久しぶりに聴いた「夢みる女の子」が相変わらずの名曲で感動したので、今更ながらプリキュア5のことを「鏡の国」やカワリーノさんが見せた悪夢を軸に考えてみた。
【春日野うらら】
「プリキュア5」の基本テーマは「夢を叶えることに意味はあるのか」だと思ってる。デスパライア様がまさしくそうで、望みを叶えてもその先がなかった。
その意味で、レモネは最も分かりやすい象徴的な立ち位置だと思う。
闇レモネは言った。女優になって何になるのか。
カワリーノさんによる悪夢も「女優になったけど、だから何だったのか」と目的を見失うものだった。
「女優になれない」ではなく「なっても意味がない」。
これに対するレモネの回答は凄まじい切れ味なのですけれど、何にせよ彼女の抱えている問題は「夢を叶えることに意味があるのか」。
後世のプリキュアで考えると、「ゴープリ」の春野さんがかなり近いテーマを扱ってます。
「ゴープリ」では「夢を叶えても次の夢と続く」「夢への道は果てがなく、いずれ心が折れて絶望する」。使っている言葉は違えど、根っこの問題は同じです。
奇しくも「プリンセス」=「民衆を勇気づけて影響を与える存在」は、「女優」のイメージとも被る。
レモネが「ゴープリ」に出演していても、かなりしっくりとくるんじゃないかしら。
【夏木りん】
夏木さんの場合は「親友に尽くすのは馬鹿げている」。彼女の夢は他者依存の要素が強い。
例の台詞「他に友達いないの?」は、彼女自身にも向けられた一種の自虐ともいえます。
皮肉なことに、夢原さんは夏木さんの助力をそこまで必要とはしていません。夢原さんは最終的に自力で立つ…というか、ココという強い拠り所を見出したので、夏木さんの存在がそこまで大きくない。
後の世のプリキュアでいえば、愛乃さんが近いのかなと思う。
愛乃さんの直接的な原動力は、プリカードにより母親の病気を治すことだった。でも母自身はそんなに切羽詰まっておらず、結果として空回りだった。
その後、彼女は初恋にも破れたわけで、「子供時代のキラキラした想いは、現実の前には無力」に直面し続けた。
仮に「プリキュア5」で「ハピネスチャージ」をやると、「夢原さんと違う道を歩む夏木さん」な展開になりそう。
子供時代の無邪気な「あたしがのぞみを守る」から卒業し、前に進む。ただそれはそれとして、苦しいときはいつでも呼んで、あたしは傍にいるから、みたいな感じで。
【水無月かれん】
かれんさんは「菱川さんらが居ないマナさん」かなと。
一人でできる。しかも一人の方が早くて確実。でもそれではいずれ限界が来る。
仮にかれんさんが「ドキプリ」に出演していたなら、マナさんとライバル的関係にあたる他校の生徒会長とかだったんじゃないかしら。
能力的にはマナさんと互角。でも腹心の菱川さんらの存在の差で負け、仲間の大事さに目覚める、といった感じ。
これだと追加戦士枠での参入ですけど、亜久里さんよりむしろ整合性のとれた流れな気がする。
【秋元こまち】
奇奇怪怪な「大量のこまちちゃん人形に埋もれる夢」は、闇ミントとの対話から推察するに、多分、姉の影響だと思う。
姉・まどかさんは豪放な性格をなさっており、その反動でこまちさんは落ち着いた性格にならざるを得ず、「気ままな姉と、良い子の妹」の役割分担に自然となってしまった。
こまちさんとしては、それを憎んでいるのではないけれど、物心つくころから選択の余地なく役割分担としてそうなってしまったことに、思うところがなくもない。
人形の持つ「自我がない、空洞」等のイメージや、闇ミントの語る「不公平、損」はそういったことじゃないかしら。
これを踏まえると、後のプリキュアで似ているのは いつきさんだと思う。彼女も、兄が病弱だったので結果的に「男っぽい(という表現は色々と厄介ですがあえて使うなら)」人生を歩んだ。
が、「男になりたい」のではないし、かといって「こんな自分が嫌」でもない。「可愛いものを好きになってはいけない」と誰かに言われたのでもない。
ただ、あくまで「結果としてこうなった」だけ。そして色々と葛藤はあったものの、今はそれを受け入れている。
表面のイメージは随分と違うけど、「ハートキャッチ」の追加戦士がキュアミントだったとしても意外に違和感はないかもしれない。
【夢原のぞみ】
彼女の問題は、自分の夢を持っていなかったこと。漠然とした憧れはあるし、他人の応援もしているけれど、自分の夢がない。何も知らないし、何も分からない。
当時「教師になる」の夢は随分と唐突に思えたのですが、「主体的な夢がなく、他人に全乗っかりしている」闇ドリームを見るに、「ココ以外の夢を持っている」ことは重要だったんだろうと思う。
ココに憧れて応援している内に、ココに影響を受けて「教師」という次の夢ができた。「パルミエ王国再建の夢を叶えた後、どうするのか(夢を叶えても意味がないのではないか)」への回答が、「夢を叶える過程で、次の夢が見つかる」。
他のプリキュアでいえば、近いのは星奈さんかもしれない。
「知りたい」から始まって、「知った」ことを元に変わっていく面で似通ってます。初めから目的を定めるのではなく、自分の思うままに進み、その過程で道を見つける。
(春野さんだと「プリンセス」の夢が強固に定まっているので、ちょっと違う)
もしも夢原さんが「スタプリ」に出演されていたなら、ノットレイダーの皆様をまぁ問答無用で殴り倒していらっしゃったろうと思う。
カッパードやテンジョウとは、下手に会話するより適切に殴り倒し続けた方が早期に分かり合えた気がしないでもないので、これはこれではまり役だった気がする。
【プリキュア5】
そんなことをとりあえず考えてみた。
逆に言えば「スター(ドリーム)・ラブリー(ルージュ)・フローラ(レモネード)・サンシャイン(ミント)・ハート(アクア)」で「プリキュア5」をできたんだろうか。
…できる気がする。細部は変わるにしても、元のシリーズのテーマと整合性をもったまま、ちゃんと「プリキュア5」になりそう。何か妄想の新しい領域を開拓した感がある。
【春日野うらら】
「プリキュア5」の基本テーマは「夢を叶えることに意味はあるのか」だと思ってる。デスパライア様がまさしくそうで、望みを叶えてもその先がなかった。
その意味で、レモネは最も分かりやすい象徴的な立ち位置だと思う。
闇レモネは言った。女優になって何になるのか。
カワリーノさんによる悪夢も「女優になったけど、だから何だったのか」と目的を見失うものだった。
「女優になれない」ではなく「なっても意味がない」。
これに対するレモネの回答は凄まじい切れ味なのですけれど、何にせよ彼女の抱えている問題は「夢を叶えることに意味があるのか」。
後世のプリキュアで考えると、「ゴープリ」の春野さんがかなり近いテーマを扱ってます。
「ゴープリ」では「夢を叶えても次の夢と続く」「夢への道は果てがなく、いずれ心が折れて絶望する」。使っている言葉は違えど、根っこの問題は同じです。
奇しくも「プリンセス」=「民衆を勇気づけて影響を与える存在」は、「女優」のイメージとも被る。
レモネが「ゴープリ」に出演していても、かなりしっくりとくるんじゃないかしら。
【夏木りん】
夏木さんの場合は「親友に尽くすのは馬鹿げている」。彼女の夢は他者依存の要素が強い。
例の台詞「他に友達いないの?」は、彼女自身にも向けられた一種の自虐ともいえます。
皮肉なことに、夢原さんは夏木さんの助力をそこまで必要とはしていません。夢原さんは最終的に自力で立つ…というか、ココという強い拠り所を見出したので、夏木さんの存在がそこまで大きくない。
後の世のプリキュアでいえば、愛乃さんが近いのかなと思う。
愛乃さんの直接的な原動力は、プリカードにより母親の病気を治すことだった。でも母自身はそんなに切羽詰まっておらず、結果として空回りだった。
その後、彼女は初恋にも破れたわけで、「子供時代のキラキラした想いは、現実の前には無力」に直面し続けた。
仮に「プリキュア5」で「ハピネスチャージ」をやると、「夢原さんと違う道を歩む夏木さん」な展開になりそう。
子供時代の無邪気な「あたしがのぞみを守る」から卒業し、前に進む。ただそれはそれとして、苦しいときはいつでも呼んで、あたしは傍にいるから、みたいな感じで。
【水無月かれん】
かれんさんは「菱川さんらが居ないマナさん」かなと。
一人でできる。しかも一人の方が早くて確実。でもそれではいずれ限界が来る。
仮にかれんさんが「ドキプリ」に出演していたなら、マナさんとライバル的関係にあたる他校の生徒会長とかだったんじゃないかしら。
能力的にはマナさんと互角。でも腹心の菱川さんらの存在の差で負け、仲間の大事さに目覚める、といった感じ。
これだと追加戦士枠での参入ですけど、亜久里さんよりむしろ整合性のとれた流れな気がする。
【秋元こまち】
奇奇怪怪な「大量のこまちちゃん人形に埋もれる夢」は、闇ミントとの対話から推察するに、多分、姉の影響だと思う。
姉・まどかさんは豪放な性格をなさっており、その反動でこまちさんは落ち着いた性格にならざるを得ず、「気ままな姉と、良い子の妹」の役割分担に自然となってしまった。
こまちさんとしては、それを憎んでいるのではないけれど、物心つくころから選択の余地なく役割分担としてそうなってしまったことに、思うところがなくもない。
人形の持つ「自我がない、空洞」等のイメージや、闇ミントの語る「不公平、損」はそういったことじゃないかしら。
これを踏まえると、後のプリキュアで似ているのは いつきさんだと思う。彼女も、兄が病弱だったので結果的に「男っぽい(という表現は色々と厄介ですがあえて使うなら)」人生を歩んだ。
が、「男になりたい」のではないし、かといって「こんな自分が嫌」でもない。「可愛いものを好きになってはいけない」と誰かに言われたのでもない。
ただ、あくまで「結果としてこうなった」だけ。そして色々と葛藤はあったものの、今はそれを受け入れている。
表面のイメージは随分と違うけど、「ハートキャッチ」の追加戦士がキュアミントだったとしても意外に違和感はないかもしれない。
【夢原のぞみ】
彼女の問題は、自分の夢を持っていなかったこと。漠然とした憧れはあるし、他人の応援もしているけれど、自分の夢がない。何も知らないし、何も分からない。
当時「教師になる」の夢は随分と唐突に思えたのですが、「主体的な夢がなく、他人に全乗っかりしている」闇ドリームを見るに、「ココ以外の夢を持っている」ことは重要だったんだろうと思う。
ココに憧れて応援している内に、ココに影響を受けて「教師」という次の夢ができた。「パルミエ王国再建の夢を叶えた後、どうするのか(夢を叶えても意味がないのではないか)」への回答が、「夢を叶える過程で、次の夢が見つかる」。
他のプリキュアでいえば、近いのは星奈さんかもしれない。
「知りたい」から始まって、「知った」ことを元に変わっていく面で似通ってます。初めから目的を定めるのではなく、自分の思うままに進み、その過程で道を見つける。
(春野さんだと「プリンセス」の夢が強固に定まっているので、ちょっと違う)
もしも夢原さんが「スタプリ」に出演されていたなら、ノットレイダーの皆様をまぁ問答無用で殴り倒していらっしゃったろうと思う。
カッパードやテンジョウとは、下手に会話するより適切に殴り倒し続けた方が早期に分かり合えた気がしないでもないので、これはこれではまり役だった気がする。
【プリキュア5】
そんなことをとりあえず考えてみた。
逆に言えば「スター(ドリーム)・ラブリー(ルージュ)・フローラ(レモネード)・サンシャイン(ミント)・ハート(アクア)」で「プリキュア5」をできたんだろうか。
…できる気がする。細部は変わるにしても、元のシリーズのテーマと整合性をもったまま、ちゃんと「プリキュア5」になりそう。何か妄想の新しい領域を開拓した感がある。