■(第40話)ひろがるスカイ!プリキュア「なかよち♡ エルちゃんけっこんしき☆」感想
率直に感想を述べるなら、今作の男子プリキュアの問題点が如実に表れた回だと思った。
前提として今回の「結婚」は恋愛の情ではなく、「一緒にいたい」という寂しさから出てきたものです。だから「みんな仲良し、みんな一緒」というラストになる。
…のですけれど、ツバサくんが男子なせいでまるで男女の恋愛かのように誤認しかねず、「1歳児相手に…?」と無意味に株を下げてしまっている。
いっそ本気で恋愛ネタをしたかったのであればまだしも、これでは丸損です。
ツバサくんは「男子であることが活かされていない」「男子であることのデメリットは存在している」ので、かなり辛い立ち位置になってしまってる。
「男子であることが活かされていない」については「男女の違いはない、というのが番組コンセプトだ。男子に意味を見出そうとすること自体がおかしい」との反論もあるかと思いますが、残念ながら見当違いだと思う。
第一に、男女に違いはある。
「男子なのにプリキュアになるの!?」や「男は仕事、女は家事」のような『違い』はない。そんな話をしているのではなく、「他人同士の男女は一緒にお風呂に入らないよね」といった話です。物語的には、自然と別行動をとらせることができるなど、変化をつけるのに役立ちます。
デパプリのブラぺが正にそれで、和実さん達と別れて行動したり、「プリキュア」とは異なる「クックファイター」の系譜なのも違和感がない(デパプリはルーツがテーマなので、プリキュア以外の縦軸がいる)。
もしも彼が女子だったら「どうして一緒にいないの?仲が悪いの?」とか「どうしてプリキュアじゃないの?可哀そう」になりかねません。だから男子であることに意味がある。
もう一つはデメリットの存在です。
メリットはないのに「男子であることのデメリット」はあるなら、それはただ単にマイナスです。
最初に書いたように、彼が男子なせいで恋愛ネタかのような誤解が発生しています。
但しこれらは「だから男子は絶対にダメ」といったことではなく、今作での扱いの問題だと思う。
エルちゃんはよそのお家の女児なわけで、無関係の異性であるツバサくんは(はぐたんとハリーのような特殊な関係とは違い)養育にかなりの制限がかかります。
現実での男性保育士の問題等、かなり厄介なことがよぎってしまう。保育士志望のあげはさんがいるので猶更。
しかもマジェスティに成長しますから、常識的な判断をするなら、ツバサくんはエルちゃんの身の回りの世話から外れるはず。
つまり「エルちゃんと距離を置いて勉学に励む」あの行動そのものは、かなり自然でおかしくありません。
したがってラストが「僕は少し距離を置くけれど、嫌いになったのではない」の形で着地していれば、問題の大部分は解決していました。
(1) 「ずっと一緒にいること」だけが愛情ではない。これは「保育園に預けて働く父母」「下の子が生まれて、上の子との触れ合いが減った」など、現役視聴者にも刺さるテーマ。実際にましろさんの父母等は離れて暮らしていますから、全体の構成としても自然です。
(2) 「娘との入浴をやめる父」などに通じる。嫌いになったのでも、疚しい感情があるのでもないけど、それでも避ける。これも小学校入学前後の女児に当てはまる身近な話題。男児にとっても「そういうものなんだ」と知るのは大事。母との入浴や、温泉での別行動など関連する機会は色々とある。
女子プリキュアでも(1)は表現できますが、(2)は男子ならではです。
率直に感想を述べるなら、今作の男子プリキュアの問題点が如実に表れた回だと思った。
前提として今回の「結婚」は恋愛の情ではなく、「一緒にいたい」という寂しさから出てきたものです。だから「みんな仲良し、みんな一緒」というラストになる。
…のですけれど、ツバサくんが男子なせいでまるで男女の恋愛かのように誤認しかねず、「1歳児相手に…?」と無意味に株を下げてしまっている。
いっそ本気で恋愛ネタをしたかったのであればまだしも、これでは丸損です。
ツバサくんは「男子であることが活かされていない」「男子であることのデメリットは存在している」ので、かなり辛い立ち位置になってしまってる。
「男子であることが活かされていない」については「男女の違いはない、というのが番組コンセプトだ。男子に意味を見出そうとすること自体がおかしい」との反論もあるかと思いますが、残念ながら見当違いだと思う。
第一に、男女に違いはある。
「男子なのにプリキュアになるの!?」や「男は仕事、女は家事」のような『違い』はない。そんな話をしているのではなく、「他人同士の男女は一緒にお風呂に入らないよね」といった話です。物語的には、自然と別行動をとらせることができるなど、変化をつけるのに役立ちます。
デパプリのブラぺが正にそれで、和実さん達と別れて行動したり、「プリキュア」とは異なる「クックファイター」の系譜なのも違和感がない(デパプリはルーツがテーマなので、プリキュア以外の縦軸がいる)。
もしも彼が女子だったら「どうして一緒にいないの?仲が悪いの?」とか「どうしてプリキュアじゃないの?可哀そう」になりかねません。だから男子であることに意味がある。
もう一つはデメリットの存在です。
メリットはないのに「男子であることのデメリット」はあるなら、それはただ単にマイナスです。
最初に書いたように、彼が男子なせいで恋愛ネタかのような誤解が発生しています。
但しこれらは「だから男子は絶対にダメ」といったことではなく、今作での扱いの問題だと思う。
エルちゃんはよそのお家の女児なわけで、無関係の異性であるツバサくんは(はぐたんとハリーのような特殊な関係とは違い)養育にかなりの制限がかかります。
現実での男性保育士の問題等、かなり厄介なことがよぎってしまう。保育士志望のあげはさんがいるので猶更。
しかもマジェスティに成長しますから、常識的な判断をするなら、ツバサくんはエルちゃんの身の回りの世話から外れるはず。
つまり「エルちゃんと距離を置いて勉学に励む」あの行動そのものは、かなり自然でおかしくありません。
したがってラストが「僕は少し距離を置くけれど、嫌いになったのではない」の形で着地していれば、問題の大部分は解決していました。
(1) 「ずっと一緒にいること」だけが愛情ではない。これは「保育園に預けて働く父母」「下の子が生まれて、上の子との触れ合いが減った」など、現役視聴者にも刺さるテーマ。実際にましろさんの父母等は離れて暮らしていますから、全体の構成としても自然です。
(2) 「娘との入浴をやめる父」などに通じる。嫌いになったのでも、疚しい感情があるのでもないけど、それでも避ける。これも小学校入学前後の女児に当てはまる身近な話題。男児にとっても「そういうものなんだ」と知るのは大事。母との入浴や、温泉での別行動など関連する機会は色々とある。
女子プリキュアでも(1)は表現できますが、(2)は男子ならではです。
(1)の側面もあるので、わざわざ大袈裟に「男子だから離れます」と言わせる必要もない。(2)は自然と読み取れます。
こういう「男子であることを活かす」展開にもできたのに、「男子であることを目立たせない」方針で避けた結果、「1歳児相手にマジになるおかしな人」というデメリットを抱え込んでしまった。
男子プリキュアだから全部ダメなのではなく、公式側の取り扱いの失敗に思えます。
(「これがベストのシナリオだ!そうじゃなかったからダメだ!」と言いたいのではない。「男子であることを活かす」をイメージしやすいように、容易に可能な具体例を出したいだけ)
更に付け加えると、先日かなり唐突に降ってわいてきた「賢者」のことを考えても「勉学に励む」の方が一貫性があります。
今回はまたナイトに戻ってきてしまい、「賢者」と「ナイト」は理屈としては両立はするものの、フラフラと行き当たりばったりに見えてしまう。
「男子であること」を活かせないどころか、「男子であること」を描写するのを避けたせいで物語的にも不自然になったのだとしたら、もう「失敗」としか言えないように思う。
公式インタビューを見ていると、男子であることの抵抗を減らすために、「毒抜き」に腐心したようです。
「男児に人気が出るように」ではなく「女児から嫌われないこと」を重視していたらしい。
それが裏目に出たのか、「男子」はかなり特徴的な性質で活かそうと思えば大いに活かせたはずなのに、残念な結果になってしまったように見えてならない。
【蛇足1】
こういう「男子であることを活かす」展開にもできたのに、「男子であることを目立たせない」方針で避けた結果、「1歳児相手にマジになるおかしな人」というデメリットを抱え込んでしまった。
男子プリキュアだから全部ダメなのではなく、公式側の取り扱いの失敗に思えます。
(「これがベストのシナリオだ!そうじゃなかったからダメだ!」と言いたいのではない。「男子であることを活かす」をイメージしやすいように、容易に可能な具体例を出したいだけ)
更に付け加えると、先日かなり唐突に降ってわいてきた「賢者」のことを考えても「勉学に励む」の方が一貫性があります。
(故に「男子だから世話をできない」とわさわざ性差に言及しなくても成り立つ)
今回はまたナイトに戻ってきてしまい、「賢者」と「ナイト」は理屈としては両立はするものの、フラフラと行き当たりばったりに見えてしまう。
「男子であること」を活かせないどころか、「男子であること」を描写するのを避けたせいで物語的にも不自然になったのだとしたら、もう「失敗」としか言えないように思う。
公式インタビューを見ていると、男子であることの抵抗を減らすために、「毒抜き」に腐心したようです。
「男児に人気が出るように」ではなく「女児から嫌われないこと」を重視していたらしい。
それが裏目に出たのか、「男子」はかなり特徴的な性質で活かそうと思えば大いに活かせたはずなのに、残念な結果になってしまったように見えてならない。
【蛇足1】
なお仮に「恋愛ネタを意識してやった」のであれば、事態はもっと悪い。
最後の「みんな一緒」の位置付けが、「1歳児相手に…?」を誤魔化すためになってしまう。
誤魔化さないとまずいと承知のネタを、男子だからついやってしまったとなると、設定の失敗どころではなくなると思う。
【蛇足2】
「女子であること」の意味は明確です。
「女の子だって暴れたい」のキャッチコピーの通り、「女の子は手がかからなくて大人しい」の偏見へのカウンターが核となって始まった番組だからです。
プリキュアに変身して戦っている(大人しいとの偏見を破って暴れている)時点で、「女子であること」に意味が出ている。
このキャッチコピーとセットになるのは「男の子だって大人しくしていたい」ですから、「戦わないプリキュア」「戦闘力は低いが、別のことで解決するプリキュア」であれば男子の意味があるとも言えるのですが、ツバサくんはこの面でもブレてしまっている。
(ちなみに例の舞台の方は、この点はちゃんとクリアしていて、男子であることに意味を持たせられている)
【蛇足2】
「女子であること」の意味は明確です。
「女の子だって暴れたい」のキャッチコピーの通り、「女の子は手がかからなくて大人しい」の偏見へのカウンターが核となって始まった番組だからです。
プリキュアに変身して戦っている(大人しいとの偏見を破って暴れている)時点で、「女子であること」に意味が出ている。
このキャッチコピーとセットになるのは「男の子だって大人しくしていたい」ですから、「戦わないプリキュア」「戦闘力は低いが、別のことで解決するプリキュア」であれば男子の意味があるとも言えるのですが、ツバサくんはこの面でもブレてしまっている。
(ちなみに例の舞台の方は、この点はちゃんとクリアしていて、男子であることに意味を持たせられている)
巷の感想でもカップリングとして盛り上がっている層もいますから、特には不自然な連想ではないでしょう
また、「そのようなリスクをおかすメリットがない」のもポイントです。
他の3人だと軽く受け流してしまいそうなので 「守るべき赤ちゃん」だけではなく「目上の存在」としても意識しているのもありますね
カップリングで盛り上がりたい人達(一応、大人オタクだけとは限らない)へのサービス的な面も否定はできませんが
確かに落差をつけるには男子の方が適任だったかもしれないです。
ただ落差がつくということは結婚相手として意識してしまってること、恋愛感情ではないのはすぐに説明される(「ごっこ遊びがしたいんだろう」)のでネタとして強くないこと、ソラなら大真面目に悩みそうに思えるので代役はできそうなこと、を思うとやっぱり厳しいかなと思います
「結婚を良くわかっていないソラが、ツバサくんを指名して結婚ごっこ。恋愛と勘違いして一騒動あってから、実は違うとわかる」だったなら、ツバサくんが適任だと思います。エルちゃんが赤ちゃんなのが、問題をややこしくしていますね…