穴にハマったアリスたち

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(第20話)ひろがるスカイ!プリキュア「ましろの夢 最初の一歩」感想

2023年06月18日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第20話)ひろがるスカイ!プリキュア「ましろの夢 最初の一歩」感想

ひろプリにも人魚さんが登場しました。この調子でローラのゲスト出演や、ソラさんの人魚化とかにも期待したい。


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第20話より)

昔々のある日のこと、ましろさんは今日もいつもの如く過ごされていた。

エルちゃんから絵本を読めとせがまれ。
ソラさんのジョギングを見送り(同じ土俵でついていくのは止めたらしい)。
お気に入りの店で、なぜか店員さんにヘルプを求められ。
そこで見かけた絵本コンクールに応募することになり。
問答無用で画材を調達され。
もがいていたら、砂場で遊ぶエルちゃんがお友達とトラブったので、優しく介入しようとしたら拒絶され。

こうして羅列すると、確かに彼女は流され続けているように見える。
実際にはそうではなく、周囲もそのようには思っていなくても、ましろさんの主観としては、やっぱり思うところがあるのも分かるかも。

※本筋と外れますが、砂場での件は「ましろさんが砂山とか作って遊ぶ」が一つの解だと思う。意識を「スコップそのもの」から「砂山を作る」に誘導することで、スコップへの執着を減らせる。エルちゃんが自分からスコップを渡して「これで作れ」と言ってくる(絵本を渡してきたように)のも期待できます。

エルちゃんの件で閃いたましろさんは、一心不乱に取り組んでブランコの絵本を完成させました。大きなブランコ。みんなで乗ったら大きな虹も見られた。
森の中からライオンやらクマが集まってくるのは正直恐怖ですが、そこはご愛敬。

「これからも絵本を描きたい」とおっしゃってはいましたが、絵本作家になりたいというより、自身の「優しさ」を具体的な出力に繋げていく方向性のように思えます。
先日、玩具のスカイミラージュが視力・聴力がなくても楽しめるように設計されているのが話題になりました(参考:おもちゃ大賞公式ページ)。ましろさんの夢はこれに通ずる話に思われます。
「優しい」という漠然とした特性を、具体的な形にする発想は良いな。

以下、かなり語弊のある表現になります。
「ひろプリ」は20代前半(最初期の視聴者の現年齢)を想定している説でいくと、ましろさんは専業主婦/主夫や、家庭に比重を置いている共働きの方を意識しているようにも見えます。
初期のソラさんの「私が戦います、ましろさんは安全なところに」のやり取りや、突出した特徴的なスキル(〇〇職の国家資格□□のような)がないあたりも、それを連想します。

当然ながら主婦/主夫業は悪や劣っている人ではなく、劇中でもそのような描写はされていはいません。能力の上下ではなく、活躍している場所の違いです。
ただ当人が置き去り感を覚えるのは現実でも言われる問題で、その解答の切り口の一つが今回だったのかなと。

※「育児経験を活かして新商品の開発」などに限らず、「毎日の料理のレシピを残す」「子供のアルバムを作る」なども同様。実体化させると目標を持ちやすく、自信にも繋がる。

なお、これは公式に恋愛的な百合カップルを推奨しているといった主張ではありません。
職場における営業と事務職、スポーツのストライカーとパサー、バトルでの前衛と後衛にも当てはまるテーマを、20代前半の人が今後の進路として悩む「仕事と家庭」を通じて扱っているだけだと思います。
定番の「赤ちゃん」キャラもいるので、「主婦」のイメージに被せるのは自然な流れだと思う。

ついでに言えば、(しばしばひろプリの欠点とも言われる)「学校などの周囲との繋がりが薄い」「ソラ・ましろ組と、あげは・ツバサ組で分断されている」のも20代前半を想定しているからじゃないかな。学生時代と違い、新社会人だと皆でべったり仲良くとはならない。

更に、あげはさんとツバサくんが、いわゆるおねショタっぽく見えるのもこれの余波な気がする。

2人組と2人組に分けるとなったら、片方は元祖とも言える同年代女子として、もう片方は被らないように特徴をつけたい。
年上女子・年下女子は、同じくメモリアルシリーズのハグプリでやっている。ではいっそ男子キュアをこのタイミングで消化するかとなり、同年代女子と男子だと生々しく夫婦に見えてしまう(上記の主婦/主夫の印象がダイレクトすぎる)ので、年下男子になった。とか。

ゴリ押しというより、配慮しようとした結果じゃないかしら。まぁ「この要素は人気でそうだよね」の打算はもちろんあったにせよ。

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(第19話)ひろがるスカイ!プリキュア「 あげはとツバサ、カラフルにアゲてこ!」感想

2023年06月11日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第19話)ひろがるスカイ!プリキュア「 あげはとツバサ、カラフルにアゲてこ!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第19話より)

ラストシーン(画像)の軽やかさがとても印象的。
前回も感じましたが、ソラさんが随分と柔らかくなってるのが良いです。「みんなでやっている」だけでなく、ソラさんは本当に楽しそう。
あげはさんも気楽にあくびをしてるし、ツバサくんは何か苦戦してますけどそれも良し。
ほんの少し前まで、ここにはましろさんしかいなかったことを思うと、変化が胸に染みます。

居候しているあげはさんが、家事諸々を頑張っちゃうのは自然な流れ。ソラさんもそうだったように。
だけどそこは流石の「大人」。無理が発覚した時の切り替えが違う。

疲労で寝落ちした。それを見つかった。
そこで無理に頑張るのでも卑下するのでもなく、素直に「じゃあ頼ろうかな」と切り替える。

寝落ち。エルちゃんの手形のいたずら。バタフライバリアの限界。追加玩具の使い方が分からない。挙句には必殺技。

いずれも本来の「理想」とは違い、予定にもなかった事柄です。が、起きたら素早く切り替える。そして「実はこっちの方が良かった」にまで昇華する。

必殺技の火の鳥がプニ鳥になった時も、内心では「ヤベ、どうすんのコレ」と焦ったと思うんですよ。
でも一瞬の後には「これで踏みつぶそう」に切り替える。むしろこっちの方が私達らしいと前向きに。

現実でもめちゃくちゃ大事な要素なんですよね。
理想的な条件が揃い、理想的な展開で、理想的な結果になることなんてほぼない。そこに拘ると病んでしまう。
これは我慢や妥協とも違う。上手く切り替えて「こっちの方が良かった」と、より良い「理想」に自然に導く。

エルちゃんがいたずらをした。元々の予定にはなかったんだから、これは困った事態なのですけど、切り替えて絵に組み込む。
いざ切り替えてみれば、赤ちゃんの手形を使った方がずっと素晴らしかった。我慢でも妥協でもなく、軽やかにより良い未来に至っています。

あげはさんは今までも、言動にどこか幼さや未熟さが垣間見えていたのですけど、ご本人もそれを分かってて、気づいたら軌道修正できる方として描かれていたのか。
こういう人が最年長としてチームにいると、年下組は救われます。繰り返し書いてますが、ソラさんが自然に軽やかになってる。成り行き上リーダーっぽい立ち位置にいるソラさん、本来は妹分や後輩キャラでこそ活きると思うんですよね…。

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(第18話)ひろがるスカイ!プリキュア「アゲアゲ!最強の保育士キュアバタフライ!!」感想

2023年06月04日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第18話)ひろがるスカイ!プリキュア「アゲアゲ!最強の保育士キュアバタフライ!!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第18話より)

ここに至るまでは長かったけど、至ってしまえば早かった。
それもそのはず「プリキュア」なんて、なろうと思えばなれるものだ。

劇中人物のあげはさんの視点でいえば、ましろさん達の変身を見ています。設定でいえばましろさんもスカイランドの血を引いていますから、「特別」に見えなくもないですが、あげはさんはそういう思考はしないはず。必要ならばなる。なってみせる。

我々の視点で見ても、今やプリキュアは選ばれし伝説の存在ではありません。
あげはさんが変身することに異論なんてない。変身するべくして、変身した。

10周年の頃に問題になった「私たちはプリキュアになれるのか」も、今はもう「なって当然」「なった後に何を成すか」のように思えます。

「ひろプリは新社会人を意識している」説に則るなら、守られていた学生時代が終わり、守る側に回った描写とも。
新成人のあげはさんにぴったりの立ち位置です。

「保育士実習」は「就職」ではありませんが、イメージとしては近い。
あげはさんからすれば(我々からしても)、「プリキュア」は「就職」と変わらないぐらい軽いことです。あるいは「就職」は「プリキュア」と変わらないぐらい重いことだ。

そのあげはさんが、さっくりと当然の如く変身したのはとても爽快です。確かに、地に伏して落涙しながら「私にも力があれば…!(ぴかー!)」みたいなのは違和感ある。変身できて当然であると同時に、変身できねばならない。

他シリーズでいえば、ローラの変身を思い出します。必要だから変身した。それだけのこと。

強いて踏み込むと、ではなぜ今まで変身しなかったのか。
ストーリー的には「思いつかなかった」のだと思います。危機的状況で「あ、そうか」と気づくことはある。

立ち位置的には「時期が来たので子供から社会人になった」とか。
彼女は「外野」だと自覚していましたし、安全圏で守られている意識はあったはず。
描写はされていないものの、内心では覚悟を決めるプロセスがあったのかもしれない。私たちが就職にあたって考えたような感じで。
このあたり、先に戦っているソラさん達が年下なのでややこしいですけど。

そういえばソラさんに余裕が出てきたのが喜ばしいです。今回の彼女は随分とはっちゃけていらっしゃる。
やっぱり最年長者が余裕で構えていると、年下組は安心できます。
ソラさんは成り行き上リーダーっぽい立場にいますけど、本来なら年下キャラなんですよね。多分。えみるとかと似たポジション。

だからこそ、あげはさんは多少の無理をしてでも「当然」の顔で変身しなければいけなかったのかもしれない。
内心では心臓ばっくんばっくんだったのかも。

あと気になるところをあえて挙げるのなら、園児への回答は回答になっていないような気がする。
「割り込みをされると大切な人が困る。だから殴る」が成立してしまいます。
対ランボーグは、建前上は「浄化」なのでどうにか言い分がたつにせよ、バッタモンダーは現状を見るに撃破するしかなさそうなわけで。
今後に何か関係あるのかしら。

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(第17話)ひろがるスカイ!プリキュア「わたせ最高のバトン!ましろ本気のリレー 」感想

2023年05月28日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第17話)ひろがるスカイ!プリキュア「わたせ最高のバトン!ましろ本気のリレー 」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第17話より)

バッタモンダーは語る。体育祭とは、強者が弱者に力を見せつける残酷なイベントだと。
驚いたことに、劇中で明確に否定はされず。それどころか、ましろさんはそれを強く実感してしまう。

驚異の運動能力を誇るソラさんがリレーの走者に選ばれました。
そしてましろさんを走者に指名した。曰く、バトンパスが重要だから。ましろさんとなら全力以上を出し切れます!

期待されたことに奮起して、ましろさんも猛特訓に励みます。
彼女のこれまでの人生でなかったほどに打ち込み、初めて体育祭もノリノリで迎えた。

しかしながら残念なことに転倒。
多分、スカイランド育ちのコーチお2人は「リレーにはカーブがある」ことを知らなかったんじゃないかな…。
特訓シーンでも、直線を走ってばかりに見える。。

それでも挫けずましろさんは立ち上がる。
ソラさんから聞いた極意「前だけを見る」を胸に、とにかく走る。
その姿に胸打たれ、ソラさんも激走。見事に逆転し、1位を取りました。

めでたしめでたし…に沸く一同。

だけど、その陰でましろさんは思い知る。

バトンを受け取ったソラが、自分を置いて、自分にはできないスピードで去っていく。
なまじ極意を垣間見ただけに、常にその領域で走っている彼女の凄さが身に染みます。

彼女は言った。バトンパスが大事だから指名したと。
でも実際はどうか。バトンのロスどころか転倒しています。それなのに勝ったではないか。
結果だけを見るなら、ましろさん以外の誰かと、多少はもたつきながらバトンパスしたとしても、普通に勝ったでしょう。

もちろんこれらは不自然に一面だけを見すぎている。
ソラさんが「ましろさんがいたから走れた」は紛れもなく事実です。
一瞬諦めかけた彼女を奮い立たせたのは、明らかにましろさんの奮闘であり、他の誰かだったら負けていてもおかしくない。
だから、ましろさんは十分に活躍している。

…とは、当人としては思えないよな、やっぱり。

「居るだけで良い」「頑張る姿に励まされた」。なるほど、それはそれで美談かもしれない。
でも対等でありたいと思ったら、これでは納得できません。

戦闘中、自身の最大の武器であり特徴である光球をスカイさんに渡す姿は切ない。
戦略としては間違っていない。できもしないことを無理にやる方が困る。
でもこれは「協力」や「繋ぐ」ではないでしょう。

喜びに沸き立つソラさんをよそに、ましろさんは一人静かに拳を握りしめる。
私には何もない。優しく後ろにいればよいだけで、それ以上のことは期待されていないのか。
今回の件で彼女は、自分の中の「負けず嫌い」の一面に気づきました。

ソラさんは悪気なく「日課のジョギング」に誘い、ましろさんも応じてはいますが、その後の「…うん」は何を想ってるのか。
現実として「走る」分野で頑張ってもソラさんには及ばないでしょうし、プリキュアとしての戦闘力も同様。

似たような戦力差に直面したルミナスさんは、潔く「逃げる」を選択し、後方支援として名を馳せました。いや、黒白と並んで肉弾戦とか、無理だから。そして結果として、支援・防御系のエキスパートとして超重要戦力になられた。

プリズムにもその素質はあるとは思うんですが、如何せん本人が方向性に迷っていらっしゃる。
「負けず嫌い」の彼女としては、食らいつく道を選ぶのか、別分野の道を選ぶのか。

しかもこの流れで、遂に4人目登場のようです。ますます、ましろさんのアイデンティや自尊心が揺さぶられてしまう。公式様はなかなかエグい真似をなされるな…。

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(第16話)ひろがるスカイ!プリキュア「えるたろう一座のおに退治」感想

2023年05月21日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第16話)ひろがるスカイ!プリキュア「えるたろう一座のおに退治」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第16話より)

多大な犠牲を払いながらも、ソラシド市へと戻ってきた一同。
不幸中の幸いか、王様・王妃様の呪いを解く方法はすぐに判明しました。
ランボーグを浄化した時のキラキラパワーを集めればよいらしい。

ソラ:
「分かりました。ではバッタモンダーを生け捕りにし、ランボーグを量産させましょう」

そして始まる目を覆わんばかりの凄惨な拷問。
縛り上げたバッタモンダーを青の護衛隊やプリキュアで取り囲み、呼び出させたランボーグを蹂躙、許しをこう彼に更に召喚しろと迫り続ける…。

とはなりませんでしたが、そうなってもおかしくない不可解な状況。

今までにも奇跡のしずくとかスターカラーペンとか、「敵の持ってる何かを奪う」ための戦いはありました。
が、「集める総数が不明」「救済対象が狭い(エルちゃんにとっては重大ですが)」「奪われたものではない」などなど違いが顕著。
アンダーグの目的がいまだ不明だというのに、こっちにはアンダーグを攻め滅ぼす動機ができてしまいました。

挙句には「桃太郎」です。おそらくは日本で最も有名な英雄譚。
異界からやってきた赤ちゃんを旗頭にし、偶然出会った混成軍が、平和を乱す相手を倒して財宝を奪う話。
見事にそのまんまです。
一般市民のささやかな応援(キビダンゴ)が、一行を結びつける最大の勝因になってるあたりも含めて。

「プリキュア」コンテンツのメタファーでもありそう。
子供(エルちゃん)を励ますための虚構の物語(人形劇)に、作り手たち(ソラたち)の方が感情移入。意気込みすぎて動きが止まってしまうこともある。
そこにお子様たちの声援が飛び、再び立ち上がる…。

更には虚構(人形劇)ではない現実の脅威(ランボーグ)に、虚構を通じて沸いた勇気を出して立ち向かい、どうにか前に一歩進む。
ラストの「えるたろう」を歌いながら帰るシーンも、「プリキュア」を子供と歌う現実の私らを想起します。

「えるたろう」のラストは描かれず。そこが「ひろプリ」の着地点のはずですが、具体的にはまだ不明。
「桃太郎」は今では「鬼を倒さない」とか「鬼は悪くない」とかを初め、「漂着した欧米人が正体だ」のような真偽不明のネタもしばしば見かけ、どれをどう採用するからで解釈が変わってきます。
現時点ではここから「ひろプリ」予想は困難だと思いますけど、後から見返すと色々な発見がある回な気がする。

あとソラさんはバッタモンダーに比較的冷静に対応していらっしゃった。
前回の様子だと殺意むき出しで襲い掛かりかねなかったけど、多少は落ち着いたようです。
これも人形劇の効能かしら。何かを演じることには、自分を客観的に整理したり、気持ちを一回切り離す効果がある。
あげはさんはもしかして、そこまで見越して人形劇を提案したんだろうか…?多分、専門学校で人形劇のセラピーの側面も学んでいますよね。
コメント (2)
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(第15話)ひろがるスカイ!プリキュア「超巨大ランボーグ大爆発!?守れスカイランド!」感想

2023年05月14日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第15話)ひろがるスカイ!プリキュア「超巨大ランボーグ大爆発!?守れスカイランド!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第15話より)

ひろプリ特有さが出た非常に面白い回でした。

【ヒーローかプリキュアか】
ランボーグが襲来することおよそ10回。その全てを青の護衛隊は撃破しました。プリキュアが、ではない。青の護衛隊が撃破した。

スカイさんが参加はしていますが、扱いは隊長の剣やベリィベリーの手袋と同じ。ただのパワードスーツです。
彼女が主力というわけでもなく、護衛隊が主体です。おぉプリキュアさんが珍しく、国防兵器として普通に運用されている…。いつもは大体、国が滅びてるものな。

しかしながら後日。倒しただけでは実はダメで、浄化する必要があったと判明。浄化できるのはプリキュアだけ。

今の今まで「ヒーロー」は「プリキュア」の上位概念だと思っていたのですが、実はそうではなかったらしい。
青の護衛隊は「ヒーロー」。しかしランボーグを倒せても浄化はできない。
浄化できるのは「ヒーロー」である青の護衛隊にも所属する「プリキュア」だけ。

「プリキュア」になっただけでは「ヒーロー」ではない、は分かりやすい。
「ヒーロー」になっただけでは足りない…とはどういうことだろう?
今作の着地点にも関わってきそう。

【故郷はいずこ】
ソラさんの両親が回想に登場しました。台詞つき。

とはいえあまりにも淡白な登場です。ツバサくんが両親と再会するシーンがあるだけに際立ちます。
今までも、ツバサくんは定期的に連絡を取ってると説明が入ったのに、ソラさんは露骨に伏せるばかり。

ご両親を直接登場させると尺を取りすぎるので、構成として厳しいのは分かる。
ただそれならそれで、やりようはあります。

・「憧れの護衛隊に入れました」と手紙を書くシーン(ソラさんの心境説明も兼ねられる)
・回想の後に「そういえばご両親に連絡は?」「まだです。忙しくて…」「そうか。気持ちはわかるが、伝えられるときに伝えないと後悔するぞ」のようなやり取りを入れる(隊長との別れにも掛けられる)

そんな尺すらないのなら、いっそ回想シーンにご両親を映さなければいい。
それなのにご両親は台詞まであります。しかも台詞そのものは、さして重要にも特殊にも見えない。

「ここまで不自然に両親の話題を避けるのは、今後の展開やテーマに関連している」のか。
それとも全く逆で「深い理由はないが話の展開上ソラの両親はあまり出てこない。でも毒親だからとかではないから、勘ぐりは無用だ」を示したかったのか。

現段階ではなんとも言えないので、ドキドキしながら待ちたい。

【私が守る】
戦闘の末、隊長は生死不明の行方知れずとなりました。ソラさん大ショック。
そしてソラシド市への帰還を決意しました。

…なんで?

青の護衛隊は戦えるんですから、倒すのは護衛隊、浄化はソラさんで分担すればいい。
プリズムさんが必要な展開はあるかもしれませんが、それを言うなら護衛隊の戦力が必要なこともあるでしょう。今回の10匹もの敵の波状攻撃は、ソラシド市でだったら凌げなかったのでは。

お祖母ちゃんがスカイランドに来ても構いません。病状を直で確認する方が解決も早いはず。
ソラシド市にトンネルの操作者を残さねばならないなら、スカイランドから誰かを派遣すればいいです。

何ならましろさんがスカイランドに留学したっていいはず。ソラさんが入学できたんだから、ましろさんだって可能でしょう。
「いやラクロスの試合があるし!」のような超個人的事情もありません。

そして何より、この決断は「ましろさんを喪うのが怖い。一人で戦う」の発想に思えます。隊員や国を巻き込みたくない…。
隊長の遺言と違い、むしろ後ろに下がってしまったような?

【1ミリでも近づいたら…】
隊長を失い、心身ともに壮絶なことになってるスカイさんが、バッタモンダーに迫る。
1ミリでもエルちゃんに近づいてみろ。絶対に許さぬ。

この時のスカイさんの表情は映されていません。だけど前後の状況、特にバッタモンダーの反応から推察するに、スカイさんが放った言葉の意図は「動いたら殺す」でしょう。「倒す」ではない。殺意に目覚めておられる。

これは言うまでもなくプリキュア的にはマイナスです。すぐに思いつくところだと、ハトプリ最終決戦の例もある。殺意で戦ってはならぬ。それではあまりにも悲しすぎる。
今までにも爆砕しているケースは多々あれど、殺意をむき出しにして復讐や恨みを全面に出してのものはなかったはず。まぁ夢原さんの「絶対に許さない!」とか、美墨さんの「ほのかを返せ!」とかも似たようなものな気もしますけど、演出的にそれとこれとはやっぱり違うように思えます。

先ほどの「ソラシド市に戻る」といい、ソラさんが一回り強くなったというより、闇に落ちかけているように見えます。次回バッタモンダーに会ったとき、彼女はどう立ち向かうのか。

【普通の女の子】
ましろさんは、そのまんますぐに帰るおつもりだったようです。
間違ってない。むしろそれが普通の反応です。だって青の護衛隊がいれば戦力は十分。プリズムさんは実質的にアップドラフトシャイニング用のブースターアイテムです。

とはいえ今までずっと、オーディションをすっぽかすとか、留学を諦めるとかばっかり見てきた身としては、離脱を決意するのは物凄く新鮮です。え、それアリなんだ…。
これも何か深読みしたくなってくる。

【昔々あるところに】
次回は「桃太郎」。お供を集めて鬼を倒すお話。大げさに言うなら神話の英雄譚の一種です。

桃太郎は一人で鬼に挑むのではない。仲間を集めている。だけど村人総出で鬼を袋叩きにしたのではない。
もしかしたら「ひろプリ」の比喩みたいな展開になるのかしら。

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(第14話)ひろがるスカイ!プリキュア「スカイランドへ!憧れのあの人との再会」感想

2023年05月08日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第14話)ひろがるスカイ!プリキュア「スカイランドへ!憧れのあの人との再会」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第14話より)

前回から特に波乱もなく、無事にエルちゃんを送り届けることができました。
そしてソラさんは、恩賞として王国の誇る「青の護衛団」に入団が決まりました。驚愕。

いや本当に、この展開は予想してなかった。
てっきりソラさんの言う「ヒーロー」とは市政のお助けマンだと思ってました。まさか王国の騎士団的なのに憧れていたとは。いや、憧れの人がそうなんだから、そこを目指すのが当たり前ではあるのだけど。

しかも今回のエルちゃんの一件でできたコネと実績を躊躇なく使っています。
そもそも城下町に来たのも、どうにか護衛団に入りたかったからだそうで。
ではこれまでのエルちゃんの救護は、この展開を見越しての打算もあったのか。

もちろん打算があろうが、ソラさんの行動は何ら問題ない。
彼女の根底にある「ヒーロー」像は全く間違っておらず、正しい。
命がけで戦ってきたのも紛れもない事実であり、何一つおかしくない。

のだけど、何だろう。ソラさんの人物像がだいぶ変わる。
彼女は脳筋な正義一直線ではないのです。

思えば事の発端は幼少時に「行くな」の禁忌を破ったこと。
もしや城下街に来たのも、家出や逃走のような暗い背景があったりするんでしょうか。
その上で重ねられる「正しいとは何か」であれば、色々と厄介そうです。

意外と言えば、ましろさんの反応も想像外でした。
異世界ですよ。騎士とか不思議生物がいるんですよ。それなのにあの淡白な反応…!

普通なら「未知の世界スカイランドに目を白黒させるましろさんと、得意気に案内するソラさん」みたいなので丸々1話使うところを、さくっとエルちゃんを帰して護衛団&帰宅の準備です。

新しい敵バッタモンダーは、今回の言動からは「固定観念による押しつけの庇護」が特徴のように見えます。可哀そう可哀そう、だから救ってあげるね。
これはちょっとスタプリを想起します。イマジネーションを以て創造主を超えていくことの是非。与えられた枠内で生きるのが幸せではないのか。
視点により変わる「正しさ」もこの流れか。

そのスタプリからの連想でいえば、ましろさんの反応はやはり変です。キラやばの感度が低すぎる。
第1クールと比較してみると、ソラシド市に興味を持たず、鍛錬やお手伝いに励んでいたソラさんのようなものでしょうか。

その視点でいえば、ましろさんが「学校」というソラのいない世界を持っていたように、ソラが「護衛団」というましろさんのいない世界に入り浸り始めた。
今まで当たり前だった「ソラ・ましろ」の世界が崩れてしまい、ましろさんがジェラシーだかを起こして変化があるのかも。

…ただソラさんが護衛団中心になるのは、別に悪いことではないんですよね。カップリング的な話を別にすれば。
ここで突然ましろさんも護衛団に入りたがる方が、よっぽど変です。来週はましろさんが、ベリィベリーと殴り合うんだ。

エルちゃんの件がなければ、ソラさんはおそらく入団試験に落ちている。そして落ちるたびに力を求める方向に傾倒し、歪んでいったと思われます。
「何度も入団試験に落ちた」ベリィベリーさんは、あり得たかもしれないもう一人のソラ。
そもそもそれ以前の問題で、入団試験的なものを受ける算段もなかったみたいですから、トボトボと城下街を彷徨い、裏路地で残飯を探しながら澱んでいく生活に陥ってもおかしくなかったのかも。

それを思うと、「偶然」の成り行きで今ここにいるありがたさが身に染みます。
同様にましろさんも、ここからの「偶然」で動きがあるのかもしれない。
彼女は「夢がない」的なことを悩んでおり、その根底が今回の反応の薄さ(=好奇心のなさ?)ならば、スカイランド探訪で成長しそうです。

とはいえ、現状だと「次回はそのまま帰宅」で終わってしまうのですけど。どうなるんだろう?
わざわざ描写された「バケツで売られるスカイジュエル」とかも気になります。

次回からは何気に「民間人もプリキュアの正体を知っている」レアな設定で話が進みます。
そこかしこでスタプリを連想するのですけど、クールごとに直近4シリーズを意識してるとかだったりするのかな。第1クールがトロプリ編で、第2クールがスタプリ編とか?

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(第13話)ひろがるスカイ!プリキュア「届けて!はじめてのおくりもの」感想

2023年04月30日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第13話)ひろがるスカイ!プリキュア「届けて!はじめてのおくりもの」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第13話より)

カバトンを退けて一安心していたら、スカイランドへのゲートも完成しました。これで帰れる。ひろプリ完。

実際のところ、物語が終わっています。
アンダーグ帝国とやらは詳細不明。ソラさんたちは帝国を滅ぼすつもりはないので、「まぁ困った人たちも居るよね」でしかありません。
歴代シリーズと違い、スカイランドは健在ですから、王国に戻ればエルちゃんの護衛は多数います。
これまた歴代シリーズと違い、エルちゃんは不思議生物ではなくご両親も普通にいますから、引き渡さない方が変。

敵の目的は「人類の生み出す不幸」とかではないので、エルちゃんを安全な王城に戻せばソラシド市は無関係。
こちらの目的も「ハーティエルを集めて何かを復活」とかでなく、エルちゃんの身の安全のみ。王城に戻してガチガチの警備をしいて貰えばお役御免です。

おまけに、ましろさんは学校があるのでスカイランドに長居はしない。

終わった。ソラさんの短い戦いが、本日めでたく終わりを迎えました。

ぐずぐず長引かせても良いことはないので、あげはさんも呼んでお別れ会を開催。
幻となった四人目とかバタフライさんのことは忘れよう。そんな人はいなかったのだ。戦いが無事に終わったんだから、それで良し。

旅立ちの前に、エルちゃんのファーストシューズでゴタゴタはあったものの、敵が襲ってくるでもなく、平和に時間は過ぎていく。
お別れの悲しさを知るあげはさんのきめ細やかな「ぐがー!」や、たまたま知り合った女性の見送りを経て、ソラさんとましろさんも別れに向き合う。
終わった。ひろプリが、綺麗に終わってしまった。

「ファーストシューズ」は少々強引なエピソードだったとは思います。
靴はサイズの問題があるし、海外への旅立ちの直前に靴を貰っても、かさばって正直しんどい。というか普通に考えて、日本にいる間に靴を買ってますよね。

ですが込めた意味としては分かる気がする。
プリキュアさんは、小さな子供の第一歩を導く存在。入園入学、あるいは就職や困難に直面した時。最初の一歩を歩む手段を得ることの、ささやかなお手伝いをしてくれる。

戦いのために身に着けたプリキュア能力を転用するのも良いです。
言うなれば、就職して「●●」職という肩書を手に入れ、資格や専門知識も得た。そしてそれらを、会社とは別の私生活で役立てることができた。
「●●」職になること自体が夢ではなく、その職で行える何かをしたかったから目指したのだから、私生活で活用できたなら真に夢が叶ったと言えます。
ソラさんは期せずして、憧れていたヒーローに名実ともになれた。

先ほどのファーストシューズにも通じます。ソラさんがヒーローとして歩むための最初の一歩を手助けしたのは「プリキュア」能力だった。

うむ、見事に綺麗に終わってしまった。ひろプリ、完。

次回はスカイランド観光回のようです。順調にいくなら、王城に行ってエルちゃんを引き渡し、幾ばくかの褒賞を貰って城下町で豪遊、そしてさようならです。
予告を見るに、ソラさんがヒーローを目指すきっかけになった憧れの人とも再会する模様。コネと実績ができましたから、望めば王国騎士団?なのか何なのかに入団も出来そうです。良かったですね。

…本当にこれで終わってしまいかねないので、次回は新幹部がゲートを破壊して、ましろさんが戻れなくなるとかでしょうか。ソラさんと立場が入れ替わり。
そんなことしたら四人目の登場がますます絶望的になるのですけど、助っ人とかで来るとか?
7月1日の20周年ライブではバタフライさんも出番があるでしょうから、あと数話以内では登場すると思うのですが、現段階では必然性の欠片もなし。どうするんだろう?

ここに至るまでが妙に丁寧に丁寧に描いている上に、ひとまずは各人の悩み的なものも解決してしまっていますから、これから大きなどんでん返し的なものがあるのかも。
ソラシド市での学校描写が異様に少ないのも気になります。全く描かないならまだしも、わざわざ転入イベントをやっている。
記念シリーズのハピネスやハグプリと比べて(他のシリーズと比べても)こじんまりとした戦いをしているのも奇妙。だって赤ちゃんを送り届けたら終わってしまう。

物語は高速で前に進み、一旦の終わりを迎えてすらいるのに、妙な気分です。戻った矢先に王国壊滅、ヒーローとは?と悩みながら決死の逃避行のような急転直下が仕込まれていてもおかしくなさそう。

まぁ一番なさそうでありそうなサプライズは、「プリキュアシリーズ完結」とかですけれど。
いまだ明らかにならない「プリキュアオールスターズF」の「F」の意味といい、オトナプリキュアのような新機軸の展開といい、周辺が騒がしすぎます。20周年の全容が全く分からなくてかなり怖い。

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(第12話)ひろがるスカイ!プリキュア「ツエェェェ!キュアスカイ対カバトン!!」感想

2023年04月23日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第12話)ひろがるスカイ!プリキュア「ツエェェェ!キュアスカイ対カバトン!!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第12話より)

ソラさんが夢にまで見たであろうシチュエーション「子供を守り、仲間に応援されながら、特訓の成果を発揮して悪を一人で倒す」が遂に実現…!

おそらくは彼女が第1話でやりたかったのは、こういう展開だろうと思う。そして今回この戦いができたのは、「毎日黙々と特訓」「一人で倒す」のこだわりを捨て、幅が広がったから。ヒーロー以外のことをしていたから、ヒーローとして戦えるようになる不思議。

以前の彼女なら、約束を違えて不意打ちしてきたカバトンや、それから守るために戦ったプリズムさんらを見て、「私が油断したせいで危険に晒した」とネガティブになりそう。
しかしながら今の彼女は違う。己のやるべきことをやり、任せるところは信頼して任す。その心の広がりが、カバトンを救う視野にもつながったと思われます。

一方のカバトンは、最後の最後まで一人でした。
おでん屋で愚痴る横を通り過ぎるソラさん達の図は、かつてソラさんが経験した「一人で訓練してる横を同世代が楽しく横切る」に近しいものがあります。

アンダーグ帝国はとことん放置国家のようで、使い捨ての怪物化とかすらしてきません。次の幹部が自己紹介がてら制裁にやってきたりもしない。
ある意味、ナイトメアやクライアスよりもリアルなブラック企業。直接的に追い込んで責任を取らせてくるのも辛いが、関心ゼロで放置も辛い。
ここまで極端に正体不明な集団となると、テーマに何か関連していそう。

数少ない情報として、カバトンの言葉によればアンダーグは激しい競争社会のようで。
ソラさんも以前はそちら寄りで、遊んだりするよりも鍛錬を優先していた。

実社会でいうなら、新社会人になり、休日返上で残業したり自己啓発に励んでいるようなものです。
確かにそれはそれで大事な一面もあるにはありますが、今の社会では通用しづらい。

仮にソラさんがその路線のままだったら、移動手段がないので山に行くことすら困難で、滝行やらリスに教えを乞うたりもしなかったでしょう。
しかもソラさんは以前からそういうのが嫌いだったわけでもないはず。むしろ憧れてはいたのに、選択肢になかったというか。

カバトンの巨大化は、ソラさんでいえばプリキュアに変身するようなもの。
今まで使わなかったのは、体への負担等々以外に、チート(巨大化、プリキュア)を使わずに自分の力で勝ちたかったのかもしれない。
「ソラがTUEEEEのは、プリキュアという卑怯な手段を使っているから」。だけどこちらも変化を使ったのに、やはり負けた。
チートを使ってるから強いのではないし、チートだからと忌避していても使いこなせない。

「プリキュアを前向きに捨てるシリーズなのかな」とも思っていたのですけど、「憧れから卒業して、プリキュアを手段として使いこなす」みたいなニュアンスかもしれない。無理に新社会人で例えるなら、福利厚生やら会社設備やら、使えるものは正当に積極的に使おうみたいな。

ただカバトンは、それをしたくても許されない職場環境だったわけで、仮に巨大化を最初から使っていたとしても、それを前提にコキ使われたはず。
ツバサ君も故郷で頑張り続けても行き詰ったでしょうし、当人の努力だけでなく周囲の環境もテーマの視野に入ってるのかもしれない。

次回は新しい幹部が登場する…と思うのだけど、次回予告では全く触れられず。
どういうタイプかで今後の方向性がかなり分かりそうです。

ソラさんがヒーローとして振舞えたのは、カバトンがシンプルに分かりやすい悪役だったからともいえます。
ビョーゲンズやノットレイダーのような、敵側には敵側なりの道理がある場合、今の彼女のキャパだとフリーズしてしまいそう。

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(第11話)ひろがるスカイ!プリキュア「気まずい二人!?ツバサとあげは」感想

2023年04月16日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第11話)ひろがるスカイ!プリキュア「気まずい二人!?ツバサとあげは」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第11話より)

ツバサくん、大人のお姉さんに弄ばれる。

成人女性かつ自動車免許保有という、ある意味スカイランド人より異世界の住人のあげはさんに連れられて、一行は山へ。
何で唐突に山なのか?は特には説明はありませんでしたが、免許取りたてのあげはさんがドライブをしたかったんでしょう。初心者マークが眩しく光る。

こういうところ、絶妙に初々しさがあってときめきます。少年から見れば大人のお姉さんでも、客観的に見るとそうでもない。

ケチをつけるつもりは一切なく、意図した演出でもないとは思うのですけど、「山にドライブ」のミスチョイスぶりも良いです。
おそらくは1歳未満のエルちゃんを連れていくには、かなり不適当。自分の子ならまだしも、預かってる子ですから一般には避けるはず。
また、チャイルドシートの乗り方も多分間違っています。1歳過ぎてしばらくまでは、進行方向の逆向きに乗せます。

「エルちゃんは1歳過ぎている」「使っているチャイルドシートの規格では問題なかった」等々もありえるし、そもそも拘るようなところでもないので作劇を優先したとしても悪くはないのですが、あげはさんは保育士を志望しています。そのため、先ほどのドライブのお誘いと同じく、「劇中人物からは大人として扱われているが、客観的には初々しい(幼い、未熟)」描写に一役買っています。
この感覚、中高年なら分かってもらえるんじゃなかろうか。

【追記】
コメントでご指摘いただきました。
第1話でエルちゃんはお誕生日を迎えてました。

一応細かい話をすると、メーカー推奨値は1歳3ヶ月〜1歳6ヶ月ごろまでは後ろ向き。体重の指標に準ずるなら1歳8ヶ月頃まで。
エルちゃんは1歳直後だとすれば、いずれにせよ前向きでの使用はやや早いです。
【追記終】

思えば以前も「最強の保育士を目指す」というよく分からない発言をなされていました。「何かがズレている」のはもしかして仕込みなのかもしれない。

今回の話も、保育士を目指しているにしては「子供」の目線とあっていません。
先回りして答えを教えたり、自尊心を傷つけるのはタブーだ。
振り回される少年の図からは、何か癒されるものを感じるのですけど、同時に不穏な何かを感じます。何者なんだ、あげはさん。

山登りはどのルートをいっても同じ場所にたどり着く。
アスレチックをしてもしなくても、ロープウェイを使っても使わなくても、のんびりコースも過激なコースも、自分で答えを考えても考えなくても、すべて同じところに行きつく。

繰り返し繰り返し強調されたからには、意図があると思う。「プリキュア」能力に目覚めなくてもソラはヒーローになっていた、とか?「ヒーローが助けなくても解決する」=「あえて手を出さず見守るのも大事だ」とか?
OPにも「凸凹道でも歩く意味はきっとある」と歌われていますので、これらの点でいえばカバトンは改心エンドを迎えられそう。

「言わないのは信じているから」は、プリキュア的にはちょっと意外でした。
ハトプリのマリンさんを初めとして「言わなきゃ分からない」「だから言おう」がこれまでのセオリーでした。
「今回は話の流れ上たまたまそうなっただけ」「あげはさんの成長ポイント」「違う切り口を描こうとしている」のどれかしら。

あげはさんは大人ですから、これまでとは視点が違ったとしても違和感はないです。
「言わなければ分からない」は対等な立場での話であって、大人と赤ちゃんなら「言わなくても察する」が求められます。
ただ逆ですね。あげはさん(大人)が少年(子供)の心を察するのではなく、あげはさんが察してもらう側です。まぁ大人が子供に、意図をくどくどと説明はしないといえばそうなので、おかしくはないのか。

「ツバサくんを大人扱いして信頼しているからだ」であれば、「少年」呼びを続けたのは奇妙と言えば奇妙。実は年下の男の子との接し方が分からず、テンパってたのかもしれない。

あげはさんの内心がまだ描かれていないので、第一印象とは違った一面があったりするのかもしれない。
コメント (2)
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