子どもの日も、あと1時間足らずで終わってしまいますが……
この日にふさわしいエピソードを一つ。
私は日本語教師をしているのですが……
同じ学校で授業をしている同僚の先生から、こんな話を聞き
ました。
あるクラスで、会話のテストをしたときのこと。
ロールプレイで、アルバイトのシーンをやったのだそうです。
学生が先輩の役で、先生が新入りさんの役。
そのとき、学生が、こう言ったのだとか。
「アルバイトのときは、かぶとをかぶってください。」
「......かぶと……?」
一瞬、えっ、と思った先生でしたが、すぐに、
(ははーん、「帽子」と間違えているな)
と気づきました。
(彼はゲーム好きの学生で、「かぶと」はその中で覚えた
らしい。)
ふつうなら、そこですぐに、「帽子のまちがいでしょう」と
学生に指摘してしまいがちなのですが……
その先生は、そうしなかったのです。
その代わりに、
「かぶとは持っていないので、他のものでもいいですか?」
そう学生にたずねたのだそうです。
話を聞きながら、あまりのおかしさに思わず「ぷっ」と
吹き出してしまいました。
でも、先生の対応の、何とすばらしいこと!
彼女は、あえて「他のもの」と尋ねることによって、学生
が自分で「帽子」という言葉をひねり出す可能性を残して
あげようとしたのです。
彼女のその機転のおかげで、学生は自分で、「帽子」に
たどり付くことができたのだとか。
そこで先生が「帽子」と教えてしまうよりも、それは何倍も
その学生の身になったにちがいありません。
彼女の話にお腹を抱えて笑いながら、こう思いました。
(学生の<可能性領域>を狭めない。そんな先生、
いいね!)
この日にふさわしいエピソードを一つ。
私は日本語教師をしているのですが……
同じ学校で授業をしている同僚の先生から、こんな話を聞き
ました。
あるクラスで、会話のテストをしたときのこと。
ロールプレイで、アルバイトのシーンをやったのだそうです。
学生が先輩の役で、先生が新入りさんの役。
そのとき、学生が、こう言ったのだとか。
「アルバイトのときは、かぶとをかぶってください。」
「......かぶと……?」
一瞬、えっ、と思った先生でしたが、すぐに、
(ははーん、「帽子」と間違えているな)
と気づきました。
(彼はゲーム好きの学生で、「かぶと」はその中で覚えた
らしい。)
ふつうなら、そこですぐに、「帽子のまちがいでしょう」と
学生に指摘してしまいがちなのですが……
その先生は、そうしなかったのです。
その代わりに、
「かぶとは持っていないので、他のものでもいいですか?」
そう学生にたずねたのだそうです。
話を聞きながら、あまりのおかしさに思わず「ぷっ」と
吹き出してしまいました。
でも、先生の対応の、何とすばらしいこと!
彼女は、あえて「他のもの」と尋ねることによって、学生
が自分で「帽子」という言葉をひねり出す可能性を残して
あげようとしたのです。
彼女のその機転のおかげで、学生は自分で、「帽子」に
たどり付くことができたのだとか。
そこで先生が「帽子」と教えてしまうよりも、それは何倍も
その学生の身になったにちがいありません。
彼女の話にお腹を抱えて笑いながら、こう思いました。
(学生の<可能性領域>を狭めない。そんな先生、
いいね!)