先週末5月19日(土)、大崎ブライトコアホールにおいて【「宝の島佐渡」の魅力を知る】と銘打った首都圏イベントが開催されましたので、その報告です。
当日は天候も良く、また、プログラムも多彩ということで350名という多数の皆さまにご参加頂きました。
イベントは3部構成で
①佐渡市産業観光部世界遺産推進課による「世界遺産登録に向けた取組報告
②佐渡首都圏大学連携校による発表
③世界遺産・熊野古道を代表する辻林 浩様、石見銀山を代表して大國晴雄様と三浦佐渡市長との鼎談
以下にその概要を紹介いたします。
まずは、佐渡市産業観光部・世界遺産推進課長 深野まゆ子氏による「世界遺産登録に向けた取り組み報告」。3月末に文化庁に4回目となる推薦書を提出したこと。その中で佐渡金銀山が鎖国下を通じ独自の鉱山開発を行ったこと、更にそれを基盤として明治期に機械工業化を成功させたという西欧とは異なる特異な鉱山であるという普遍的価値を訴えたこと。また、江戸時代を中心にした手工業段階における独自の金銀生産を文化的伝統として取り上げたこと。また構成資産を西三川砂金山、鶴子銀山、相川金銀山の3つに絞り佐渡金銀山の価値を端的に示すようにした事などが紹介されました。
次が「佐渡首都圏の大学連携校による発表」。獨協大学外国語学部、東京学芸大学教育学部、大正大学地域創生学部、日本大学商学部の学生による発表が行われ、独自の視点で佐渡を見、研究した若い人ならではのユニークなアイディアを発表されました。
獨協大学の発表では、地域の生活と観光にスポットを当て、佐渡観光の方向性が必ずしも、地域の住民生活とリンクしていないこと。「まち歩きツアー」など、個人旅行客が増える中で、住民と触れ合いを大切にするツーリズムの重要性を訴えました。
また、東京学芸大学の学生は、民族学者「宮本常一」氏の「写真で読む佐渡」にある昔の写真を住民に見せながら昔の思い出話を聞きだし、画一的な鉱山の価値ではなく、住民の中に息づく、それぞれの生活史の中での金銀山の価値を見出すことの重要性を訴えました。
大正大学の学生は7人が6週間それぞれ佐渡を訪れた地域実習の成果を報告しました。金銀山開発と田んぼの開発、朱鷺との共生が各々リンクしていること。金銀山をはじめとする新しい地域資源マップの作成や、VR(仮想現実)での観光資源の説明など、いくつもの新しい提案を頂きました。
日大商学部の学生は3人の学生が、こちらもそれぞれ、異なる時期異なるエリアを訪れ、佐渡観光の課題をシビアに報告し、アクセスの悪さ、レンタカーの少なさ、路線バスの本数の少なさなど課題が多い中でも、どうすれば佐渡の観光が活性化するか、豊かな観光資源をどうすれば活かせるのか、アプリ版の電子ガイドブック等の提案や、住民が町づくりに参加するオール佐渡での取組みの大切さを訴えました。
鼎談は熊野古道で知られる、和歌山県世界遺産センター長の辻林 浩氏、石見銀山を代表して前島根県太田市教育委員会委員長の大國晴雄氏と三浦基裕佐渡市長による鼎談。世界遺産登録の先輩であるお二方から何らかのヒントを頂こうという主旨でした。辻林氏は、交通の便の悪さは必ずしもマイナスではない。外国人の観光客も増えて、当初の勢いはないものの安定して観光客が訪れているという現状を話し、一過性ではなく、じっくりと観光を楽しんでもらえる環境づくりの大切さを訴えました。ターゲットはリタイア組、外国人客だと言い、これからはSNSなどのネットメディアを活用すること。彼らが納得できるサービスの提供が重要だと強調されました。
また、石見銀山の大國氏は観光資源としての佐渡の豊かさを強調されました。そして、住民と行政が協力し、10、20、30年先を見据えた地域活性化のための活動の重要性を強調されました。特に地元の子供、県内の小中高生たちに地元を勉強してもらうこと。地域に誇りをもち、観光客にも接することができることの大切さ。また、観光客にも事前に勉強してもらい、旅行がより有意義になる活動も大切だと話されました。
今回プログラムが始まる前には篠笛の狩野泰一様の演奏や
佐渡を世界遺産にする首都圏の会、新潟の会、佐渡の会の会からも会長を始め多くの方々に参加頂きました。
(文責:小路 徹)
当日は天候も良く、また、プログラムも多彩ということで350名という多数の皆さまにご参加頂きました。
イベントは3部構成で
①佐渡市産業観光部世界遺産推進課による「世界遺産登録に向けた取組報告
②佐渡首都圏大学連携校による発表
③世界遺産・熊野古道を代表する辻林 浩様、石見銀山を代表して大國晴雄様と三浦佐渡市長との鼎談
以下にその概要を紹介いたします。
まずは、佐渡市産業観光部・世界遺産推進課長 深野まゆ子氏による「世界遺産登録に向けた取り組み報告」。3月末に文化庁に4回目となる推薦書を提出したこと。その中で佐渡金銀山が鎖国下を通じ独自の鉱山開発を行ったこと、更にそれを基盤として明治期に機械工業化を成功させたという西欧とは異なる特異な鉱山であるという普遍的価値を訴えたこと。また、江戸時代を中心にした手工業段階における独自の金銀生産を文化的伝統として取り上げたこと。また構成資産を西三川砂金山、鶴子銀山、相川金銀山の3つに絞り佐渡金銀山の価値を端的に示すようにした事などが紹介されました。
次が「佐渡首都圏の大学連携校による発表」。獨協大学外国語学部、東京学芸大学教育学部、大正大学地域創生学部、日本大学商学部の学生による発表が行われ、独自の視点で佐渡を見、研究した若い人ならではのユニークなアイディアを発表されました。
獨協大学の発表では、地域の生活と観光にスポットを当て、佐渡観光の方向性が必ずしも、地域の住民生活とリンクしていないこと。「まち歩きツアー」など、個人旅行客が増える中で、住民と触れ合いを大切にするツーリズムの重要性を訴えました。
また、東京学芸大学の学生は、民族学者「宮本常一」氏の「写真で読む佐渡」にある昔の写真を住民に見せながら昔の思い出話を聞きだし、画一的な鉱山の価値ではなく、住民の中に息づく、それぞれの生活史の中での金銀山の価値を見出すことの重要性を訴えました。
大正大学の学生は7人が6週間それぞれ佐渡を訪れた地域実習の成果を報告しました。金銀山開発と田んぼの開発、朱鷺との共生が各々リンクしていること。金銀山をはじめとする新しい地域資源マップの作成や、VR(仮想現実)での観光資源の説明など、いくつもの新しい提案を頂きました。
日大商学部の学生は3人の学生が、こちらもそれぞれ、異なる時期異なるエリアを訪れ、佐渡観光の課題をシビアに報告し、アクセスの悪さ、レンタカーの少なさ、路線バスの本数の少なさなど課題が多い中でも、どうすれば佐渡の観光が活性化するか、豊かな観光資源をどうすれば活かせるのか、アプリ版の電子ガイドブック等の提案や、住民が町づくりに参加するオール佐渡での取組みの大切さを訴えました。
鼎談は熊野古道で知られる、和歌山県世界遺産センター長の辻林 浩氏、石見銀山を代表して前島根県太田市教育委員会委員長の大國晴雄氏と三浦基裕佐渡市長による鼎談。世界遺産登録の先輩であるお二方から何らかのヒントを頂こうという主旨でした。辻林氏は、交通の便の悪さは必ずしもマイナスではない。外国人の観光客も増えて、当初の勢いはないものの安定して観光客が訪れているという現状を話し、一過性ではなく、じっくりと観光を楽しんでもらえる環境づくりの大切さを訴えました。ターゲットはリタイア組、外国人客だと言い、これからはSNSなどのネットメディアを活用すること。彼らが納得できるサービスの提供が重要だと強調されました。
また、石見銀山の大國氏は観光資源としての佐渡の豊かさを強調されました。そして、住民と行政が協力し、10、20、30年先を見据えた地域活性化のための活動の重要性を強調されました。特に地元の子供、県内の小中高生たちに地元を勉強してもらうこと。地域に誇りをもち、観光客にも接することができることの大切さ。また、観光客にも事前に勉強してもらい、旅行がより有意義になる活動も大切だと話されました。
今回プログラムが始まる前には篠笛の狩野泰一様の演奏や
佐渡を世界遺産にする首都圏の会、新潟の会、佐渡の会の会からも会長を始め多くの方々に参加頂きました。
(文責:小路 徹)