今年もTジョイ大泉さんの最速上映に行ってきました。
その正面にある東映アニメ様。
例年通り、上映終了後も電気がついてた。
制作者様の奮闘に感謝。
■映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち
どこかの国のどこかの場所にある妖精たちの学校にて。
今日も戦略兵器・プリキュアに関する講義が熱心に行われていました。
当事者たちの知らぬところで、義務教育が進んでく。
そして本日は、歴戦の英雄にして救国の勇者、タルトさんがゲスト講師としてやってきてくれました。
これには生徒一同大歓喜。
そうか、タルトさんたちはこうやって生活費を稼いでいたのか。
タルトさん:
「このプリキュアはんの名前が分かるかな?」
教室の大画面に映し出されたのは、ピンクの神っぽい娘さん。
生徒一同:
「「「キュアドリーム!!」」」
大変によく教育されています。
妖精たちの憧れ、搭乗してみたいプリキュアさんNo.1。
夢原さんの御威光はこんなところにまで届いてる。
タルトさん:
「ではこのプリキュアはんは?」
っ!!
私:
「キュアイーグレット!!」
おぉ…。美翔さんが単独でこんなに大画面に!
これはあれですか。美翔さんは夢原さんと同格だと公式に認めてもらえたと思っていいんでしょうか。
まさかタルトさん、「ドリームじゃ簡単すぎたから、知名度低い難しい問題だそう」とか、そんなんじゃないですよね。
やったぜ美翔さん!超格好いいです。
もう思わずミラクルライトをぶんぶん振り回しちゃいますよ。がんばれー!がんばれ美翔さん!!
生徒一同:
「………。。。」
しかし生徒の皆さまの反応はいまいち暗く。
せっかくの講義が無意味に中断してしまいました。
そんな感じで講義を妨害してしまった妖精・グレル、周囲から睨まれ、教室を飛び出していきました。
誰も自分を分かってくれない。
プリキュアプリキュアとちやほやしてるけど、玩具がなければただの猫背な女の子じゃないか。
グレルくん、途中で見かけたエンエンと合流すると愚痴をひとしきり。
そこに声が響いてきた。
そうだ、プリキュアなんて変身できなければただの女の子じゃないか。
謎の声に呼ばれるまま行ったところには、封印された水晶が。
そこから出てきた『影』にそそのかされ、グレルくんは野望を抱きます。
プリキュアオールスターズを壊滅させてみよう。そうしよう。
こうして始まった対オールスターズ。
はっきり言って正気の沙汰とは思えません。
何が楽しくてそんな命の綱渡りをするのか。かの学校では生命の尊さとか教えていないのか。
だけどグレルくんおよび『影』は極めて狡猾でした。
「プリキュアパーティ」なるイベントをでっちあげ、のこのこやってきた娘さん達を騙し打ちに。
完全に気を抜いているところを、不意打ちで急襲し、わき目もふらずに真っ先に玩具を狙い撃つ。
この戦法はハマる。
なんとMH、SS、GoGo、フレッシュ、ハートキャッチにスイートの錚々たる面々を撃破してしまった。
あまりといえばあまりの展開に、恐れおののくエンエンくん。
でもグレルくんたちを止める勇気は湧いてこない。
そこに少し遅れてスマイルチームがやってきた。
グレルくんたちにけしかけられ、エンエンくんがパクト奪取に向かいますが失敗。
痺れを切らした「影」が動きますが、これも失敗。
そして星空さんたちは臨戦態勢へ。なんだかよく分からないけれど、敵がいることは分かった!
星空さん:
「プリキュア・スマイルチャージ!!」
グレル:
「どうするんだ、変身しちゃったじゃないか!?」
パニックに陥るグレルくんが妙にリアル。
やばいですね。プリキュアさんが変身してしまいました。
何も知らない人が見たら、ただのコスプレしてる愉快な娘さんですが、彼らは非常によく彼女たちの恐怖を知っています。
真正面から戦ったら殴られる。それはそれはこっぴどく殴られる。
さあ、どうしよう。
普通に考えて逃げるしかない場面、だけど『影』は果敢に戦闘を挑み始めました。
愚かです。知らないんでしょうか、そこにいる娘さん達は化けものだという事を。
スマイルチームの属性攻撃の嵐に身を焼かれるがいい。
影:
「キュアサニーは炎のボール。火には水」
「キュアマーチは直球勝負」
ところが影は強かった。
単純戦力はそれほどでもありませんが、プリキュアさんに関する知識が半端ない。
しかもよりにもよって戦ってるのはスマイルさん。属性攻撃は対策が容易すぎる。
結果、大方の予想を裏切り、『影』はハッピーさんらを圧倒。義務教育って凄いな。プリキュアさんだって倒せちゃう。
なおハッピーさんの追加攻撃「ハッピーエンド」は、発動しさえすればこの手の敵は即滅させられます。
が、残念ながら起動する前にパクトを奪われてしまいました。敵さんの狙いは徹底的に玩具狙い。
玩具がなければただの人。
変身解除された星空さんたちは、他のプリキュア娘と同様に、全身を水晶化され封印状態。
徐々に動けなくなっていく中、ふと星空さんの目に泣くじゃくる謎生物の姿が。
エンエン:
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
どうしてあの子は泣いているのか。
詳しい状況は分からないものの、星空さんは察しました。
そこで微笑むと、エンエンに語りかけてみた。
星空さん:
「ドキドキプリキュアに伝えて欲しいな」
「ちょっとピンチ。助っ人をお願いって」
メルヘンに救われ、メルヘンに憧れて育ち、メルヘンと現実は違うと知った星空さん。
悲鳴をあげるメルヘンを救うため、ならばメルヘンを体現するのは自分自身だと悟った星空さん。
そんな彼女が、今度はメルヘンの側として、次の世代に助けを求める。
「スマイル」さんからのこの流れは呻くほど綺麗。
こうして既知のプリキュア全てを倒した『影』は、更に暴れて周囲を破壊しまくり。
ここにきてようやく、グレルくんも事の深刻さに気が付いた。
あれ?ちょっとヒーローになりたくてプリキュアさんにちょっかい出したはずなのに、どうしてこんな世界存亡の危機に直面してるんだ?
途方に暮れるグレル・エンエン両名は、『影』に追われて逃げる中、呑気にやってきた相田さんたちと遭遇。
まだ教科書にも載ってない最新鋭プリキュアさんの登場に、『影』はひとまず退散していきました。
とはいえ、事態が何か変わったわけでもない。
あまりの悲惨な状況に、エンエンは泣きじゃくり、グレルは怒りまくる。
もはやどうしようもない。
相田さん:
「それで、君はどうしたいのかな?」
そもそも、どうしてプリキュアを倒そうなんて考えたのか。
別にプリキュアさんが憎かったわけじゃない。
ただ羨ましかったんだ。自分だってヒーローになれるのに、プリキュアさんばかりが褒めそやされてて。
でも周囲の要望を無視して自分をアピールしても、そんな自己中では伝わらない。
根本的なところがプリキュアさんと違ってた。
相田さんからの問いかけに、グレルもエンエンも問題に立ち向かう決意をしました。
ここで相田さんが「どうしたいのか」と、本人たちに回答を考えさせたのは良いこと。
どうすべきかではなく、どうありたいのか。
他人の幸せを勝手に決めつけて、勝手に黄金を配って回った「幸福の王子」と違い、相田さんはちゃんと相手のご都合を考えられた。
「NS2」の彼女は、テレビ本編よりもちょっとだけ大人。
一方その頃、謎のプリキュアの存在を知った『影』は、奪い集めた変身アイテム一式を、滝壺に投棄。
力を合わせられたら厄介です。つくづく対プリキュアを学習しておられる。
これでは歴代の先輩方を復活させることができ…
シャルル:
「もしもし、メップルどこにいるシャル?」
メポ:
「妖精の滝メポ!」
完璧なはずの分断工作は、最新鋭の通信機器の前に敗れた。
現代は女子中学生様にもスマホが支給される時代。
居場所が分かれば、後はそこに行くだけ。
相田さんらとグレルくんらは駆けだしますが、そこに『影』が襲ってくる。
やむなく妖精どもを先に行かせて、ドキドキさん達は応戦開始。
妖精の滝を目指すグレルとエンエンは、ピンチに遭遇しながらも助け合う。
思えば辛い時、一人じゃなかった。
どうして今こうして頑張れるのか。それは大切な君のため。
救援に来てくれたポップ兄らのおかげもあり、奪われてた変身アイテム一式は回収できました。
が、謎の檻が砕けない。
そこでふと見れば、グレルの腰にひと振りの剣が。
エンエン:
「その剣を使おうよ」
グレル:
「これは玩具の剣だぞ」
でも何故か、この剣なら割れそうな気がする。
思いが込められた時、玩具は伝説の武器となる。
プリキュアさん達の数多のアイテムもそうだった。
こうして無事に取り出せた玩具を持って、救出された謎生物たちはプリキュアさんの元へ。
その光景を見たタルトさんらも応援を開始。
気合いをこめると、何もない空間からミラクルライトが出現。
この一連の描写を見る限り、おそらくプリキュアさんらは、本物の変身玩具がなくても、精霊たちがいたら変身できてたんじゃないかな。
序盤の教室の場面で「これは本物の玩具じゃないから変身できない」と説明されてましたが、多分あれでも変身できた。
肝心なのは玩具そのものの真贋ではなく、プリキュア娘と妖精たちの気合いや気持ちの方。
ミポメポらはともかく、ハミィたちのことも「変身アイテム」と呼んでるんですよね。
ハミィがいなくても、くどまゆとモジューレがあれば変身できるはずですが、上記の文脈でいえば無理。
結局のところ、プリキュア娘だとか玩具だとか、そんなものは形の一つに過ぎない。
プリキュアさんではなくったって、頑張ってる人は頑張ってるし、凄い人は凄い。
自分がプリキュアになること自体が目的なのではなく、大切な人たちを守ることが目的なんだから、形式的にプリキュアではないことを、嘆く必要はない。
そして逆説的ですが、プリキュアになることに拘るのではなく、仲間を守ろうとするために戦うのなら、それがつまりはプリキュア的生き方。
私たちは一人じゃない。お互いに助け合い、つながってプリキュアになっている。たった一人ではプリキュアは成立しない。
何人もの人たちの努力と、いくつもの困難を経て、パートーナーを得た娘さんらは、次々とプリキュア兵装を整えて行く。
もうこうなっては勝ち目はありません。各地で『影』たちの断末魔があがる。
妖精を狙うとプリキュアさんが横合いから殴ってくるし、プリキュアさんを狙うと後方からライト支援が飛んでくる。
プリキュアさんは一人で戦ってるわけじゃない。そのことが物理的によく分かる。
どうすればいいんだ、これ。どうしようもないですね、これ。
やがて『影』は吹き飛ばされ、残ったのは元の小さなサイズのみ。
じろりと睨むプリキュアの群れ相手に、もはや万事休す。
特にミルミルさんが怖いです。あの方、ご自分の境遇もあってこういうのに容赦なさそう。
しかしグレルくんはそこに割って入ると、自分の中の影を受け入れました。
プリキュアを倒したかったんじゃない。みんなに受け入れて欲しかったんだ。
そして受け入れてくれた友を、守りたい。
こうしてわずか一匹の謎生物による未曾有の惨劇は終結しました。
瓦礫の後片付けが残ってるけど、それは皆で頑張ろう。
そして瓦礫の中から数々のプリキュア教科書を見つけ、プライバシーについて真剣に悩むプリキュアさんらを見てみたい。
ゴリラ勢力の浸食が止まらない。東映アニメ様は、何かゴリラに弱みでも握られてるんだろうか。
【今春の鳥】
今回の美翔さんのクローズアップぶりは何なんでしょうか。
冒頭の教室でのシーンで、GoGoとSSから選ばれたのは、両シリーズが他に目立つ場面がなかったからと思われます。
そしてGoGoから夢原さんなのは分かる。やっぱりそこは神キュアですよね。
しかしながら、何故にSSが美翔さん。
いくらダブルヒロイン制とはいえ、普段ならば日向さんの方が前面に使われるのに。
もうあのシーンだけで元をとったも同然ですよ。良いものを見させてもらった。
おまけにラストシーンでは、ふよふよ浮かんで柱持ってるわ、微妙に端っこでお茶飲んでるわ。
何やってるんでしょうか、この子。
それとOPでは実に久々に絵を描いておられました。
絵画能力はデメリット能力としても扱われ、ここ最近はあまり強調されてなかったのに。
やっぱり「人の心が読める」とか「料理が得意」キャラで売るのは無理だったんですね。。
【今春の敵】
ありそうでなかった不意打ち&玩具狙い戦略。
ただ、テレビ本編の敵さんがやってこないのは、一応理由が推測できます。
(あくまで「傾向」なので、例外ケースはありますが)
初代・MH:
闇の戦士の生き様的に、そんなことしない。
SS:
日向さんの超頭脳戦により「太陽の泉はプリキュアと精霊(しか)知らない」と誤認していたため、不意打ちで仕留められなかった。
5:
ピンキーを集めてもらった方が手間が省けるので、必ずしも途中で倒す必要性が低かった。
GoGo:
「あなたに会いに行く」の夢原さんに対し、交渉拒絶の館長。故に携帯電話型玩具に価値を見出したりしない。
フレッシュ:
実行したけど失敗しました。
ハートキャッチ:
敵方の詳しい事情は存じません。
スイート:
実行したけど失敗しました。
スマイル:
…何でだろう?元が童話キャラなので様式美から逃れられなかった?
【今春のオールスターズ】
前回、賛否両論巻き起こした声の出演。
どうするかと思いきや、ギャグに昇華してきました。
これは予想しなかった。さすがスタッフ様たちは分かっておられる。
MHのふたりの出番が多かったのは、今回のテーマを考えると納得。
なんだかんだいっても、「妖精と協力してプリキュア」は黒白先輩のイメージが強いです。
ああほら美翔さん、落ち込まない。誰も「まぁ美翔さんらは二番煎じだしね」とかそんなこと言ってませんから。
パッション&ビートさんの裏切りコンビに出番があったのも、状況からして必然の流れ。
グレルが悪さをしたのは事実なので、このフォローは良かったと思います。
裏切りつながりでいえば、もしも美翔さんがウィンディ服を貸してあげてたら、霧生さんにもチャンスがあったかもしれない。どうせフォームチェンジしないのに、独り占めしたりするから…。
出番に関して、一番のラッキーガールは花咲さん。
来海さんはムードメーカー役としてライトが当たったんでしょうけど、花咲さんは必然性がよく分かりません。
天然悪女のあの方のことなので、上手いこと色仕掛けでもなされたのかしら。
陽光さん・月光さんが「太陽と月の力を持つプリキュア」と呼ばれ、汚染された太陽の回復を担当したのは、ちょっと意外でした。
確かに太陽の絵面がサンフラワーでしたので、連想はしましたけど、今まであんまり名前つながりでこういう演出はしてこなかったのに。
ということは、不死鳥的生き物がピンチだったりしたら、美翔さんにお鉢が回ってくるんでしょうか。
「安心してください。鳥の力を持つプリキュアがいます。さ、この子をお食べ」な感じで。
ひなたとかルミナスのことは忘れた。
【今春のオールスターズ2】
「NS1」や「スマイル」さんは、プリキュア(メルヘン)に憧れ、自分もまたプリキュア(メルヘン)になるお話。
「NS2」はそこから一歩進んで、何のためにプリキュアになりたかったのかを問う。
既に「ドキドキ」さん本編でも、プリキュア=暴力なのか?や、自己中と紙一重の相田さんのポジティブ行動が出てきてます。
今回のお話は、「NS1」のフュージョン視点とも言えますね。
ただ「NS1」の心をえぐられるインパクトと比べると、「NS2」は随分と柔らかく感じました。演じてるのが謎生物だからだろうか。
「初めての映画」キャンペーンもそうですが、今回は優しい演出を心がけたのかも。
総じて満足の映画でした。
昨年からの路線が継続されてたのは嬉しかった。
せっかく変えたんだもの、その道を進んで欲しい。
その正面にある東映アニメ様。
例年通り、上映終了後も電気がついてた。
制作者様の奮闘に感謝。
■映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち
どこかの国のどこかの場所にある妖精たちの学校にて。
今日も戦略兵器・プリキュアに関する講義が熱心に行われていました。
当事者たちの知らぬところで、義務教育が進んでく。
そして本日は、歴戦の英雄にして救国の勇者、タルトさんがゲスト講師としてやってきてくれました。
これには生徒一同大歓喜。
そうか、タルトさんたちはこうやって生活費を稼いでいたのか。
タルトさん:
「このプリキュアはんの名前が分かるかな?」
教室の大画面に映し出されたのは、ピンクの神っぽい娘さん。
生徒一同:
「「「キュアドリーム!!」」」
大変によく教育されています。
妖精たちの憧れ、搭乗してみたいプリキュアさんNo.1。
夢原さんの御威光はこんなところにまで届いてる。
タルトさん:
「ではこのプリキュアはんは?」
っ!!
私:
「キュアイーグレット!!」
おぉ…。美翔さんが単独でこんなに大画面に!
これはあれですか。美翔さんは夢原さんと同格だと公式に認めてもらえたと思っていいんでしょうか。
まさかタルトさん、「ドリームじゃ簡単すぎたから、知名度低い難しい問題だそう」とか、そんなんじゃないですよね。
やったぜ美翔さん!超格好いいです。
もう思わずミラクルライトをぶんぶん振り回しちゃいますよ。がんばれー!がんばれ美翔さん!!
生徒一同:
「………。。。」
しかし生徒の皆さまの反応はいまいち暗く。
せっかくの講義が無意味に中断してしまいました。
そんな感じで講義を妨害してしまった妖精・グレル、周囲から睨まれ、教室を飛び出していきました。
誰も自分を分かってくれない。
プリキュアプリキュアとちやほやしてるけど、玩具がなければただの猫背な女の子じゃないか。
グレルくん、途中で見かけたエンエンと合流すると愚痴をひとしきり。
そこに声が響いてきた。
そうだ、プリキュアなんて変身できなければただの女の子じゃないか。
謎の声に呼ばれるまま行ったところには、封印された水晶が。
そこから出てきた『影』にそそのかされ、グレルくんは野望を抱きます。
プリキュアオールスターズを壊滅させてみよう。そうしよう。
こうして始まった対オールスターズ。
はっきり言って正気の沙汰とは思えません。
何が楽しくてそんな命の綱渡りをするのか。かの学校では生命の尊さとか教えていないのか。
だけどグレルくんおよび『影』は極めて狡猾でした。
「プリキュアパーティ」なるイベントをでっちあげ、のこのこやってきた娘さん達を騙し打ちに。
完全に気を抜いているところを、不意打ちで急襲し、わき目もふらずに真っ先に玩具を狙い撃つ。
この戦法はハマる。
なんとMH、SS、GoGo、フレッシュ、ハートキャッチにスイートの錚々たる面々を撃破してしまった。
あまりといえばあまりの展開に、恐れおののくエンエンくん。
でもグレルくんたちを止める勇気は湧いてこない。
そこに少し遅れてスマイルチームがやってきた。
グレルくんたちにけしかけられ、エンエンくんがパクト奪取に向かいますが失敗。
痺れを切らした「影」が動きますが、これも失敗。
そして星空さんたちは臨戦態勢へ。なんだかよく分からないけれど、敵がいることは分かった!
星空さん:
「プリキュア・スマイルチャージ!!」
グレル:
「どうするんだ、変身しちゃったじゃないか!?」
パニックに陥るグレルくんが妙にリアル。
やばいですね。プリキュアさんが変身してしまいました。
何も知らない人が見たら、ただのコスプレしてる愉快な娘さんですが、彼らは非常によく彼女たちの恐怖を知っています。
真正面から戦ったら殴られる。それはそれはこっぴどく殴られる。
さあ、どうしよう。
普通に考えて逃げるしかない場面、だけど『影』は果敢に戦闘を挑み始めました。
愚かです。知らないんでしょうか、そこにいる娘さん達は化けものだという事を。
スマイルチームの属性攻撃の嵐に身を焼かれるがいい。
影:
「キュアサニーは炎のボール。火には水」
「キュアマーチは直球勝負」
ところが影は強かった。
単純戦力はそれほどでもありませんが、プリキュアさんに関する知識が半端ない。
しかもよりにもよって戦ってるのはスマイルさん。属性攻撃は対策が容易すぎる。
結果、大方の予想を裏切り、『影』はハッピーさんらを圧倒。義務教育って凄いな。プリキュアさんだって倒せちゃう。
なおハッピーさんの追加攻撃「ハッピーエンド」は、発動しさえすればこの手の敵は即滅させられます。
が、残念ながら起動する前にパクトを奪われてしまいました。敵さんの狙いは徹底的に玩具狙い。
玩具がなければただの人。
変身解除された星空さんたちは、他のプリキュア娘と同様に、全身を水晶化され封印状態。
徐々に動けなくなっていく中、ふと星空さんの目に泣くじゃくる謎生物の姿が。
エンエン:
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
どうしてあの子は泣いているのか。
詳しい状況は分からないものの、星空さんは察しました。
そこで微笑むと、エンエンに語りかけてみた。
星空さん:
「ドキドキプリキュアに伝えて欲しいな」
「ちょっとピンチ。助っ人をお願いって」
メルヘンに救われ、メルヘンに憧れて育ち、メルヘンと現実は違うと知った星空さん。
悲鳴をあげるメルヘンを救うため、ならばメルヘンを体現するのは自分自身だと悟った星空さん。
そんな彼女が、今度はメルヘンの側として、次の世代に助けを求める。
「スマイル」さんからのこの流れは呻くほど綺麗。
こうして既知のプリキュア全てを倒した『影』は、更に暴れて周囲を破壊しまくり。
ここにきてようやく、グレルくんも事の深刻さに気が付いた。
あれ?ちょっとヒーローになりたくてプリキュアさんにちょっかい出したはずなのに、どうしてこんな世界存亡の危機に直面してるんだ?
途方に暮れるグレル・エンエン両名は、『影』に追われて逃げる中、呑気にやってきた相田さんたちと遭遇。
まだ教科書にも載ってない最新鋭プリキュアさんの登場に、『影』はひとまず退散していきました。
とはいえ、事態が何か変わったわけでもない。
あまりの悲惨な状況に、エンエンは泣きじゃくり、グレルは怒りまくる。
もはやどうしようもない。
相田さん:
「それで、君はどうしたいのかな?」
そもそも、どうしてプリキュアを倒そうなんて考えたのか。
別にプリキュアさんが憎かったわけじゃない。
ただ羨ましかったんだ。自分だってヒーローになれるのに、プリキュアさんばかりが褒めそやされてて。
でも周囲の要望を無視して自分をアピールしても、そんな自己中では伝わらない。
根本的なところがプリキュアさんと違ってた。
相田さんからの問いかけに、グレルもエンエンも問題に立ち向かう決意をしました。
ここで相田さんが「どうしたいのか」と、本人たちに回答を考えさせたのは良いこと。
どうすべきかではなく、どうありたいのか。
他人の幸せを勝手に決めつけて、勝手に黄金を配って回った「幸福の王子」と違い、相田さんはちゃんと相手のご都合を考えられた。
「NS2」の彼女は、テレビ本編よりもちょっとだけ大人。
一方その頃、謎のプリキュアの存在を知った『影』は、奪い集めた変身アイテム一式を、滝壺に投棄。
力を合わせられたら厄介です。つくづく対プリキュアを学習しておられる。
これでは歴代の先輩方を復活させることができ…
シャルル:
「もしもし、メップルどこにいるシャル?」
メポ:
「妖精の滝メポ!」
完璧なはずの分断工作は、最新鋭の通信機器の前に敗れた。
現代は女子中学生様にもスマホが支給される時代。
居場所が分かれば、後はそこに行くだけ。
相田さんらとグレルくんらは駆けだしますが、そこに『影』が襲ってくる。
やむなく妖精どもを先に行かせて、ドキドキさん達は応戦開始。
妖精の滝を目指すグレルとエンエンは、ピンチに遭遇しながらも助け合う。
思えば辛い時、一人じゃなかった。
どうして今こうして頑張れるのか。それは大切な君のため。
救援に来てくれたポップ兄らのおかげもあり、奪われてた変身アイテム一式は回収できました。
が、謎の檻が砕けない。
そこでふと見れば、グレルの腰にひと振りの剣が。
エンエン:
「その剣を使おうよ」
グレル:
「これは玩具の剣だぞ」
でも何故か、この剣なら割れそうな気がする。
思いが込められた時、玩具は伝説の武器となる。
プリキュアさん達の数多のアイテムもそうだった。
こうして無事に取り出せた玩具を持って、救出された謎生物たちはプリキュアさんの元へ。
その光景を見たタルトさんらも応援を開始。
気合いをこめると、何もない空間からミラクルライトが出現。
この一連の描写を見る限り、おそらくプリキュアさんらは、本物の変身玩具がなくても、精霊たちがいたら変身できてたんじゃないかな。
序盤の教室の場面で「これは本物の玩具じゃないから変身できない」と説明されてましたが、多分あれでも変身できた。
肝心なのは玩具そのものの真贋ではなく、プリキュア娘と妖精たちの気合いや気持ちの方。
ミポメポらはともかく、ハミィたちのことも「変身アイテム」と呼んでるんですよね。
ハミィがいなくても、くどまゆとモジューレがあれば変身できるはずですが、上記の文脈でいえば無理。
結局のところ、プリキュア娘だとか玩具だとか、そんなものは形の一つに過ぎない。
プリキュアさんではなくったって、頑張ってる人は頑張ってるし、凄い人は凄い。
自分がプリキュアになること自体が目的なのではなく、大切な人たちを守ることが目的なんだから、形式的にプリキュアではないことを、嘆く必要はない。
そして逆説的ですが、プリキュアになることに拘るのではなく、仲間を守ろうとするために戦うのなら、それがつまりはプリキュア的生き方。
私たちは一人じゃない。お互いに助け合い、つながってプリキュアになっている。たった一人ではプリキュアは成立しない。
何人もの人たちの努力と、いくつもの困難を経て、パートーナーを得た娘さんらは、次々とプリキュア兵装を整えて行く。
もうこうなっては勝ち目はありません。各地で『影』たちの断末魔があがる。
妖精を狙うとプリキュアさんが横合いから殴ってくるし、プリキュアさんを狙うと後方からライト支援が飛んでくる。
プリキュアさんは一人で戦ってるわけじゃない。そのことが物理的によく分かる。
どうすればいいんだ、これ。どうしようもないですね、これ。
やがて『影』は吹き飛ばされ、残ったのは元の小さなサイズのみ。
じろりと睨むプリキュアの群れ相手に、もはや万事休す。
特にミルミルさんが怖いです。あの方、ご自分の境遇もあってこういうのに容赦なさそう。
しかしグレルくんはそこに割って入ると、自分の中の影を受け入れました。
プリキュアを倒したかったんじゃない。みんなに受け入れて欲しかったんだ。
そして受け入れてくれた友を、守りたい。
こうしてわずか一匹の謎生物による未曾有の惨劇は終結しました。
瓦礫の後片付けが残ってるけど、それは皆で頑張ろう。
そして瓦礫の中から数々のプリキュア教科書を見つけ、プライバシーについて真剣に悩むプリキュアさんらを見てみたい。
(左画像) 映画プリキュアオールスターズ New Stage2 こころのともだち オリジナル・サウンドトラック (右画像) 「映画プリキュアオールスターズ New Stage2 こころのともだち 」主題歌シングル 映画プリキュアオールスターズDX Blu-ray DXBOX (完全初回生産限定) |
ゴリラ勢力の浸食が止まらない。東映アニメ様は、何かゴリラに弱みでも握られてるんだろうか。
【今春の鳥】
今回の美翔さんのクローズアップぶりは何なんでしょうか。
冒頭の教室でのシーンで、GoGoとSSから選ばれたのは、両シリーズが他に目立つ場面がなかったからと思われます。
そしてGoGoから夢原さんなのは分かる。やっぱりそこは神キュアですよね。
しかしながら、何故にSSが美翔さん。
いくらダブルヒロイン制とはいえ、普段ならば日向さんの方が前面に使われるのに。
もうあのシーンだけで元をとったも同然ですよ。良いものを見させてもらった。
おまけにラストシーンでは、ふよふよ浮かんで柱持ってるわ、微妙に端っこでお茶飲んでるわ。
何やってるんでしょうか、この子。
それとOPでは実に久々に絵を描いておられました。
絵画能力はデメリット能力としても扱われ、ここ最近はあまり強調されてなかったのに。
やっぱり「人の心が読める」とか「料理が得意」キャラで売るのは無理だったんですね。。
【今春の敵】
ありそうでなかった不意打ち&玩具狙い戦略。
ただ、テレビ本編の敵さんがやってこないのは、一応理由が推測できます。
(あくまで「傾向」なので、例外ケースはありますが)
初代・MH:
闇の戦士の生き様的に、そんなことしない。
SS:
日向さんの超頭脳戦により「太陽の泉はプリキュアと精霊(しか)知らない」と誤認していたため、不意打ちで仕留められなかった。
5:
ピンキーを集めてもらった方が手間が省けるので、必ずしも途中で倒す必要性が低かった。
GoGo:
「あなたに会いに行く」の夢原さんに対し、交渉拒絶の館長。故に携帯電話型玩具に価値を見出したりしない。
フレッシュ:
実行したけど失敗しました。
ハートキャッチ:
敵方の詳しい事情は存じません。
スイート:
実行したけど失敗しました。
スマイル:
…何でだろう?元が童話キャラなので様式美から逃れられなかった?
【今春のオールスターズ】
前回、賛否両論巻き起こした声の出演。
どうするかと思いきや、ギャグに昇華してきました。
これは予想しなかった。さすがスタッフ様たちは分かっておられる。
MHのふたりの出番が多かったのは、今回のテーマを考えると納得。
なんだかんだいっても、「妖精と協力してプリキュア」は黒白先輩のイメージが強いです。
ああほら美翔さん、落ち込まない。誰も「まぁ美翔さんらは二番煎じだしね」とかそんなこと言ってませんから。
パッション&ビートさんの裏切りコンビに出番があったのも、状況からして必然の流れ。
グレルが悪さをしたのは事実なので、このフォローは良かったと思います。
裏切りつながりでいえば、もしも美翔さんがウィンディ服を貸してあげてたら、霧生さんにもチャンスがあったかもしれない。どうせフォームチェンジしないのに、独り占めしたりするから…。
出番に関して、一番のラッキーガールは花咲さん。
来海さんはムードメーカー役としてライトが当たったんでしょうけど、花咲さんは必然性がよく分かりません。
天然悪女のあの方のことなので、上手いこと色仕掛けでもなされたのかしら。
陽光さん・月光さんが「太陽と月の力を持つプリキュア」と呼ばれ、汚染された太陽の回復を担当したのは、ちょっと意外でした。
確かに太陽の絵面がサンフラワーでしたので、連想はしましたけど、今まであんまり名前つながりでこういう演出はしてこなかったのに。
ということは、不死鳥的生き物がピンチだったりしたら、美翔さんにお鉢が回ってくるんでしょうか。
「安心してください。鳥の力を持つプリキュアがいます。さ、この子をお食べ」な感じで。
ひなたとかルミナスのことは忘れた。
【今春のオールスターズ2】
「NS1」や「スマイル」さんは、プリキュア(メルヘン)に憧れ、自分もまたプリキュア(メルヘン)になるお話。
「NS2」はそこから一歩進んで、何のためにプリキュアになりたかったのかを問う。
既に「ドキドキ」さん本編でも、プリキュア=暴力なのか?や、自己中と紙一重の相田さんのポジティブ行動が出てきてます。
今回のお話は、「NS1」のフュージョン視点とも言えますね。
ただ「NS1」の心をえぐられるインパクトと比べると、「NS2」は随分と柔らかく感じました。演じてるのが謎生物だからだろうか。
「初めての映画」キャンペーンもそうですが、今回は優しい演出を心がけたのかも。
総じて満足の映画でした。
昨年からの路線が継続されてたのは嬉しかった。
せっかく変えたんだもの、その道を進んで欲しい。