■(第30話)ひろがるスカイ!プリキュア「ひろがる海!ビーチパラダイス! 」感想
(「ひろがるスカイ!プリキュア」第30話より)
ソラシド世界の7割は海。驚愕の事実にソラさんは思った。海戦に備えて泳ぎを鍛えよう。
ソラさんのこういう尖った考え方、好き。
だけどその心持では泳ぎは身につかなかった。目的を見据えて身構えてやるよりも、楽しんで経験を積み重ねた方が身につくこともある。
序盤から描かれてきた、ひろプリさんの基本方針。
「7割が海だから海戦」の発想のズレも絶妙です。
私らの感覚では、海が多いとはいえ陸上での戦いが基本です。「7割」といっても平均的に点在してはおらず、居住空間が戦闘の場になるのは必然だからです。
これは逆も言えて、私らは「スカイランドは空ばかり」と聞くと「空中戦がありそう」と思ってしまう。多分ソラさんが聞いたら「確かにスカイランドは空が多いですけど、空で戦ったりはしないですよ」と言うかもしれない。
無意識の思い込みが表現された、地味に面白いすれ違いだったと思う。
「魔女の本拠地」「ナッツハウス前の池」「DX3」「あとまわしの魔女」などなどの事例も過去にはあったけれど。
スカイランド製の今期のプリキュアさんには、水中戦用の機能がついてないらしい。
【オールスターズ】
シュプリームさんが喋りました。そして激震。
全く想像していませんでしたが、シュプリームさんは男子の可能性があったのか。
改めて思えば、2人目の男子プリキュアを出すなら、このタイミングのようには思えます。
あるいは性別不明なままで解釈に委ねる方向か。
正直なところ、20周年のメモリアル映画にそういった論点を入れ込んでくるのは気持ちが悪い。
これは「男子だから」ではなく、「ゲストキュアが芸能人」とかと同種の話で、ぽっと出のその要素にフォーカスが当たってしまうと、プリキュアのこれまでが脇役のように感じてしまう。
男子プリキュアのような「他者とは異なる特徴」の扱い方としては、方向性はふたつある。
・それは特殊なことだから、違いを意識した展開にする。
・それは普通のことだから、違いを殊更には扱わない。
例えば「方言を話す初のプリキュア」である日野さんは、転入生というバックグラウンドを持ち、それ故に同じ転入生である星空さんや、留学生のブライアンに親身になることに説得力があった。
スタプリの天宮さんは、「花と笑顔で誰とでも仲良くなれる」という親から学んだ価値観が通じない相手もいる…という展開に「親がラテン系」なことが寄与していた。要は「狭い地域の狭い価値観だから通じない」のではなく、「グローバルで通じる絶対的に正しそうなことすら通じない」が大事だったので。
後者はヒープリの平光さんの母親不在。統計的には少数派であっても、異常でおかしなことではないのだから、理由だのは意図して省かれた。
(但し、平光さんの性格に影響を与えていそうなことは、何となくは示唆されている)
男子プリキュアの扱いは、ツバサくんを見るに後者のようです。
ただそのせいで「ましろさんは、知らない内に異性と同棲していた」「エルちゃんのおむつ替えをどうしているのか」といった生々しい問題を抱えてしまっています。
※蛇足ですが、ハグプリのはぐたんのおむつ替え問題は、タイムトラベルの考察ネタの一つになってる。
男子プリキュアが問題なのは「男がプリキュアになるなんて気持ち悪い」といった問題以前に、「抱き合ったりといったこれまで普通に行われてきた描写に制限がかかる(あるいは違和感がでる)」のように思えます。
そして何より、こういった本筋とは無関係なことに、一々意識が向いてしまうと集中できない。
(本筋と関係あるのであれば、前提となる「男女の違いを扱わない」と矛盾をきたしかねない。またはジェンダー問題がメインのテーマとなってしまう)
アンリ君の時も、本題である「解決不可能な制限により選択肢が狭まっても、未来は絶望に染まってはいない」ではなく、「初の男子プリキュア」のジェンダー問題として注目されてしまい、公式が困惑しています。
依然として「F」の意図も不明なままなこともあり、今回の映画は色々と不穏だ。
まぁこれ自体が、ひろプリさんの「目的はさておき今は目の前のことを楽しもう」に通じるのかもしれないけれど。
OPでも歌われている「変化と遊んで」の心意気。なかなか難しいな…。
(「ひろがるスカイ!プリキュア」第30話より)
ソラシド世界の7割は海。驚愕の事実にソラさんは思った。海戦に備えて泳ぎを鍛えよう。
ソラさんのこういう尖った考え方、好き。
だけどその心持では泳ぎは身につかなかった。目的を見据えて身構えてやるよりも、楽しんで経験を積み重ねた方が身につくこともある。
序盤から描かれてきた、ひろプリさんの基本方針。
「7割が海だから海戦」の発想のズレも絶妙です。
私らの感覚では、海が多いとはいえ陸上での戦いが基本です。「7割」といっても平均的に点在してはおらず、居住空間が戦闘の場になるのは必然だからです。
これは逆も言えて、私らは「スカイランドは空ばかり」と聞くと「空中戦がありそう」と思ってしまう。多分ソラさんが聞いたら「確かにスカイランドは空が多いですけど、空で戦ったりはしないですよ」と言うかもしれない。
無意識の思い込みが表現された、地味に面白いすれ違いだったと思う。
「魔女の本拠地」「ナッツハウス前の池」「DX3」「あとまわしの魔女」などなどの事例も過去にはあったけれど。
スカイランド製の今期のプリキュアさんには、水中戦用の機能がついてないらしい。
【オールスターズ】
シュプリームさんが喋りました。そして激震。
全く想像していませんでしたが、シュプリームさんは男子の可能性があったのか。
改めて思えば、2人目の男子プリキュアを出すなら、このタイミングのようには思えます。
あるいは性別不明なままで解釈に委ねる方向か。
正直なところ、20周年のメモリアル映画にそういった論点を入れ込んでくるのは気持ちが悪い。
これは「男子だから」ではなく、「ゲストキュアが芸能人」とかと同種の話で、ぽっと出のその要素にフォーカスが当たってしまうと、プリキュアのこれまでが脇役のように感じてしまう。
男子プリキュアのような「他者とは異なる特徴」の扱い方としては、方向性はふたつある。
・それは特殊なことだから、違いを意識した展開にする。
・それは普通のことだから、違いを殊更には扱わない。
例えば「方言を話す初のプリキュア」である日野さんは、転入生というバックグラウンドを持ち、それ故に同じ転入生である星空さんや、留学生のブライアンに親身になることに説得力があった。
スタプリの天宮さんは、「花と笑顔で誰とでも仲良くなれる」という親から学んだ価値観が通じない相手もいる…という展開に「親がラテン系」なことが寄与していた。要は「狭い地域の狭い価値観だから通じない」のではなく、「グローバルで通じる絶対的に正しそうなことすら通じない」が大事だったので。
後者はヒープリの平光さんの母親不在。統計的には少数派であっても、異常でおかしなことではないのだから、理由だのは意図して省かれた。
(但し、平光さんの性格に影響を与えていそうなことは、何となくは示唆されている)
男子プリキュアの扱いは、ツバサくんを見るに後者のようです。
ただそのせいで「ましろさんは、知らない内に異性と同棲していた」「エルちゃんのおむつ替えをどうしているのか」といった生々しい問題を抱えてしまっています。
※蛇足ですが、ハグプリのはぐたんのおむつ替え問題は、タイムトラベルの考察ネタの一つになってる。
男子プリキュアが問題なのは「男がプリキュアになるなんて気持ち悪い」といった問題以前に、「抱き合ったりといったこれまで普通に行われてきた描写に制限がかかる(あるいは違和感がでる)」のように思えます。
そして何より、こういった本筋とは無関係なことに、一々意識が向いてしまうと集中できない。
(本筋と関係あるのであれば、前提となる「男女の違いを扱わない」と矛盾をきたしかねない。またはジェンダー問題がメインのテーマとなってしまう)
アンリ君の時も、本題である「解決不可能な制限により選択肢が狭まっても、未来は絶望に染まってはいない」ではなく、「初の男子プリキュア」のジェンダー問題として注目されてしまい、公式が困惑しています。
依然として「F」の意図も不明なままなこともあり、今回の映画は色々と不穏だ。
まぁこれ自体が、ひろプリさんの「目的はさておき今は目の前のことを楽しもう」に通じるのかもしれないけれど。
OPでも歌われている「変化と遊んで」の心意気。なかなか難しいな…。