サヨコの独り言

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没後50年《藤田嗣治展》 -東京都美術館にて-

2018年09月19日 | 展覧会

19日(水)、上野公園内を歩いていたら、噴水前広場で交通安全教室をやっていました。「是枝瞳」さんが警視庁・上野警察署一日警察署長として参加していました。「是枝瞳」さんは「ミス美しい20代コンテスト」の初代グランプリに輝いた女優さんです。空手三段の腕前で「東京五輪空手スペシャルアンバサダー」を務めているそうです。一日警察署長になるのに憧れていたとの事。ついでに「シートベルト衝撃体験車乗車」と「セーフティサポートカー体験乗車」に参加して来ました。

「国際子ども図書館」に前から行ってみたかったのですが、運悪く第三水曜日が休館日でした。仕方が無いので「黒田清輝」の遺言によって竣工されたと言う「黒田記念館」に寄ってみました。記念室は初めて観る作品が多かったです。特別室は御馴染みの作品が展示してありますが、観られる日が限定されているとの事で観る事が出来ませんでした。「東京都美術館」に着いたらシルバーデーだったので、「藤田嗣治展」は50分待ち(実際には40分位でした)になっていました。着いたのが遅かったので、閉館の5時まで慌ただしかったです。色々と寄り道しなければ良かったと反省しました。

「藤田嗣治」は明治の半ばの日本に生まれ、80年を超える人生の約半分をフランスで暮らし、晩年にはフランスに帰化して洗礼を受けました。洗礼名は「レオナール・フジタ」。自ら設計して宗教画など内装を行なった「フジタ礼拝堂」に奥様と共に埋葬されています。「ピカソ」や「モディリアーニ」とも親交があり、影響を受けました。今回、日本初公開を含む100点以上の作品が、「東京都美術館」に集結した大回顧展です。

主な作品は、パンフレットより・・・ ◆【カフェ】はフランスに思いを馳せながらニューヨークで描かれました ◆【私の夢】は擬人化された動物に囲まれ、涅槃図の様にもみえます ◆日本初出品になる【エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像】は背景に銀箔が使用されています(上)。 出世作の【私の部屋、目覚まし時計のある静物】は独特の白い下地に細い墨の線で描くという技法によって完成した初めての静物画です(左) ◆【タピスリーの裸婦】は「ジュイ布」を背景に白い人肌が引き立っています(右)。ネコ好きな 「藤田嗣治」の作品にはネコが多く描かれています。

「ジュイ布」と呼ばれるフランス更紗の細かい装飾描写は緻密に描かれていました。面相筆で細く描かれた女性の手足の指先には生命感を感じました。【カフェ】や【美しいスペイン女】はモチーフに合わせて自分で作った額縁を使用していました。【カフェ】の額縁はコーヒーカップなどが彫ってあって可愛いかったです。他にも食器類や木箱・【教会のマケット(模型)】などの手仕事も沢山ありました。自分で着る服も作ったりしていたそうで、手先が器用な人だったのですね。

激動の時代に数奇な人生を歩み、その変遷と共に作風も変わって行きました。特に自ら編み出した「乳白色の下地」による裸婦は他に類を見ない作品です。墨を使って輪郭と陰影を表した透明感のある肌の表現は、陶器の様で浮世絵にも通じるものがありました。この質感は実物でしか味わえず、画集などの印刷物では分かり難いと思います。金箔・銀箔を使った表現も日本人ならではと思いました。「藤田嗣治」は <世界に日本人として生きたい> と願っていたそうです。

余談ですが、私の父は戦争中に通っていた「太平洋美術学校」を中退しました。戦後、勉強を再開する為に池袋の「鶴田吾郎」氏の教室に通っていた時に、「藤田嗣治」氏が教室を覗きに来たそうです。多分、日本を離れる前に親交のあった「鶴田吾郎」氏に挨拶に来たのかもしれません。

「是枝瞳」さん / 黒田記念館 /  「藤田嗣治」のイラスト


カフェ <自分で作った額縁を使用>
 

私の夢(下) / エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像 <背景に銀箔を使用>
 

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