穴にハマったアリスたち

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スマイルプリキュア! 第41話「私がマンガ家!?やよいがえがく将来の夢!!」

2012年12月29日 | スマイルプリキュア!感想
遅れに遅れましたが、黄色いまとめ回の感想。

■スマイルプリキュア! 第41話「私がマンガ家!?やよいがえがく将来の夢!!」

今日も今日とて黄瀬さんは、せっせと学校でイラストを描いておられました。
一応、休み時間は絵を描かず、ボーーーっと過ごしてた美翔さんと違い、大変にアクティブです。
黄瀬さんは割と、友達とずっと一緒にいなくても平気なタイプな気がする。プリキュアさんには珍しい。

とはいえ教室でそんなもの書いてたら目立っても当然のこと。
あれよあれよと祭り上げられ、漫画コンテストに参加することになってしまいました。
冷静になってみれば、黄瀬さんが漫画を描いてたことは全くないのですが、本人もまんざらではないようなので、気にすまい。

そんな黄瀬さんが題材に選んだのは「ミラクルピース」。
曰く、幼少時代からお付き合いのある妄想ヒロイン様だそうで。
お子様の頃からの憧れを形にするとか、なかなかに素敵です。



とはいえ現実は冷酷で。
描いても描いても漫画は完成しない。そもそもこれ、面白いのか?
沸いた疑念は膨らむばかり。周囲の期待も高まるばかり。



やがてどうしようもなくなった黄瀬さん、漫画原稿を破棄する奇行に。
だけどちょうどその時、バッドエンドの赤鬼さんがやってきた。
黄瀬さん単独という絶望的な戦闘が始まる…。

言うまでもなく、貧弱な黄瀬さん。
案の定、即座に劣勢に立たされました。
勝てるビジョンがまるで沸かない。



漫画の敵さん:
 「所詮お前はそこの泣き虫に作られた存在」
 「強いミラクルピースなんて存在しないんだ」

赤鬼さん:
 「こんな漫画と現実は違うんだオニ」
 「何がミラクルピースオニ。くだらないオニ」
 「所詮、弱虫のお前の中の幻オニ」

確かに「ミラクルピース」は幻想です。
誰よりも黄瀬さん自身がそのことはよく分かってる。
だって黄瀬さんが生み出したんだから。



黄瀬さん:
 「…ミラクルピースは幻なんかじゃない」
 「あなたの言うとおり、私は泣き虫で、一人じゃ何もできないと思った」
 「だから強いヒロインに憧れて、ミラクルピースを作りだしたんだって」

黄瀬さんが「ミラクルピース」に勇気づけられたこともまた事実。
架空だろうと妄想だろうと、救われたのだから、それは確かに存在しているはず。
例え他の人にとっては意味がないように見えても。

そしてもしもここで勇気をなくし、敵を相手に退いたなら。
自分の中の「ミラクルピース」を自ら否定することになります。
「現実なんてこんなもの」だと。それだけは絶対に嫌だ。



黄瀬さん:
 「ミラクルピースは私の中にちゃんといる」
 「私の中にほんの少しだけある強い心が、ミラクルピースなの…!」

自分の中のメルヘンの存在を証明するため、黄瀬さんは立ち向かう。
心の中にしかないメルヘンなのだけど、それは確かに存在していて、現実に立ち向かう勇気そのもの。
「作りだした」んじゃない。それは最初からずっと黄瀬さんの中にあった。
メルヘンは存在しない幻じゃない。私たちこそがメルヘンだ。

ミラクルピースが実在するから戦えるのではなく、戦うからミラクルピースの存在を示せる。
ミラクルさんからしてみれば、自分の存在意義は黄瀬さん如何にかかっています。
メルヘンに救われると同時に、救われた自分が戦う事が、メルヘンを救うことになってる。

序盤のメイン回での「愛を伝える」もそうですが、黄瀬さんが折れないことそれ自体が、受け取ったものの存在証明。
元来臆病なのは事実でしょうから、なかなかに過酷な話です。
自分の行動のせいで自分の好きな何かを否定してしまう。それが嫌なら戦うしかない。

「NS」を観て感じたこと(映画感想3周目)とほぼ同じ。
振り返ってみれば「NS」の内容は、かなり「スマイル」さんに通じてます。
時期の関係もあるので、計算してそうしたというよりも、「プリキュア」シリーズのテーマを踏まえつつ今やりたいことを実現したら結果的に一致した…なのかなとも思いますが…。
それだけ制作者様的にも大事なテーマなのかなと思う。

自分たちが熱意をこめて制作することで、「プリキュア」さんは存在できる。
「プリキュア」さんを観て大喜びしてくれるお子様がいることで、「プリキュア」さんは存在できる。
一時期「スマイル」さんは大友向けだと言われたこともありましたけど、デザイン云々ではなく、扱ってるテーマは確かにそうかもしれない。


(左画像)
スマイルプリキュア DXガールズフィギュア ~キュアピース&キュアマーチ 全2種セット

(右画像)
スマイルプリキュア! キュアピースクッションカバー


【今週の黄】



一般論として、自作漫画がオリジナル魔法少女ものだと、多少ひかれるものかと思われます。
ましてその漫画のごっこ遊び的ものを中学生のクラスメイトが始めるのは、ちょっと感覚として違うものを感じます。
ただ、この世界と私らの世界では事情が違うんですよね。かの世界には、プリキュアさんが実在している。

察するに警察官やアイドルと同様、「実在する特殊な職業」扱いのはず。
それなら心理的ハードルはかなり低い…ですよね。
あとは黄瀬さんの人徳のなせる技と思おう。

で、プリキュアさんが実在してることを思うと、同様の漫画は他にもありそうですね。
おそらくあの世界の漫画ジャンルには「プリキュア」が、「医者」とか「軍人」だとかと同じ感覚であるはず。
したがって、「アイドル名探偵」とか「女子高生実業家」みたいな感覚で、「プリキュア名探偵」とか「プリキュア実業家」みたいな漫画もあるに違いない。
その数々のオリキュア群を読んでみたい。プリキュアさんたちと一緒に。

【来年のプリキュアさん】

教えてもらいました。

プリくじ(アニメイトさん特設ページ)

プリキュアストア専用アイテムを取り扱ってくださるそうです。
今シリーズのアニメイト様のポジティブさは何なんでしょうか。
来年度も宜しくお願いしたいです。

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