穴にハマったアリスたち

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(第36話)トロピカル~ジュ!プリキュア「来たよ!人魚の国・グランオーシャン!」感想

2021年11月15日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第36話)トロピカル~ジュ!プリキュア「来たよ!人魚の国・グランオーシャン!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第36話より)

ようやくグランオーシャンに行くことになりました。本当に「ようやく」としか言いようがない。何故にこの子らは、ここまで「あとまわし」にしたのか。

トロプリさんの直接の目的は「グランオーシャンの防衛」だったはずで、地上に残るのは不可解です。「グランオーシャンにやる気が戻ってきた」と言っていましたが、地上でカムバックしているやる気は地上のやる気ですから、グランオーシャンの復興には直接には役立っていないはず。実際ほとんど復興しておらず、あっさりと征服されてしまっています。

しかも海のリングなるパワーアップアイテムまであったそうで。大地のリングと共鳴するというなら、呼び戻して探させるべきでは…。
というか逆で、海のリングを持たせて地上に送り込み、大地のリングを探すのが正しい手順な気がする。
大地のリングが見つかったのは完全に偶然ですから、もともと海のリングも戦力としてカウントしておらず、諦めていたのかもしれませんが…。

記憶を吸い出すとかいう物騒な装置を保有してるのも怖いです。「過去の伝説のプリキュアに何があったか」を映像として見せるとか、そんな作劇の都合なのかもしれませんが普通に考えてろくでもない装置だ…。

「ローラは女王様の名前を知らない」のも不気味といえば不気味。
それとも「知ってはいたが女王が自ら名乗らなかったので不敬と判断し、場を取り繕った」のかしら。

「ヤラネーダを生物に使うな」もよく分からない制約です。曰く「強すぎるから」だそうですが、地上で使う分には制御不能になっても構わないでしょうに。
そして今まで使っていなかったのに、さして劣勢でもない状況でお披露目する必要性を感じません。そもそも海中戦ですから、従来のヤラネーダでも勝てたんじゃなかろうか。

改めて言われてみれば、「大地のリング」で「ランドビートアタック」と、陸の力で戦ってたんですね。陸VS海。あとまわしの魔女陣営はかなりのハンデ戦をしていた。伝統的にプリキュアさんは海中戦が苦手ですから、ホームで戦うと何気にトップクラスに強力な相手なのかもしれない。

「ローラは貝から生まれた」も何か意味があるのかしら。父母が出てこない理由付けをしたかっただけなのかもしれませんが、あすか先輩が「縁があるのかも」とわざわざ言及したり、くるるんの主食が「貝がらクッキー」だったりと、奇妙に踏み込んでいる気がします。
それはそれとして「人魚は貝の仲間」という新説には注目したい。

設定面で言えば「海中でも息ができる」「通信が回復した」等を説明してくれたのも新鮮。
じゃあ実は星奈さんも、宇宙で変身が解けてもペンダントさえ握りしてめていれば生存できたんだろうか。
いやでも歴代のプリキュアさんは、水中でモガモガうめいていました。こと水中適正に関しては、トロプリ流は頭一つ性能が上なんだろうか。

今回のお話は計画的に動いた魔女陣営に、今一番大事なことをしていただけのトロプリが敗北した、とも言えそう。
伝説のプリキュア様も相変わらず意味深というか、何かこの子がラスボスと言われても納得してしまいそうな胡散臭さがあるし、どうにも不気味です。

【蛇足】

人魚が海鮮料理をふるまうシーンへの定番ツッコミ「共食いしている」は、地味に危険だと思う。
サカナがサカナを食べるのは普通のことです。ヒトが同じ哺乳類のウシやブタを食べるのと違いません。

これらを「共食い」と呼ぶのは、ヴィーガンの主張に通じるものがある。というかほぼ同じでしょう。
思想信条は自由なのでそれが悪いとは言いませんが、個人的には肉食には賛同したいので「共食いではない」ことは折に触れて強調していきたい。
ヒトがイヌをペットにしヒツジを食うように、サカナがサカナをペットにしてサカナを食っても何ら異常ではないのです。
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(第35話)トロピカル~ジュ!プリキュア「わくわくハロウィン!負けるな、まなつ!」感想

2021年10月31日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第35話)トロピカル~ジュ!プリキュア「わくわくハロウィン!負けるな、まなつ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第35話より)

ローラのデビル娘等々の仮装はすこぶる可愛いとはいえ、本人の言う通りインパクトには欠けるのでフランケン人魚は正しいと思うのですけど、あれは「ローラは人魚」があってこそのネタではなかろうか…。
夏海さんの「自分らしい勢い任せも大事」に引っ掛けてるのかしら。

「今一番大事なこと」を優先して突っ走った結果、夏海さんは大失態。人格崩壊レベルの大混乱を招きました。割と洒落になっていない。
思い返せば彼女はこれまで、やることなすこと結構な頻度で失敗しています。が、彼女のやりたいことや初期アイデアを元に、周囲が軌道修正してより良い結果に導いている。サンドアート大会然り、ローラの救出時の顛末然り。

これまでのプリキュアの多くが「目指したい夢(結果)があってそれに向かって努力」等だったのに対し、夏海さんは「今やりたいことがあって、それが具体的な結果(夢)に繋がる」構造。ちょっと取っつきがたい気もしますが、「お手伝い」が信条の「ハートキャッチ」と組み合わさるとパフォーマンスが物凄いです。

桜川先生や校長先生、以前にも参加してくれた柔道部等々、周囲の人々の「お手伝い」がないとイベントは成功しません。
「やる気をなくして倒れる」も「(周囲が倒れると)夏海さんがやりたかった今一番大事なこともできなくなる」に掛かっているのかもしれない。

ところで今回、生徒会長もハロウィンに参加しています。
トロピカる部主催(どこまでが部の企画なのか定かではありませんが)なのに、わだかまりは多少は解けたんだろうか。

【あとまわし】

相変わらず「あとまわし」が謎のまま。
今回の話でいえば「やる気パワーをカムバックさせるのをあとまわしにする」のが正解でした。必ずしも「あとまわし」は否定されていません。

次回はようやく人魚の国に行ってくれるようなので、少しは謎が解けると期待したいです。
そもそもこの子ら、何で地上で戦ってるんでしょうね。発端は「グランオーシャンを守る」なんですから、もっと頻繁に海の国に巡回に行くべきじゃないかしら。
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(第34話)トロピカル~ジュ!プリキュア「夢は無限大!大人になったら何になる?」感想

2021年10月24日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第34話)トロピカル~ジュ!プリキュア「夢は無限大!大人になったら何になる?」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第34話より)

番組開始当初から言われていた疑問「あとまわしと今一番大事なことの違いは何なのか」。
勉強より先に遊ぶのは、勉強を「あとまわし」にしているのか、「今一番大事な」遊びをしているのか。
遊びより先に勉強するのは、遊びを「あとまわし」にしているのか、「今一番大事な」勉強をしているのか。

すぐに思いつく「計画性の有無」「全部やる」は早々に否定されています。
では何かといえば、おそらくは「将来につながるのか」なんでしょう。「役立つ」というより「発展性」の観点で。
「常に好奇心と行動力を持って、今を楽しむ」と言い換えても良いのかも。

夏海母のネイリストの夢は実現していません。でもその時に興味を持ったおかげで「妙にネイルの上手い母」に続いている。
島にいったことは結婚に繋がってるし、水族館に就職したことが夏海さんが島を出るきっかけになっている。
これらは計画的にやったことではなく、その場その場で今一番大事なことをやり続けた結果です。

私事でいえば、ハグプリ考察をやったおかげで時間モノの知識が広がったし、トロプリの影響で人魚の民俗誌もちょっと詳しくなれた。
15年前に玩具を買ったときはそれで子供が遊ぶなんて考えなかったし、自分が昔やってたことが思わぬ形で活きることは多々あります。
同時に「あとまわし」にして失ったことの後悔も強烈ですけれど…。

翻ってエルダは、先に続かない遊び方をしています。くるるん(何か知らんが沸いて出てきた)とコミュニケーションをとっていれば、少しは違ったのかもしれない。
ただヌメリーさんたちのフォローは、間違いとは思えないんだよな…。

厳しく言うなら、あとまわし陣営は明確に「悪」なので肯定できません。やる気パワーを隠し持っていたのだから、救済されていない被害者がいます。が、今回の描写は素直に「良いフォロー」に見えます。
ヌメリーさんが差し出したのは「タンス預金していたやる気パワー」だそうで、これも「あとまわし」の一種です。報告や提出をあとまわしにした。「タンス預金」が「今一番大事なこと」になるとも思えない。でも今回の描写では「良いこと」に見える。

家出も、長い人生の観点ではプラスになる「今一番大事なこと」とも言えます。ヌメリーらも面倒なので探しに行かなかったのではなく、大事な経験だからと見守る観点で行かなかったんでしょう。では「あとまわし」陣営も、本質的には「今一番大事なこと」をやっていて「あとまわし」にはしていないのかしら。

「今一番大事なこと」が何なのかは見えてきたけど、「あとまわし」が何なのか分からない。魔女様は何をあとまわしにしているんだろう?
「未来の可能性を閉ざすようなこと」=「あとまわし」だろうか。

●映画の感想を書きました。
感想:映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪
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(第33話)トロピカル~ジュ!プリキュア「Viva!10本立てDEトロピカれ!」感想

2021年10月17日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第33話)トロピカル~ジュ!プリキュア「Viva!10本立てDEトロピカれ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第33話より)

プリキュア史上初の10本立てです。11本立てですけど、とにかく史上初です。
そして花咲さんがブラウン管に帰ってきました。

今回のような話でテーマがどうのと語るのは無粋極まりないのは承知の上で、他に何も書きようがないので書いてみる。

ハートキャッチは「詳しい事情は分からなくても、お手伝いならできる」「本質的な解決ではなくても、大事な解決の一歩につながる」お話。
服を変えても、内面が変わらなかったら意味がない。だけど服を変えれば引きずられて気持ちも変わる。単純だけどそれでいいじゃないか。とは来海さんの弁。
プリキュアに変身してもそれだけで解決したりはしない。だから花咲さんは史上最弱のプリキュアとも言われた。でもプリキュアとして戦う内にチェンジするんです。

今回の奇々怪々な特別出演も、とても「ハートキャッチ」らしくて嬉しいです。
砂漠の王・デューンが、なんで地球を砂漠にしたいのかの目的も不明なまま。何かありそうな三幹部の過去も不明瞭。
他人のことなんだから、細かい事情は分からない。

秋映画の「花の都でファッションショー」でも、彼女らがなぜパリにいるのか劇中では語られていません。ついでにスーパーシルエットやオーケストラさんのことも知りません(テレビ初登場より映画公開が先だった)。全くもって意味が分からん。
オリヴィエの過去の詳細を花咲さん達は知らないまま(回想シーンのみなので、視聴者が知っていることも花咲さんは知らない)。
パリ市民の皆様も、花咲さんが何で泣いてるのか知らないし、いきなり現れたでかいトカゲやそれと戦う娘さんの事情は全く分からない。
それでも背中を支えたり、お花を渡したり、ミラクルライトを振ったりはできる。直接の解決はできなくても、お手伝いならできる。

今回のゲスト出演も何だったのかさっぱり分かりませんが、まぁ楽しかったので良いのです。
「トロプリ」も「今一番大事なこと」が何なのか分からず、「他人の事情が分からない」ハトプリに対し「自分自身のことも分からない」なので、組み合わさるともう何が何だか分からない。異様な相性の良さです。
詳しい事情は分からん。でも何かは解決した!

ただ改めて「ハートキャッチ」を見直すと、「言わなきゃ分からない」の側面もあったように思えます。
花咲さんと来海さんの「第8話」や、デザトリアン療法、花咲さんの最終決戦での啖呵、オリヴィエへのアドバイス等々、「言わなきゃ分からない」がかなり出てくる。
トロプリの後半が「他人に伝える」を重視しているように見える(みのりん先輩の小説、あすか先輩の暴力疑惑、涼村さんの可愛いを伝える等々)ので、相互に絡み合うのかもしれない。
本放送当時から今まで、この側面でハトプリを捉えたことがなかったので新鮮な再解釈ができそう。前回の「GoGo」と「ヒープリ」も、相互に補完しあっていて素晴らしかった(ヒープリ映画の感想)ので、今回も「ただのお祭りコラボ」以上のことをやってくれそうで、本当に楽しみです。

あと蛇足ながら上掲の「ハートキャッチ風」のサブタイトル画像、ローラが謎生物枠なのがとても良い(元々はシプレ)。最近忘れがちですが、彼女の立ち位置はそこです。ヒトとして扱ってはならない。
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(第32話)トロピカル~ジュ!プリキュア「駆けろランウェイ!さんごのファッションショー!」感想

2021年10月12日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第32話)トロピカル~ジュ!プリキュア「駆けろランウェイ!さんごのファッションショー!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第32話より)

涼村さんがファッションショーに出ることになりました。

ファッションショーの目玉は「服」。モデルさんを競う場ではない。
「可愛い私」を見せるのではなく、「可愛い服」を見せる。
この観点は花咲さんにはあまりなかったように思えます。あの方は「自分がチェンジする」に主眼を置いていらっしゃった。

ローラとの絡みで言うならば、「偉大な女王になった私」ではなく「偉大な女王」を見せるのか。
そう思うと第9話のポイントは「自分を見せる」のか「役や化粧品を見せる」のかの違いだったのかしら。
ハートキャッチ的に補足するなら「偉大な女王」を示すために注力すれば、内面もひきずられて「女王」にチェンジできるとかか。

みのりん先輩は自分の内面の不足故に、他者に作品を提示できなかった。
先週の時点ではよく分からなかったのですけど、あすか先輩も同様だとすれば、「不当な暴力ではないことを示すだけの実績や信頼がなかった」なのかもしれない。
であれば涼村さんは、可愛いを伝えるためには、自分が心の底からそれを可愛いと自信を持つこと?

ランウェイを駆け抜けたのは、プリキュア姿で。
先週、具体的な和解とまではいかないまでも、何となく生徒会長に伝わったのはプリキュアでの戦いを見てもらったから。
みのりん先輩が変身するとキャラクターが変わるのもその流れなのかもしれない。
ローラもプリキュアになったので、結果的に足がついてきた。
「自分の大好きな何かを、相手に伝える助けになるもの=プリキュア」といった感じなのかも。「今一番大事なことをやる」と上手く結びつくような、つかないような…。

ここ数週の個人回は上手く言葉にできそうでできません。明らかに一貫したメッセージを込められているとは感じるものの、言語化できない。ローラが足を生やして以降、何かが奇妙です。

例年(といっても昨年はイレギュラーでしたが)であれば、秋映画でテーマ的な解答が示されるはず。モヤモヤが爽快に解決するはずだととても楽しみです。

【くるるん】

そしてそんな中、次回はすべてが謎の不可解回。
「ナレーションが全部くるるん」はいつかやると思ってたけど、よりにもよってハートキャッチ参戦&サブタイも意味不明なせいで、つくづく全く内容が分かりません。
「詳しい事情は分かりませんがお手伝いならできます」の花咲理論に則ると、開始早々何の説明もなくハートキャッチ組がいるとかもやりかねない。

ここまでくると、もしかして「秋映画ですっきり解決」しないんじゃなかろうか。
花咲さんのパリ映画が「詳しい事情が分からない」を視聴者にまで適用してきて「なぜ彼女らがパリにいるのか不明(劇中では説明がない)」「オーケストラさん初登場(テレビで登場する前だったので謎の人としか言いようがなかった)」等々だったことを思うと、夏海さんの秋映画も怪奇な代物になる気がする。
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(第31話)トロピカル~ジュ!プリキュア「トラブル列車!あすかの修学旅行!」感想

2021年10月05日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第31話)トロピカル~ジュ!プリキュア「トラブル列車!あすかの修学旅行!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第31話より)

あすか先輩が修学旅行に旅立ちました。そしてサカナが荷物に潜り込みました。来ちゃった♪
ところで今回の話、「電車で移動していただけ」です。もしやプリキュア史上でもトップクラスに限定された空間での話だったかもしれない(最終決戦のような特殊なフィールドは別として)。

無賃乗車したサカナは、これ幸いとあすか先輩の過去を聞き出します。昔テニス部に所属していたが、暴力事件もどきを起こしてややこしいことになったらしい。
背景は分かったものの、問題が解決しているようで解決していない、不思議な構成です。

ローラが荷物に潜ったのは、純粋に我儘な好奇心です。情状酌量の余地はなく、荷物を落とす害ももたらしています。
が、結果だけを見るなら、彼女の「今一番やりたいことをやる」行動のおかげで、ヤラネーダの撃退や先輩の吐露につながった。

夏海さんらが追いかけてきたのは枕を届けるため。ヤラネーダを察知したのでも、ローラを探しに来たのでもない。
完全に偶然なのですが、彼女たちの「今一番やりたいことをやる」が一行を救っています。

ではこれらは、かつてのあすか先輩と何が違ったんだろう?

率直に見るなら、テニス部員の皆様の反応は少々おかしい。何もあそこまで逃げ腰になる必要を感じません。
ということは「今一番大事なこと」をやるには、「周囲の理解が必要」なんだろうか。言葉を選ばずに言うなら「周囲も同等以上でないと潰される」。

そういえば夏海さんも「島には同年代がいなかった」と語っています。自分自身のやりたいことをやるには、他者の理解も必要という流れなのかしら。その流れだと、「人魚姫」の理解者である「魔女」は単純な悪役ではなさそうとも。
ただ涼村さんの色事件や、みのりん先輩の挫折は、周囲に問題があったというより本人の側の問題です。何かもっと違う要素がありそう。

非常に厄介なことに、生徒会長は何かを勘違いしているわけではない。対戦相手に不当な暴力を振るったとは思っていないし、工作を阻止したことも信じています。
したがって「プリキュア=あすか」に気づいたとしても溝は解消しません。それどころか深まりかねないです。ああ、やっぱり対話より先に手が出るのね…。

和解するとしたら、生徒会長が「気持ちを分かって一緒に戦えなくて悪かった」と歩み寄るか、あすか先輩が「もっと良いやり方があったのに、私のミスだ」と認めるか。
どちらも今の流れで起きるように思えません。多分何か見落としている要素があるんだと思う。

こうなってくると益々「ハートキャッチ」(本質的な解決はできないが、お手伝いならできる)とのコラボに納得がいくというか、非常に楽しみです。
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(第30話)トロピカル~ジュ!プリキュア「大選挙!ローラが生徒会長!?」感想

2021年09月26日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第30話)トロピカル~ジュ!プリキュア「大選挙!ローラが生徒会長!?」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第30話より)

生徒会長選挙が行われると知ったので、勢いでローラが立候補してみました。しかしながら周囲の受けは芳しくなく。
他の候補は鉄板の現副会長と、名の売れてる風紀委員長。制服も揃えていない転入生では、普通に負け戦です。
というか一般モブから見れば、トロピカる部が選挙を盛り上げるために企画したお遊びに見えていそう。立候補者が少なすぎるので、選挙の体裁にするために現生徒会がトロピカる部に依頼した可能性すらある。

三者の主張は「規則の強化」「規則の緩和」「規則の撤廃」。
「規則」は「計画」にも置き換えられます。今までも何度か出てきた「計画して行動する」ことの是非につながる話。
そしてこれまでの流れ通り、優勢だったのは「緩和」。計画なしでもダメ。ゴリゴリの計画重視でもダメ。

ただ「緩和」といっても「何のために」の疑問は沸きます。緩和そのものが目的ではなく、今一番やりたいことをやるために緩和するのが本来です。
現副会長さんは「休むためにベンチ」等をおっしゃっていましたが、あんまり魅力的なアイデアとは思えません。いやベンチは大事ですけど。中学生にとって「休み時間にベンチ」はそんなに訴求力ないのでは…?

ローラたちが出したアイデアは確かに面白そうで、それを実現するための「緩和」です。
構造としてはローラに足が生えたのと同じ。「足を生やすこと(緩和)」が目的ではなく、今一番やりたいことをやろうとした結果として生えてきた。
(そういう意味では「生徒会長」「女王」も、やりたいことをやるために結果としてついてくるものとも)

皆で希望や実現案を出し合ったのも大事です。ローラがそこに気づいたかは描写されていませんが、仮に最終演説が「アイデアの披露」だけでなく、「アイデアを募り、検討する仕組みを作る(その実例が一連のアイデア)」の構成だったなら勝算も見えてきそうです。
露骨に後援についているトロピカる部の存在も説得力を増しますね。あの部は1年生がいきなり設立し、各種イベントを主催していますから実績もばっちりです。

アイデアを披露できないまま退場になってしまったのは残念ですが、まぁ勝っても負けても違和感はあるので仕方はない。
あえて深読みするなら、「アイデアを温めることにも意味がある」との流れかしら。グランオーシャンの女王を目指す上でもかなり役立つはず。

なお、ローラが最初に思い浮かんだやりたいことが「海の中の学校」なのは喜ばしい。サカナとしての矜持を失っていませんでした。隙あらば海に引きずり込もう。
とりあえずサカナ成分が足りません。なんか最近CMの人魚率は上がってるのに、肝心の本編の人魚が全然足りないです。人間態に見慣れると、いざ人魚になった時の破壊力が増すのでそれはそれで良いんですけど、焦らしすぎると即死しそうになるのでもっと小出しに垂れ流して欲しいです。
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(第29話)トロピカル~ジュ!プリキュア「甦る伝説!プリキュアおめかしアップ!」感想

2021年09月19日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第29話)トロピカル~ジュ!プリキュア「甦る伝説!プリキュアおめかしアップ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第29話より)

おめかしアップ後のラメールさん、一瞬、人魚っぽく見えるのが大変に良いです。一周回ってサカナに戻ればいいんだ。
夢の中の回想とはいえ、人魚態が出てきたのも素敵です。くるるんも異様に活躍する(但し何もしてはいない)し、今回の話の密度が素晴らしすぎます。
やっぱり「技後に足を上げたままのラメール」とか「誤射されるくるるん」とか、こういう無駄な1シーン嬉しい。

突如現れた大量のヤラネーダとの乱戦の中、サマーは取り込まれてやる気を喪失。だけどラメールらの想いだか何だかが鏡を通じてサマーに注ぎ込まれ無事に復活しました。理屈はよく分かりませんが、同様にやる気を奪われた第10話と対照的です。
10話の時には、夏海さんは自力で復活を果たしています。結果論ではあるけれど、ローラたちは直接の貢献はしていません。

「本来は自分を映す鏡に、二人の姿が映る」のも印象的。
夏海さんが言及したように、古来より鏡はマジックアイテムとして語り継がれています。人魚さんとも縁が深く、西洋式マーメイドは伝統的に手鏡と櫛を持っています。

これまでのトロプリでは「他者を助ける」要素はあまり感じず、「未来の自分を助ける」要素が強かったように思います。良くも悪くも自己解決している。
ですが今回、他者の力で夏海さんは立ち上がっています。まぁ放っておいても自力で復活しそうな雰囲気はあったし、駆けつけた面々も「私ら何かしたんだろうか…?」的な空気でしたが。それも演出の内なんだろうか。「助けようと強く足掻かなくても手助けになる」的な。

「魔女様はプリキュアを知らない」のも衝撃的です。状況から素直に推測するなら、魔女様の夢に出てきた正体不明の娘さんは伝説のプリキュア様でしょうか。その記憶を思い出させたくないのかしら。
伝説さんは伝説さんで「魔女を助けて」とか意味深なことをつぶやいています。事情を説明してくれ、まずは。

アンデルセンの「人魚姫」のイメージで言うなら、代償を払うのは人魚(※)であって魔女ではありません。不幸になる要素がない。
ディズニーの映画では成敗されますが、原典(は読んだことないのですけど原典アレンジの絵本とか)ではむしろ良い方です。人魚姫が上陸するための手助けをし、救済手段も用意してくれます。ということは伝説様の背中を押したとか、そんな役割なのかしら。それがどうして不幸になる。

※ローラが「プリキュアになるのは人間」と語っているので、伝説様は人間と思われます。「人魚姫」で魔女が手助けしたのは人魚。ややこしい。配役の都合なのか、ミスリードの一環なのかも分からない。

「あとまわし」の魔女ですから、何か「あとまわし」要素があるんでしょうけど何だろう?「トロピカる精神」の反対だとすれば「今いちばん大事なことをしなかった」で、「計画的すぎて将来の対応力を弱めた」「考えるばかりで行動しなかった」とかでしょうか。
「人間になる薬を持っていたが、自分ではそれを使わなかった」=「何らかの機会があったのに、それを伝説のプリキュアに譲った(あるいは活かせなかった)」とか?

アンデルセンを意識した推測をするなら、「泡になるのを防ぐために短刀を渡すべきだったのに、王子を諦めさせたくなくて後回しにした」=「伝説様の消滅と、世界の平和の二択を迫られ、決断できないまま(あるいは彼女を止めることができないまま)伝説様が犠牲になった。それを悔やんでいる」とか。

絵も話も演出も密度が濃すぎて、情報を整理できません。どこに向かって何をする気なんだろう…?
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(第28話)トロピカル~ジュ!プリキュア「文化祭!力あわせて、あおぞらメイク!」感想

2021年09月12日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第28話)トロピカル~ジュ!プリキュア「文化祭!力あわせて、あおぞらメイク!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第28話より)

文化祭です。トロピカる部はコスメ実践や研究発表をやることになりました。涼村さんの趣味全開。
一同がそれぞれの力を発揮して進める中、ふとローラは気が付いた。みのりは文学部の方をやりたいんじゃなかろうか。それを聞いた涼村さんの唖然顔が可愛いです。まぁ今の今まで自分の得意なコスメ推しだったわけで、「実はまずかった?」の焦りは分かる。

色々と気をもんだりはしたものの、先輩は先輩でちゃんと楽しみ、自ら選んだ上でトロピカる部を続けていらっしゃった。

予期せぬ期待もしなかった何かが、無関係に思えることに役立つのは往々にしてある。結果的に足が生え活用しているローラや、ペンギンオブジェを探すことで方針が決まったトロピカる部のように。
みのりん先輩も「小説に役立てよう」と思ってトロピカる部の活動を始めたのではないし、今も「小説に活かすために」活動しているのではない。ただそれはそれとして、今の活動は小説にも役立つはず。彼女に欠けていた「自分の体験」を今まさに積み上げています。

映画のコラボ相手のハトプリが「他人の事情は分からないが、お手伝いならできる」だったのに対し、トロプリは「何が自分の解決になるか分からなくても、一番大事なことをやっていれば助けになる」のように思えます。こうしてみると綺麗に対称になっていて、お互いを補ってる感が素晴らしい。

一方でどちらも「外見の変化(ファッション、メイク、プリキュア化)」をきっかけにしているのも面白いです。
中身を変えるのは大変だけど、外見を変えればつられて中身も変わるかもしれない。
花咲さんの場合は、来海さんがきっかけだった。みのりん先輩の場合、自分で自分にメイクしている。どちらが良い悪いといったことでなく、「他者を助ける」と「自分を助ける」の違いが表れています。

強いてあげれば、トロプリは「自分の変わりたい意思」をハトプリよりも強調しているのかもしれない。
第9話にて、ゲストの女優さんは中身の伴わないメイク作戦を試みて失敗しています。今回のサマーの変身口上「メイクは気合いだ」からも、「まず気合い(変わりたい気持ち)があって、それの表出としてメイク」に見えます。
思えばハトプリのデザトリアン療法だって「変わりたい」の想いが迸っていた。花咲さんも頻繁に「変わりたい」とおっしゃっていた。なので根っこは同じと思われますが、当時はあまりその観点は気にならなかったような…。もしかして映画で少し補完されたりするのかしら。
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(第27話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やる気が消える?水族館ふしぎツアー!」感想

2021年09月05日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第27話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やる気が消える?水族館ふしぎツアー!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第27話より)

ローラが久しぶりにサカナになる話。良い傾向だ。

イルカと触れ合えると聞きつけて、意気揚々と水族館に行ってみたところ、何故か疲弊しきっている人ばかり。
180分だの120分だの並んで待ってたら疲れるのは当然にも思えますが、それはそれとして「あとまわし」の方々がやる気を奪っていました。
健気に頑張ったのに、がっかりうなだれているイルカさんたちが物悲しい…。

いつもの「トロプリ」とも、「プリキュア」ともちょっと毛色が違うのが新鮮でした。主役は水族館そのもの。
最終的にイルカと触れ合ったのが3名のみというのも、何かちょっと面白い。興味関心や視点は色々ある。
話題になった「イルカの触り心地」も、「答え」は明かされず。こればかりは今のオンラインでは分からない。

ヌメリーとの追いかけっこも、短いながら楽しいです。
人魚態と人間態の切り替えが可能で、水陸両用のパーフェクト生物に見えたローラが、水棲のヌメリーにあっさり逃げられる。
ローラ視点ではジュゴンは彼女の邪魔をしていますが、ちょうどその時、見学客が来ていたので結果的には飛び込まなくて良かった。ジュゴンが意図してやったのかは分かりませんし、ローラがそのことに気づいたのかも不明ですが。

逃げるヌメリーも「もう見つかった」「やっと気づいたの?」と異なる発言をしています。
彼女としては「逃げながらヤラネーダの元に急いでいた(駆けつける前に、ヤラネーダを処分されたらヤバイ)」の焦りがあり、どうにか間に合った安心でちょっとパニックになっていたのかもしれない。

あと参考までに「ジュゴンが人魚の元ネタ」は日本ではほぼ誤解らしく、多いのはアシカ・アザラシ・リュウグウノツカイだそうです(参考1)。
また西洋でも発端はギリシャ神話のセイレーン(鳥の化け物)等で、「ジュゴンを見て人魚を思いついた」のではなく、「人魚の知識があったので、ジュゴンを見間違えた」が正らしい。もちろんジュゴンと全くの無関係の目撃談も多数あり、人魚の正体はそれだけでもかなり面白いです(参考2)。
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