切るってどんな感じがするかは、
実際に切ってみないと味わえません。

すすんで味わいたいと思う人はあまりいないと
思うけれど……

宇宙の根源である「ワンネス」の願望のリストに
は入っているはずです。

また、今でも交流が続いているリラさん、レオさ
んの二人と出会うことも、おそらくなかったでしょ
う。

さらに、ルネさんと知り合うこともなく、したがっ
て、手かざしによってエネルギー的に「完璧」
な状態の自分を体感することも、できなかった
はずです。

その二つのケースの他にも、選択肢は無数に
あって、もし例の下血がなかったら、ガンの発
見が遅れて、今ごろはこうして生きていなかっ
たかもしれません。

でも、もし死を迎えることになったとしても、そ
れは魂の移行であって、永遠の終りではない
と、私は信じています。

だから、それが「不幸」であると決めつけるこ
とはできません。

つまりは、どんな選択をして、どんな道をたど
ったとしても、宇宙的に見れば、どれがいい、
悪いということはないのです。

そういう前提の上で、今回の私がたどった道
を見つめてみると、あるいはこんなことがいえ
るかな、と自分としては思います。

今回のガン体験の中で、自分にとってとりわ
け重要な意味があると感じているのは、生命
エネルギーを実際に体で感じたことです。

文字の情報や、人から聞いた話と、実際に自
分の体で感じることは、全く別もので、その影
響力は比べようがありません。

もしあの時、もっと早くガンが見つかって内視
鏡で処置できてしまい、B病院に入院していな
ければ……

私はその機会、即ちエネルギーを自分の体で
感じる千載一遇の機会を逸していたかもしれ
ないのです。

その場合、こうして今、皆さんにブログを読ん
でいただくことも、なかったと思います。

もし、たった一人でも、このブログがあってよ
かったと思ってくださる方がいたとしたら、私
がガン手術を受けたことも、意味がちゃんと
あったわけですね。

だから、「何と言っても、健康がすべて」とは、
必ずしも言えないと思います。

ただ「健康」であること、それ自体に意味があ
るのではなく、そこから何が経験できるのか、
そのほうが重要です。

もちろん、今回の私の場合、ガンにならず健
康でいたとしたら、それはそれで、全く別の、
意味あることを体験したでしょう。

やっぱり、いい、悪いは、ないのです。


(もう少しだけ、続きます。)

ガンに「ありがとう」(11)

2013-04-04 17:48:03 | ガンに「ありがとう」
話を続ける前に、一つお詫びしなければならないこと
があります。

この記事の(3)と(4)で、地元の病院での検査入院
の期間を「一週間」と書いたのですが、当時の手帳
を見てみたところ、正しくは「二週間」でした。

(記事の記述は、すでに訂正させていただきました。)

てっきり一週間だと思い込んでいて、つい確かめる
のを怠ってしまったのですが、それほど、あっという
間に過ぎた印象が強かったのでしょう。

ともあれ、間違ったことをお伝えしてしまい、申し訳
ありませんでした。

なにぶん、15年も前のこと。細かいことはもう忘れ
てしまって、再現できないことも中にはありますが、
できる限り、起きたこと、感じたことをそのままお伝
えするように努めます。




さて、検査の結果、大腸ガン(部位は直腸)である
ことがわかった私は、外科手術でガンを切除する
ことになりました。

その手術をしたのは、実はまた別の病院でした。

自分なりに大腸ガン手術について調べたり、知人
から教えてもらったりした情報から、ガン治療の分
野で、より実績のある県外の病院のお世話になる
ことにしたのです。(場所は、たまたま大学の近く
でした。)

つまり、検査・治療で、三ヶ所の病院をハシゴした
ことになりますね。

わかりやすくまとめると、

A病院:バリウム注腸検査を受けた病院。アパートの近く。
リラさんが骨髄移植を受けた病院でもある。
B病院:検査で入院した病院。実家の近く。(ここでリラさん、
レオさんと知り合う。)
C病院:手術を受けた病院。大学の近く。

ということになります。

B病院を退院後、ひと月弱、自宅待機をしてから
C病院に入院、二週間ほどの準備期間を経て手
術の日を迎えました。

そして……

手術は無事、成功。

ガンはまだ初期の段階で、直腸を切除することに
なりましたが、幸い人工肛門の必要はありません
でした。

それに、転移も認められなかったので、抗がん剤
治療もせずにすみました。

手術後はきっちり二週間、口からの飲食は一切禁
止でした。水も飲めず、点滴のみで栄養補給。でも、
喉も渇かず、お腹もすきませんでした。(点滴で補っ
ているので当たり前ですが、不思議な気がしました
ね。)

外科手術を受けるのは初めてだったので、いろいろ
と物珍しいことが多く、ありがたいこととは言い難い
けれど、毎日興味深く感じることでいっぱいでした。

例えば、常時点滴を行うためのカテーテルを鎖骨下
の静脈に埋め込んだ時は、自分がまるでサイボーグ
になったような気分で、ちょっと愉快でした。

回復の途中では、排尿の管がなかなか外せず膀胱炎
になったりしましたが、全体的にみれば順調な経過を
たどり、術後27日で退院することができました。

開腹手術だったので、お腹にはかなり大きな跡が残り
ましたが、今は全く気になりません。

思い切って手術を受けて、本当によかったと思います。

これも、腕が確かで優しい主治医の先生や、優秀な看
護師さんたちのおかげだと、今も感謝しています。もち
ろん、検査をしてくださった病院の方々にも。

一方、リラさんも、骨髄移植を受けるため、B病院から
A病院へ転院したのですが……

またまた「偶然」なことに、移植の前に抗がん剤の投
与を開始した日付が、私がC病院に入院した日と同じ
でした。
 
やっぱり私たちは、何か深い縁があるようです。

こうして、リラさんと私、それにレオさんは、しばらくは
別々の場所で、それぞれの相手(病気)と向き合う時
間を過ごすことになりました。

退院後、一週間ほど実家で静養した私は、アパートに
戻ってから、骨髄移植を終えたリラさんの顔を見に、
A病院へ通いました。

毎日とはいきませんでしたが、実家から遠い病院で、
あまり訪ねて来る人がいない状況だったので、リラさ
んにとしては、知り合って間もない私とほんの短い間
話をするだけでも、心がなごんだかもしれません。

骨髄移植は簡単な治療ではないということだけは、
専門知識のない私にもわかりますが、リラさんの移
植に際しては、実際にこんなことがあったといいます。

担当の医師から、移植の成功率は40%と説明され、
死を覚悟したこと。

移植をするにあたり、抗がん剤で髪が抜けるので、
あえて坊主頭で挑んだこと。

そんな大変な移植を、リラさんは粘り強くやり抜きま
した。

そして、A病院に入院してから約5ヶ月、リラさんはめ
でたく退院したのです。

さらに、レオさんも、6ヶ月にわたる抗がん剤の治療
を終え、B病院を退院することができました。

レオさんの感想を聞いたところ、抗がん剤治療をし
ている間は、自分の体が薬漬けになっていると感じ
たし、空を飛べるかも?と感じたこともあったそうで
す。

ある意味で、極限を超えた身体感覚の経験とも言え
るかもしれませんね。

こうして私たち三人は、辛いけれどかけがえのない
経験を胸に、元の生活に戻っていったのでした。

おめでとう、私たち!(自分で言っちゃいました!)


私の大腸ガン治療の経緯は、以上の通りですが、
ここまでの内容は、できるだけ当時の私の視点で
書くようにしました。

その時の驚きや感動、とまどいや悲しみ……そう
いう諸々の感情を、当時の感覚でどんなふうに味
わったのか、まずはそれをできるだけ「生」のまま
でお伝えしたかったからです。

でも、もちろん誰のどんな体験も、その出来事が終
わってすぐに完結してしまうわけではありません。

私のガン体験も例外ではなく、今の私が出来上がる
うえで、大きな影響を及ぼしたと思います。

逆の言い方をすれば、今の私の視点からは、当時ま
だ見えていなかったものが見える、とも言えるので
す。

このシリーズを終える前に、そのことを書いてみたい
と思います。


(あと少しだけ、続きます。)