《手作りのおひなさま展》と同じ日、引き続き《文明開化と明治浮世絵展》を観て来ました。近世江戸時代に開花した「浮世絵」は、明治維新後には人工染料である「アニリン染料」(洋紅)を多用し、新時代を象徴する鮮やかな色彩として好まれました。この様な絵は「赤絵」と呼ばれ、空や森まで真っ赤に表現されていました。明治時代の「浮世絵」は、目新しい蒸気機関車や鉄道馬車・洋風の衣装や建築物などがその変化の象徴として描かれ、東京みやげとして全国に広められました。本展では、変わりゆく東京・横浜の風景や、成田市ゆかりの「市川団十郎」(九代目)の歌舞伎の「浮世絵」など45点が展示されていました。
【 東京浅草寺並二公園地陵雲閣ノ高塔其他近傍吾妻橋遠景之真図 】(横3枚続のうち2枚)には、「浅草十二階」として有名だった「凌雲閣」が描かれています。「凌雲閣」は当事の日本で一番高い建物で、「電動式エレベーター」を備えていました。関東大震災で半壊して解体されました。
【 東京名所之内 不忍の池競馬会社開業之光景 】(横3枚続)は「上野不忍池」で行なわれていた競馬が描かれています。馬券は発売されず、ギャンブルとしての開催ではなく、屋外の鹿鳴館ともいうべきものだったそうです。明治天皇をはじめ華族、政府高官や財界人を含む多くの観衆を集めて華やかに開催されました。
【 東京府下自慢競 駿河街三井 】(縦1枚)は現在の日本橋室町の「三井本館」と「三越本店」の間の「江戸桜通り」を描いたものです。「駿河街」の名は「富士山」の眺望がきく景勝の地であることに因んでいるそうです。
明治時代に写真術が輸入されると、「役者絵」・「相撲絵」に代わる物として【 ブロマイド 】が販売される様になりました。尚、【 江戸町壱丁目玉屋内 若紫 】(縦2枚続)は江戸末期の作品です。これと同じ「浮世絵」が「アメリカ・ボストン美術館」に収蔵されています。
パンフレット・表・下段左:【 東京府下自慢競 駿河街三井 】 <江戸桜通りを描いたものです>
【東京浅草寺並二公園地陵雲閣ノ高塔其他近傍吾妻橋遠景之真図 】 / 【 東京名所 二重橋 】
【 東京名所之内 不忍の池競馬会社開業之光景 】
日本橋室町の三井本館と三越本店の間の江戸桜通り / ブロマイド /【 江戸町壱丁目玉屋内 若紫 】
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素晴しい物をご覧になりましたね。滅多に見られない
物だと思います。
浅草の12階、不忍池の競馬、綺麗ですね。
サヨコさまはお幸せです。
この時、鑑賞していたのは私一人でした。緊張しましたが、ゆっくり観る事が出来ました。
江戸時代の「浮世絵」と違って、鮮やかな赤や紫を多用した明治時代の「浮世絵」は変革の時代に合っていた様な気がします。
「上野不忍池」の競馬は、2月27日の「世界ふしぎ発見」≪ 上野公園は歴史のテーマパーク ≫ で紹介されていたので、親近感を感じました。12階建ての「凌雲閣」からは「富士山」も良く見え、ランドマークになっていたのでしょうね。