去る1月28日(日)東京交通会館において「金の道フォーラム」が開催されました。
昨年秋冬にかけて実施された「御金の道ウォーク」の総括と位置付けるフォーラムで、今年7月に予定されている佐渡の世界遺産決定の機運を盛り上げるために開催されたものです。
今回のフォーラムの目玉は国際記念物遺跡会議イコモス名誉会長・河野俊行の講演と「金荷の道ウォーク」を実施した地域の方々とのパネルディスカッション。
開会の挨拶をされる佐渡市渡辺市長
イコモス名誉会長の河野氏の講演は「鉱山と世界遺産-佐渡との比較において-」と題する学術的な内容で、世界遺産の推薦にあたっては、現状を国内、地域、世界的観点からマッピングしてギャップを明らかにして、その推薦資産がギャップを埋めることを明らかにし、推薦資産が持つ顕著な普遍的な価値を補強しなければならないと訴えます。
そして世界の鉱山の世界遺産と金山の世界遺産の数々を一つ一つ検証し、佐渡の金山には既にある世界遺産とは異なる特徴があり、他の遺跡とは異なる普遍的な価値が十分評価されうるのではと話されました。
日本銀行金融研究所貨幣博物館の福山康弘氏は佐渡の金山と日銀の繋がり、並びに日銀の「貨幣博物館」「金の道プロジェクト・デジタルスタンプラリー(3月10日まで)等をご紹介頂きました。
佐渡を世界遺産にする新潟の会副会長・佐々木充氏は「佐渡から江戸へ御金の道」と題し、昨年9月23日から12月9日にかけて実施された「御金の道ウォーク」の様子を映像とエピソードを交えながら紹介。佐渡から、出雲崎、そして北國街道から中山道、江戸へと至る街道筋のポイントを写真とエピソードで紹介、江戸時代の装束に身を包んだ参加者が街道をたどりながら地元の人々と交流を深める様子もご紹介頂きました。
続くパネルディスカッションは「金の道から広がる地域の輪」ということで、佐渡を世界遺産にする会副会長・河野雅利氏、北國街道の手をつなぐ会会長・三輪 正氏、碓井関所保存会事務局長・中島徳造氏、板橋史談会特別会員・吉田正博氏の4名の方が新潟日報東京支社長・鶴間尚氏をコーディネーター役として進行し、各地域での現在の取り組みを紹介するとともに、今後の展望として北國街道、中山道を結ぶイベントで各地域の地域起こしを強化したい、また20年ほど前に実施されていた佐渡から東京に向けての16日間のウォーキングを実施したい(板橋の吉田氏)等のご意見も聞かれました。
なお、開会に先立ち佐渡からも市議会議長、県会議員、市会議員をはじめ大勢の方にご参加いただきました。定員165名の会場はほぼ満席で最後まで真剣なまなざしで講演に耳を傾けていました。
最後の挨拶は新潟県副知事・橋本憲次郎氏