去る8月26日(日)、アイビーホール青学会館において第25回産業振興フォーラムが開催されました。
今回のテーマは「佐渡の魅力を発信」、お二人の講師をお招きしての佐渡観光を考える講演会です。佐渡の基幹産業である観光がテーマということで、連日の酷暑の中にも関わらず、82名という多くの方にご参加いただきました。
第一部講演はサンフロンティア佐渡取締役の八重田かおりさん
横浜市の出身で、佐渡の金井千種に今年7月にオープンした「たびのホテル佐渡」並びに相川のホテル吾妻の支配人でもあります。
親会社はサンフロンティア不動産(社長は小木出身の堀口 智顕氏)です。
講演のタイトルは「佐渡の魅力を世界に発信」~佐渡再生の鍵は実はここにあった~
佐渡には縁もゆかりもなかった八重田さんが佐渡でのホテルビジネス立ち上げで関わった中で発見した魅力満載の佐渡を多くの方々に知っていただき、佐渡により多くの観光客を呼び込もうという講演でした。
たびの人が感動する、佐渡の7つの魅力ということで、八重田さん自身が感動した佐渡の魅力、①絶景、②食、③酒、④芸能、⑤歴史、⑥自然、⑦体験アクティビティ、各々の具体例を数多くの写真でご紹介いただきました。
佐渡の観光客増にはインバウンドの取り込みが鍵、ということで、アジアはもちろんのこと、ヨーロッパの人々をも魅了する佐渡の魅力について熱く語っていただきました。佐渡を沖縄や北海道と同じく、リゾートアイランドと位置付ける。ということで、そのためには多くの課題に取り組む必要がある、と。
佐渡を世界から人気のリゾートアイランドにするには、まず、自分たちの魅力を改めて知りましょう!ということで、「たびのもん」から見た佐渡の素晴らしさを改めて認識してほしいと訴えていました。そのためには意識改革も必要で、スライドにある5つのポイントを紹介いただきました。
① 自分達の魅力を改めて知る!
② 言葉の壁を無くす!(バス、道路標識を含め)
③ 世界の常識を取り入れる。(無料WiFi,クレジットカード)
④ 宿泊、食事、買い物(お土産)の充実
⑤ まずは、佐渡人の意識改革(歓迎感)
NGワードは
X無理だっちゃ、出来んちゃ、ダメだっちゃ
最後にサンフロンティア佐渡(株)の佐渡での観光事業のビジョンを紹介頂きました。ホテル業のみならず、旅行業、交通インフラ、観光地づくりまで幅広い分野にまで進出するということで、佐渡観光の変革の波を予感する講演となりました。
第二部の講演は佐渡観光交流機構・専務理事の清永治慶さん。
「佐渡観光の課題と未来を創る」~お客様目線で佐渡島内外の力を結集し、新しい佐渡の文化の創造を~ということでお話を頂きました。
清永さんはこの4月に発足した佐渡観光交流機構に島外から参加された方で、佐渡とは縁もゆかりも無い方です。経歴によれば鹿児島の生まれで今年47歳、大手洋酒メーカー勤務の後、地方のスキー場や各種行楽施設などの再生等で経験豊かな方で、この度縁あって佐渡の観光経営を指揮することになったようです。
佐渡観光のV字回復を期待されての就任で、「日本一の観光地をめざし、観光地域づくりを進める」とのビジョンを持ち、その具体策を紹介頂きました。
2025年には70万人観光、2030年には島外関係人口100万人を目標に掲げています。
その100万人とは佐渡島外に住み、佐渡のことを思い、毎年1回は佐渡に来る。他人に薦められる顔が見える人。つまり人は誰かから薦められる事がない限り、その地域には足を向けないという現実があるからです。
100万人の関係人口を増やすためにやることは
① なんでもいいから他の観光地にない日本一を探す
② 他の観光地がやっていないことを行う。
③ 企業とのコラボレーションを進める。
④ 行く前から帰りつくまでを考え、佐渡だけじゃないところでも満足させる。
皆さまにお願いしたいこと。ということで、本日の聴衆が佐渡出身の実業家が多いこともあり、
① 佐渡のことを好きになってください。
② 佐渡好きな人だけで集まってください。
③ 佐渡に年間5人は誘ってください。
④ 佐渡のものを買ってください。
⑤ 佐渡のものをお中元やお歳暮で贈ってください。
⑥ 社員旅行を行ってください。
の6つのポイントをあげられました。
佐渡を愛する人の力で
佐渡を日本一の観光地にと訴えました。
このフォーラムの開会にあたり、首都圏佐渡連合会の坂田正通会長、佐渡市産業観光部の坂田和三部長、各々連合会、佐渡市の近況報告がありました。
フォーラムの後の懇親会は首都圏佐渡連合会の摩尼相談役の乾杯の音頭で始まり、講演者と懇談との懇談で盛り上がりました。
今回の産業振興フォーラムは期せずして、島外出身者の講演となりました。外部の知見を活かし、佐渡観光の新たな方向性を具体的な推進力のある方がリードする様が伺え、非常に有意義なフォーラムとなりました。
このフォーラムの講演記録を作成しております。上がり次第、このブログでお知らせいたします。ご期待ください。
(報告:小路 徹)